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まさかお前が
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最悪だ……入学してここまで順調だったのに。
あの訳の分からない眼鏡野郎に俺は初めて喧嘩で負けた。
それだけで死にたいくらい最悪なのに、そいつは俺の犬になれとまたふざけた事を吐かし、俺にフェラをさせやがった。
ほんとに最悪だ……思い出すだけで吐き気がする。
この俺があんなやつに……
「おっ、新おっすー!」
「おう…」
こんな最悪な気分でも学校は毎日やって来る。
ダチが朝の挨拶をしてくるが、今機嫌が悪いから軽く返した。
「なに?何か今日元気なくね?」
まぁ、もろオーラに出してるから当然のように気付かれる。
「別にー……つか、何で今日はこんな騒がしいんだ?」
今日は朝から、クラスがざわざわと騒がしかった。特に女子。
いつもは薄化粧の女子とかも今日に限って濃い化粧になってたし。
女子はすっぴんがいいと思うんだけどな。
「んー、なんか生徒会から緊急報告があるみたいでさー」
ダチが言った生徒会という言葉にギクリとする。
あの眼鏡野郎が、生徒会長がどうとか言ってたし…
「ふーん……そんだけなのに女子はなんでこうキャピキャピしてんだよ」
「なんでもその生徒会長と副会長がイケメンらしくてさー。狙ってる子結構いるらしいぜ?少しでも気合い入れておきたいんじゃね?」
あー、それで。
確かに入学式の時一回だけ生徒会長見たけど、言われてみれば綺麗な顔してたな。
「おっ、そろそろ時間じゃん!新並ぶぞー」
ダチに言われて席を立つ。朝っぱらからこんなめんどくさい呼び出ししやがって。
早く終わる事だけを祈る。うん……
体育館に着くと、やっぱり他のクラスの女子もいつもより化粧に気合いが入っていた。一年だけでなく全学年の女子な。
逆にそこまで出来る事が素晴らしいと思えるくらいだ。
周りをキョロキョロと見渡していると、周りの女子がざわつき始める。
そして、顔を上げるとドクンっと心臓が嫌な鳴り方をした。
『みなさん、おはようございます』
低くて濁りのない綺麗な声がマイクを伝い体育館に響き渡る。
壇上に現れたのは、昨日の男。
「今日は上城先輩だっ」
「いつにも増してかっこいい」
心臓の音が速さを増していく。
つか、なんでお前がそこにいんだよ……なんだよその笑顔は昨日と全然キャラ違うじゃねえか…っ
『えー、今日は生徒会長に代わり、副会長の私から皆さんにご報告したい事があります』
副会長?
嘘だろ……生徒会だったなんて……
嫌な汗が背中に流れる中、ごくりと生唾を飲んだ。
『突然ですが、前期の成績上位者の中から、生徒会に推薦したい方がいます』
周りがまたざわめく。
やがて静まったあと、眼鏡野郎は全校生徒が集まるこの場所で真っ直ぐと俺を捉え、ゆっくりと口を開いた。
『一年B組の渋谷新さん』
周りが俺に注目する。
聞き間違いかと思ったが、後ろの奴がやったな!と背中を叩いてくる。
俺は突然の出来事に言葉が出てこなかった。
胸くそ悪りぃ眼鏡野郎と目が合う中、にやりと口角を上げる瞬間を俺は見逃さなかった。
『あなたを生徒会書記に推薦します』
ほんとにこいつは何を考えているんだ……
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