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心配性のふたり
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夏休みというものは短い、とっても短い、ほとんどを祐介くんの家で過ごして、毎晩のように抱いてほしいとせがむ俺。一度知ってしまった快感は、忘れられないものだ。そもそも俺は性欲強い方だし。
「お前さぁ、宿題やったわけ」
「やるようなキャラに見えてるなら、キミは全然俺のことわかってないね。毎晩なんのために繋がってるの?」
「留年したらどーすんだよ、ずっと隠れて付き合うつもりかよ」
「しないよ。俺頭はいいからね」
「嫌味なやつだな」
「そんなに褒めないでよ、照れるから」
「褒めてねぇよ」
夏休みが、もうすぐ終わってしまう。そしたらまた先生と生徒に逆戻り、か。
「はやく卒業したいなぁ」
ぽつり、と声にでてしまった本音。しまった、言うつもりなかったのに。思わずばっと口を塞いで祐介くんに聞こえてないことを願う。ちらりと祐介くんを見ると、祐介くんも俺のことを見ていた。
「いきなり口なんか抑えてどうした?つわりか?」
「やだー、先生、セクハラですよ」
聞こえてたくせに、わざと触れないでくれた。俺が先生と生徒っていう関係を憂鬱と思っていることはあんまり悟られたくなかった。だってそうでしょ、祐介くんのほうが危ない立場にいるんだから。
「夏休み明け、すぐテストあるからがんばれよ」
「ほーい。任せてよ。…っと、今日は帰るね、母さんが寂しがるから」
「ああ、送るわ」
「んーん。大丈夫。歩きたい気分だし」
リュックに荷物を適当に詰め込んで帰る支度をしていると、ぎゅうっと後ろから抱きしめられた。すんすん、と祐介くんが俺の肩に顔を埋めて匂いを嗅ぐ、犬か。キミは犬か。
「くすぐったいよーー。なぁに、寂しくなっちゃった?」
「…帰り、事故んなよ。」
「あはっ、そんな心配しなくても大丈夫。」
俺たちは過敏になりすぎだと思うな。少しでも離れたら、また居なくなるんじゃないか不安で仕方なくなる。ねぇ、俺だって毎日キミに会いにきてたのは、キミに触れたいってこともあったけど、不安だったから、なんだよね。
どうしようかなぁ、夏休み開けたら危険だからまたここに出入りはできなくなるし、学校で会うだけじゃ足りないよ。
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