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青春、友に嘘は通用しない
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駈け出したリョウが真っ先にしたことは携帯を開くことだった。
電話を鳴らしながら早足で移動する。数拍の間を置き、がちゃりと繋がった音が鼓膜を震わせる。
「おいヒナトか!?」
『…なんだリョウかよ。何の用事だ』
電話越しのヒナトには特に変わった様子は聞き取れない
。だが、リョウには分かる。ヒナトが相当な無理をして電話に出たことぐらい、すぐに察知できた。
「無事なのか拉致されたりされてないのか?」
『どこまで心配性なんだお前、いや無事だけどどうした』
まだばれていないと思い込んでいるヒナトに歯を食いしばりながらも何とか耐えて会話を続ける。
「そこから何が見える」
『はぁ?えーっと青と黄色のド派手な看板…ってなんでそんなこと聞くんだよ」
「わかった。そこを動くんじゃないぞ」
用件だけ聞くとあっさりリョウはヒナトとの糸を断ち切ってしまった。
とっさに嘘はつけないヒナトに対しての唐突な質問で大体の居場所を理解できたリョウは猛ダッシュで走り出した。
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