アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
トップという名称
-
今日の放課後は生徒会の活動は無く、いつもより早めに学校から帰れる。
日が沈む前に学校を出るのは久しぶりだった。
正直、生徒会の活動はめんどくさい。
周りからの評価を得るため、いい人間を演じては薄っぺらい笑顔を振りまく。
生徒会なんて雑用みたいなもんだ。
教師側が対応仕切れない書類を整理したりするだけの作業。
ほんと、樹の頼みじゃなきゃとっくに辞退してる。
「あ、あのっ」
下駄箱の所で女子に声を掛けられた。
ネクタイが赤。……一年か。
「ん?どうしたの?」
またいつもの得意の作り笑い。
笑いかけるとその子の頬がポっと染まる。
あぁ、告白か。と俺はすぐに気付く。
「へ、返事はまだいいのでっ」
案の定告白だった。
そう言い残して俺の前からパタパタと去っていく。
「はー……めんどくさ」
断る前に立ち去られ、思わずため息が溢れる。
初対面で告白してくる奴は大体みんな決まって俺の顔目当て。
女なんて見た目が良かったら誰でもいいくせに。
女を相手にすると本当にストレスが溜まる。
「なんかなー。面白え事ねーかな」
フラフラと歩きながら校門を出ようとした時、例の一年を見かけた。
「おっ、陰キャラじゃん」
何やら楽しそうに電話をしていた。
別に盗み聞きをするわけじゃなかったが、その電話の内容に俺はひどく興味を惹かれた。
「鷹中は俺一人で強くしたんじゃねえし……」
……鷹中のトップ?
実は陰キャラっていう自分の立てた推測が外れ、ふっと肩の力を落とす。
電話を続けるそいつの後ろで、俺はあることを思いついた。
二年前、無名校だった鷹中を突如県内に知らしめた時代。
その不良のトップが、この高校に入学した。
そしてそいつは、現学年成績トップ。
「……面白い」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 617