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登校
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獅音side
なるだけ学校に近い細い道を、前にも後ろにも大きい荷物を乗せて自転車を走らせる。
……まぁ…世話焼くって言ったけどね……うん……甘えて…照れて…キレて…わがまま………コロコロ変わるの面白いからいいけど…。
今だってガッツリ抱きついてるくせに背中越しにさんざん文句文句…文句の嵐ですよほんと…。
「おい!急げよ!!遅刻するだろ!!全神経を集中させて静かに揺らさず急いで足を回せ!!あ、でもあんまり速いの怖えから適度な速さで漕げよ!!だいたい元はといえばてめぇがトロいくせに全然起きねぇし風呂でもゆっくりするから家出るの遅くなったのに、そのくせわざわざ途中まで行ってたのお前のおやつのマシュマロとイチゴ大福と新作の抹茶チョコチップ入りクッキーのために家まで戻ったのが原因だからな!?!?俺にも抹茶のクッキーとイチゴ大福半分やれよ!!!」
すでに全神経を注いで自転車を学校に向かわせているときに、背部から一発噛みついてやりたくなるような言葉が降りかかってくる。
「はぁ?!無茶言うなよバカが!!てめぇが揺れたら腰に響くっつーからゆっくり漕いてんだろうが!!てか無駄にお前の荷物多いから重いんだよ!!甘いもんばっか食ってるくせに運動もしないから太ったんじゃねぇのか?!そんなんだから色んなとこぷにぷにしてんだよ!!抹茶クッキーとかイチゴ大福とか食おうもんなら太るからやめとけ!!運動音痴を治すためにも運動しろ!!!」
少しスピードを上げつつ前だけ見てペダルをこぐ。
あーー……つくづく優しい俺……こんな馬鹿なマシュマロのためにめちゃくちゃ尽くしてるわー……
なのに馬鹿はやっぱり馬鹿で、きっと脳みそまでぷにぷにしてんだわ…。そうじゃないとここまで低能なのか説明つかないもん、うん、そんな馬鹿を相手にしてるってことは俺褒められるべきなんだけどなんで怒られなきゃなんだよ!!
「てめぇこそ無茶言うなよ!!運動できねぇ奴に運動しろとか甘いもん我慢することと同じくらい苦痛だわ!!てか言わせてもらうと俺太ってないから!!ぷにぷにしてるとか、その肌好きなのどこの頭イカれたカス野郎だバァァァカ!昨日もずっとちゅーしたり噛んでたくせに俺が筋肉質になったらやだろ?!?!な?!てことで運動しないという方向で行くから。そもそも中途半端な運動より激しいことしてんだろうがボケ!!ご心配なく!!てかお菓子よこせよケチ!!」
「筋肉質になられたら困るけどデブになることを薦めてんじゃねぇんだよ!!お菓子ばっかじゃなくて飯を食え飯を!!てか、そのままの状態維持するってことは噛んで欲しいって言ってんの?そうですよね?そんなん言わずともがな余裕でウェルカムだから任せとけ。て!か!自転車漕いでるとはいえそういうこと言うなよ!ほんと馬鹿だな!!!事故るぞ俺!!もうすぐ学校つくから静かにしてなさいよ!!!そんなこと言っててバレても知らねぇからな!!」
「ばれたらお前が守れよ~」
「めんどくせ!」
「とか言いつつ守ってくれるから大好きー、だからお菓子ちょうだーい」
「…棒読みじゃねぇかボケ。マシュマロの分際で何言ってんだ、むしろ食べてくださいだろ。噛み殺してやるから、ほら、頼め。」
「ケチ!!!カスライオンが!死ね!!!」
家を出てから学校につくまでこの調子でずぅーっと言い合ってた。
とりあえず、玄関で真白をおろして、遅刻ギリギリで教室に入れそうなので自転車を駐輪場に置いて真白のカバンと自分のカバンを持って玄関に向かう。
「…ん!かばん!ちゃんと自分で持つから!!」
玄関に着くなり靴を履き替えて手を出してきた。
………腰痛い腰痛いって言って朝から喚き散らしてたアホが何言ってんだか……
「……か!ば!ん!………教室まで手繋いでいこーぜ」
「…………っ、…………おま、え……ねぇ…」
……ほんと、固まるわ。
………なに、昨日にしろ今日にしろ、こいつの頭ほんとぷにぷにしてるからおかしくなったんじゃねぇの……
いつも変なとこで照れるくせになんでこんなとこで照れもせずにドヤ顔してんの?!?!俺が死にそうなんだけど!!
「…ほら!早く靴履き替えろって!トロいんだよ遅刻するだろ!!……腰痛いから手繋いで教室まで可愛い彼氏をつれてってクダサーイ」
「あぁぁあ!うるせえバカ!!急いでいくぞ!!遅れたらお前のせいな!!」
むかつくけど噛みつきたいけど殴ってやりたいけど!惚れた弱みだとおもうからもういっそのことどうにでもなれって感じですよ。
顔が赤くなるのを誤魔化すように急いで真白の手を取り教室までの階段を上る。
なんだかんだ言いつつ嬉しそうな顔してる後ろのバカがむかつくけど可愛いから腹立つ!!無理!!
「あれー?喧嘩二人組なんで今日は手繋いでんのー?仲良しじゃんウケるw w w w 」
まぁそりゃ学校だし生徒もいるわな。
こんなとこで男二人で手つないでたら誰でも不審に思うわ。
「おー!おはよー!!オレ昨日の夜から腰痛くてさー!階段キツイから手伝ってもらってんの!!仲良しは今日だけだから気にすんなよー!!」
「……そーいうこと…です…」
「あー!なるほどな!!ドジだなお前w w 朝霧、イケメン幼馴染にこんな事させて女に刺されないよう気ぃつけろよーw w w w 」
すれ違う生徒に声をかけられてもそういうのは適当にペラペラ上手く話せる真白にまかせて、俺は面倒くさいから笑って誤魔化す。
階段を上って右に2つ目の教室の前まで入ると、チャイムはなってたけど、まだ担任のニッシーは来てないみたいだった。廊下にも響くほどうるさいクラスのやつの声……ほんと賑やか
とりあえず教室の前あたりで手を離す。
そしたらじーっと手と俺の顔を見てきた。
「……手、繋いだら…あれ、何だっけ?…ほらアレだよアレ!」
「……はぁ??なんだよアレって…」
アレアレって爺さん婆さんみたいなこと言い出した。
手繋いだらアレって……なんだよ…………手汗?
…………そんな手汗かいてたか?!
「……あ!!!…アレだ!!思い出した!!」
俺が手汗かと思って悩んでると、急にまたでかい声出してバシッと腕を叩いてきた。
「……なに…」
「ほら!………すくーるらぶ?…なんかそんなのだよ!!……学校でいちゃいちゃするやつ!!…まぁよく知らんけどそんなの!……手繋いだし、すくーるらぶだろ!」
「……………あほ」
なんだよ、すくーるらぶって……。
馬鹿っぽさ丸出しだぞ……。手繋いだらスクールラブとか言う奴なら、俺、桃山の野郎ともスクールラブしてることになるからやめてほしいわ。
こいつ一人で十分だし、べつに学校より家でいちゃいちゃすんのがいいしな。
「………すくーるらぶ………家でいちゃいちゃするのがいいな?」
「…………っ、」
なんというベストタイミングで爆弾かましてんだよ……。
コテンって首横にやって見上げてくるの萌えました。絶対言いたくないけど、可愛かったわ。
一人で悶々とそんなことを考えてると、ガラッと勢い良く教室のドアが開いた。
「やっぱりー!!!獅音くんと真白くん!!おはよー!!今日もかっこいいね!!付き合って!!」
「…っうお…っ!!」
「桃山ちゃんだー、おはよー!」
ドアが開いたと思ったら女装野郎が飛び出してきて抱きつかれた。
無理!無理!!無理無理!!朝からうっっぜぇ!!!抱きつくなよ!!今気分良かったのに台無しだわ!!
「みて!今日のリボン可愛くない?!ミント!!アイスみたいで夏っぽいでしょ!!」
「…………はぁ………あーー、うん、夏っぽい夏っぽい…可愛い可愛い」
チラッと真白を見たけどこの前より気にしてない様子で涙の方へ歩いて行ってた。………現金なやつめ。
とりあえず適当に桃山に返事して、引きずるように教室の中に入った。
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