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月島×日向 木兎×赤葦
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《月島目線》
今は東京遠征真っ只中。
みんなは昼間の練習試合が終わってから、夜に自主練をしているみたいだけど、意味がわからない。
なぜ部活ごときでそこまで真剣になれるのか…。
僕はいつも100点を目指さない。
ギリギリの合格ラインさえ越えられればいい。そう思っている。
みんなの何がそんなに熱くさせるのかわからないし、第一真剣って何?という感じだ。
みんなが自主練をしているのを横目に部屋に戻ろうとすると、突然声をかけられた。
『ちょっと、そこの烏野のメガネ君!!』
『は?』
『いや〜、人足らないんだよね。スパイク練習付き合ってよ。』
音駒の黒尾さんだ。
この人なんか裏がありそうで嫌なんだよね。
『遠慮します。』
『そこをなんとか!!』
『嫌です。』
『あっ、そっか。自分が下手だから恥ずかしいんだね。』
イラッ
今のは聞き捨てならない。
真剣になんて絶対ならないけど、その一言が僕の何かに火をつけた。
『やります。』
『オッケー!!じゃぁブロック飛んでよ。』
『さすが挑発上手の黒尾君!!!』
木兎さんまでいるのか…
先輩達に囲まれるっていうのも息が詰まるな。
『赤葦もう一本!!』
『木兎さん!!!』
『ナイスー!!!』
疲れた。もう部屋に帰りたいな…
『なぁ。』
『なんですか、黒尾さん。』
『メガネ君。もっとこうヤル気っていうの出ないかな…』
『無理ですね。』
『はぁ…何にでも本気になれないの?』
『そうですね…』
『バレー以外もいつもこんな感じ?』
『ですね。』
『そっか。じゃぁ恋愛も?』
はっ!?恋愛!?
急に何!?
『メガネ君、チビちゃんのこと好きだろ?』
『…』
………。
ズバリ当てられ、僕は沈黙してしまった。
最初は何にでも一生懸命な日向が嫌いで見ているだけでイラついていたんだけど、いつの間にか目で追っている自分がいて…。
これを好きというのか?と気付いたのは最近のこと。
自分でも最近気付いただけなのに、他人にこんなに簡単に気付かれるとは…
『あれ?図星?』
『マジかよ!?メガネ君!!!』
木兎さんまで話に乗ってきてるし…
ここは軽く流して…
『俺も好きなんだよね。』
『はっ!?』
黒尾さんがとんでもないことを言い出した。
『俺もチビちゃん気になってんだよ。可愛いよな〜。メガネ君好きじゃないなら俺もらっちゃお〜。』
黒尾さんも日向が好き…。
ここは何て言えばいいんだろう。
僕のなんで手は出さないでください?そんなこと言えない。
ましてや日向の気持ちもわからないのに勝手に僕のなんて言えない。
『僕も…』
『僕も?』
『僕も好きです…』
『本気になれるものあんじゃねぇか。』
黒尾さんがフッと笑いながら言う。
『本気というか…』
『男同士の恋愛なんて本気で好きじゃないと口にできないもんだぜ?それを口にできるっていうのは、メガネ君が自分で気付いてないだけで十分本気なんだと思うけど?』
よく考えてみると、まず人を好きになったりすることもなかった僕が、こういう感情を抱いているだけでそういうことなのか?
そう思うと柄にも無く居ても立っても居られなくて日向に会いたくなる。
『あの…』
『いいよ。行ってこいよ。』
黒尾さんにそう言われ僕は体育館を飛び出した。
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