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『小話 2』派遣社員 4
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土曜日
「たしか駅前って言ってたよな……」
昴は南雲に言われた通り集合時間より10分早く駅前で待っていた
(スタジオなんて…めちゃくちゃ楽しみかも)
ワクワクしながらショルダー部分を握りしめていると、横から声をかけられる
「相馬さん」
「っ‼︎ 南雲さん‼︎」
話しかけてきたのは黒のスーツをきっちりと着こなした南雲だった
「随分と早いですね。」
「す、すみません。…集合するなら早くて損はないよなって思って」
「いい心がけだと思いますよ。じゃあ、早いですが向かいましょうか」
あたふたしながら南雲に話すと彼はいつもみたく小さく笑う
「え?他の人は…」
「今回の依頼人数は1人でしたので相馬さんだけですよ」
「そ、そういう事ですか。」
我ながら変な事を聞いてしまったような気もしたが、南雲は解りやすく説明してくれ、昴を車へと連れて行った
「今回は私も同伴ですから安心して下さい。スタジオからの依頼は久しぶりなもので、私も正直、緊張してます」
助手席に昴が乗り、南雲が運転席に座りながらそんな事を話す
(南雲さんでも緊張する事があるんだ。)
その顔からは想像も出来ない昴は彼の顔を見つめながら小さく笑った
「南雲さんでも緊張する事があるんですね」
「ありますよ。相馬さんは楽しそうですね」
「い、いえっ‼︎そんな事は…でも、芸能人とかに会えたら嬉しいなーとか考えたりはして、ます…」
語尾になるにつれ小さくなる昴に南雲は笑い「会えるといいですね。」と言い、ハンドルをきった
連れてこられたのは小さな撮影スタジオだった
「着きましたよ。」
「あ、はいっ」
急いで車から降り南雲の後をついていくと、違和感を感じた
(…モデルの撮影とかなんだよな。多分)
スタジオには白のシーツが敷かれたキングサイズのベッドとカメラが3、4台…
「どうしたんですか相馬さん。」
「い、いえっ‼︎なんでもないです‼︎」
(気のせいだよな。うん。…うん)
南雲の横に立たされ、目の前のカメラマンらしき男性に挨拶をする
「こちらが代役を務める相馬昴です。」
「いやー、お手数かけてすみません明人さん。…んー、大学生位かな。細いし、いいサイズの身長。これはいい顔してくれそうですね〜」
男性が昴の顔や身体をまじまじと見つめ、南雲に礼を言う
「本当ありがとうございます。明人さん、今日は残ってくれるんですか?…だったら是非」
「私は相馬さんの送迎にきたんで、相馬さんの仕事が終わったら帰りますよ」
「あちゃー、その反応は仕事はしてくれなさそうですね。…じゃ、昴くん準備ができるまで控え室で待っててくれるかな?」
「え?……あ、はい」
アシスタントで来たはずなのに準備ができるまで控え室で待っててくれとはどういう事なのだろう
「明人さん、昴くんの面倒見ててもらってもいいですか?」
「貸し1で許しますよ。」
「相変わらず厳しいですね〜…、でも、興味あるんでしょう?昴くんの事が」
「さぁ、何のことでしょう?…では、行きましょうか。相馬さん」
訳のわからないやりとりを聞いて首をかしげる昴を南雲が呼び、連れていく
「あんな楽しそうな明人さん、久々に見ましたよ。…さぁて、こっちも準備しますか。機材いいの揃えて、男優さんの様子は?」
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