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青春、最後まで信じ貫けば真となる
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「ヒナトの奴こねーな…」
試合開始10分前、ヒナト以外の全員が集合しているのにスタメンであるはずの彼が来ないことにより騒然に包まれていた。
リョウは不安そうな顔できょろきょろあたりを見回しているが一向に来る気配が見られない。
いよいよリョウの相貌が蒼白に染まりかけたころ、
「…あいつも所詮不良だったということか」
ため息混じりの顧問の声音に、突き動かされた。
「今の発言、取り消してください」
自分でもこんなに低い声がでるのか、と内心驚いた。
顧問も目を見開いて初めて笑顔以外の表情を見せるリョウを見つめた。
「ヒナトは確かに暴力をふるうやつだったかもしれない。でも今はもう違うんだ!あいつは変われたんだ!なのに外野がとやかくヒナトのことを悪く言うのは、許さない」
殺気にも似た睨みに、顧問はつい一歩後ろに下がってしまう。
真剣なまなざしに部員たちも黙り込む。
思い静寂の中、リョウは顧問に「すみません。俺ヒナト探しに行ってきます」と深々と頭をさげた。
そのまま走り去っていくリョウの背中がとても大きく見えたのだった。
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