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許されたい。
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ねぇねぇ、神様。見てるんでしょ?
どこまで俺たちに試練を与えるんですかアンタは。
俺は愛したいだけなんだ。前世でできなかったこと、祐介くんに全部してあげたい。それだけなんだよ。
真実を語ることも、触ることも、好きだと伝えることも、全部上手くできなかった俺だから、もう一度来世で祐介くんに出会うことを願ったんだよ。それなのにどうして
堂々と隣を歩くことすら許してくれないの。
「弘ー?お前なにそんな難しい顔してんだよ?」
「…祐介くーん、このサバ超にがい、焦げまくり」
「そのサバ焼いたのお前だろ!!ったく、料理ぐらいできるようになれよな」
「難しいことは嫌いだよ?」
「んで、俺の嫁にこい」
「………ん?」
「あ?この場合嫁じゃねぇのか、なんだ?婿?わかんねぇけど。お前が卒業したら指輪買うから、それつけて、一緒に暮らそうぜ」
「つーかサバ苦ッッ!八割焦げてる!」と続けた祐介くんの耳は真っ赤だった。そんな姿が愛しくてたまらない。抱きしめたい、大好き、大好き。
「…ねぇ、ほんとに俺でいいの?」
「…え?ごめん今更すぎてお前がアホに見える」
「だってよく考えてよ、祐介くんはもうすぐ婚期でしょ?俺はまだまだ学生でしょ?それに俺は君と結婚できないよ?男同士だもん。それから俺は嘘つきだし、俺は、」
「はいはい、長い嘘だなオイ。お前じゃなきゃダメだから来世まで追っかけてきたんだけど?寂しいこと言うんじゃねぇよクソガキ。」
「やだーー、祐介くんにガキンチョ扱いされる日が来るなんてさー!」
「んで、返事は?」
「…うん、幸せにするよ。」
「それ俺のセリフだから」
ずっとこうやってさ、一緒にいたいね、祐介くん。ずっと、ずっと愛し合って生きていきたいね、祐介くん。
でもね、それはもしかしたら叶わないかもしれない。今日ほんとに怖いことがあったんだ。俺たちは凄く危ない橋を渡ってるって自覚させられちゃった。前世で俺たちが出会っていたことなんて、俺たちしかしらないことだ。周りから見たらただの男同士で、先生と生徒だ。そんな関係の俺たちが、恋愛をする?
許されるわけがない。
秘密の恋愛、そんなのもいいなって呑気なことを思っていた自分を殴りたい。こんなことになるぐらいなら、高校を卒業するまで祐介くんのことを忘れたフリをしとけばよかった。
ああ、やだなぁ、もう、やだなぁ。すきだよ、すきだ、だいすき、だぁいすきだよ、祐介くん。
「はっ?!何泣いてんのお前!」
「っ、ぅ、嬉しいなぁ、って、思って、さ…」
嘘です。
「あーあ、バカじゃね?そんなに泣くなよ。抱きたくなる」
「…ふふ、ふふふっ、いいよ、ねぇ。…今日はね、うんと優しくしてほしいな」
嘘です。
嘘です。
だって、ねぇ。これで最後になるかもしれないじゃない?
君と愛し合うことが。君が傍にいることが。
それでも俺は、君を守るよ。
どんなになっても、君を愛するよ。
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