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GENESIS -創世記- 更新再開。右の注意書きを最後まで読んでください。
12
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ー…コンコンッ!
ドアのノックオン。
また、誰かきた。
「…入れ。」
「失礼いたします。」
開きっぱなしだったドアの陰から現れたのは、三人の男。
黒髪で整えられたショートカットと制服姿であることはここからでも確認でき、ここの生徒であることは間違いない。
姿を現わすや否や、男たち三人は廊下で土下座をした。
「…誠に申し訳ありません。咎人(トガビト)をひとり、逃してしまいました。」
「…そのようだね。…目障りだ。連れて行きなさい」
「はっ…この度は、誠に失礼致しました。連れ戻ります。」
廊下にいた男たちは顔を上げないまま立ち上がり、室内に入ってくる。
音もなく入ってくるその男達は、気味が悪い。
男たちが地に臥せる男と佐伯の周りを取り囲むと、佐伯体はまたゆらりと揺れる。
佐伯の右足が、男から離れたようだ。
固い唾を飲み込んで、手のひらを濡らす汗をズボンで拭う。
その瞬間に、佐伯がくるりと振り返った。
「…さぁ、涼一君、何の話の途中だったかな?」
その表情は、笑顔。
何事もなかったかのような、軽快な足取りで椅子へと戻ってくる。
この男の感情が見えない。
気持ち悪い。
お前は
なぜ
笑う?
「…涼一君?顔色が悪いよ?大丈夫?」
その綺麗な笑顔は、ずっと、忘れられないだろう。
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