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呼び出し
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教室に戻ると、俺の周りには色んな奴が群がってきた。話した事のない奴も、いつもは控えめな女子までもがおめでとうと声を掛けてくる。
まぁ、普通ならここは喜ぶとこだ。でも俺は今喜べる状態じゃない。
「良かったな新‼︎」
「やったな渋谷‼︎生徒会に推薦されるなんて流石だぜ‼︎」
一人のダチが肩を思いっきり叩いてきた。
今はそれさえもイラっとする。
「でも大崎も成績上位者の中に入ってたよな?大崎は選ばれなかったのか…?」
そのダチがポツリとそんな事を言った瞬間、周りは教室の片隅にいる大崎の方へ目をやった。
大崎……大人しそうな暗めの奴。
そっと視線をやると、何やら俺を睨みつけてきた。
「俺、睨まれたんだけど……」
「ははっ、あいつ生徒会に入るって必死だったもんなー‼︎悔しいんだろ‼︎」
盛大にガハハと笑いながら、ダチが俺の肩をバシバシと叩いてくる。
生徒会か。確かに入れば進路に有効的になる。損はない。でも、眼鏡野郎がいる事に問題があるんだ。
なんなら、今すぐにでも大崎に推薦の座を渡してやってもいい。
気分が上がらない中、自席でジッとしていると携帯がヴヴッと振動した。
着信メール。知らないアドレスからだ。
開いてみると、それがあいつだとすぐにわかった。
“ 今すぐ保健室に来い ”
殺風景な画面にはその文字が。
見た瞬間これまた怒りがブワリと湧き上がる。
「誰が行くかよ……」
大体、俺には皆勤がかかってんだ。一回の授業だって休むもんか。つか、一限目から呼び出すとかまじありえねぇ。
無視だ無視。パタリと携帯を閉じると、またすぐにバイブ音が流れる。
「なんなんだよ…っ」
今度は添付メールだった。
写真を開くと、あの時の俺の恥ずかしい写真が画面に表示される。
「っ⁉︎」
「ん?渋谷どした?」
「い、いや、なんでもねぇっ‼︎」
すぐに携帯を閉じ、ダチが離れた後にもう一度そのメール内容を見る。
“ 五分以上遅れてきたらお仕置き ”
はっ⁉︎ なんだよそれ‼︎
もう最初のメールから三分は経っただろ‼︎
「きりーつ」
この文を打ち込むあの野郎のムカつく顔が頭の中でイメージ再生される中、日直が号令を掛ける。
「あ…あの先生‼︎」
すかさず手を上げるとクラス中が俺に注目した。
「お、どうした渋谷ー?」
「あ、あの、腹痛いんで保健室行ってきてもいいっすか?」
「なんだ腹痛かー。生徒会に推薦されて気が緩んだんだな。 いいぞー‼︎行って来いー」
余計な事を言いやがったな先公め。と、先生に対しても苛立つが、今はそれどころではない。
クラスメイトがクスクスと笑う中、俺は駆け足で保健室へ向かった。
「くそっ……恥かかせやがって‼︎」
あいつに会ったらまずはガツンと言ってやる。
俺は平和に学校生活が送りたいだけなんだ。それをあんなくそ眼鏡野郎に邪魔されてたまるか。
イライラを積もらせながら保健室にへと辿り着く。
そこには、制服をはだけさせベッドに腰掛けるあのムカつく眼鏡野郎がいた。
「遅い。十○分遅刻」
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