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あれは・・・
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悪夢のような行為が終わると、眼鏡はふぅーと息を吐きながら俺の隣に倒れ込む。
そしてそのまま俺の中に出したものを掻き出してきた。
「なっ、自分でする!!」
「いいよ。俺するから」
さっきまでとは打って変わり、優しい声の眼鏡はその後手際よく俺の体を綺麗に拭いてくれた。
あまりにも優しいもんだから、逆にそれが腹立つ。どうせなら、最後まで優しくすんなっての。
「もういいだろ…手解けよ…」
「あぁ、そうだな」
縛られていた手がようやく解放され、一秒でも早くこの場から立ち去りたかった俺はすぐに体を起こした。
腰がジンジンする…あとケツん中…ほんとに最悪。
身体中あちこち痛くて、立ち上がるのもやっとな状態。次第にプチプチと眼鏡に対して苛立ちが積もる中、ベッドから降りようとした時だった。
「いっ!?」
いきなり目の前に眼鏡の腕が現れたかと思えば、そのまま首を押さえ付けられまたベッドに倒れ込んでしまった。
「なにすんだよっ」
「俺のここ、新のでこんななってんだけど?」
眼鏡が自分の腹を指差し、俺に顔を近付ける。そこには俺が飛ばしちまった精液…
「じ、自分で拭けよ」
素っ気なく返すと、眼鏡はニタリと笑った。
「舐めて」
「はっ!?」
「俺もう疲れたから。新が舐めて綺麗にしてよ」
事後だからなのか分かんねえけど、眼鏡は普段より火照った顔でそう言ってくる。
浅い吐息と高揚する顔、甘いにおいが増す中、目を細めて笑うこいつのフェロモンはやばい。
こいつはほんとにどこまでもムカつく。なんて色気ムンムンの声で言ってくんだ。
なんつぅ顔して俺の事見んだよ……。
「早く」
「っ……」
従う義理なんかねぇのに、こんな事俺がやる必要なんてねぇのに、体が言う事を効かない。
言われるがまま、眼鏡の腹に手を掛け、ゆっくりと顔を近づける。チロリと舌を覗かせ自分が出した精液を綺麗に舐めとる。
「上手上手…」
すると眼鏡は、優しい声を出しながらポンポン、と俺の頭を撫でてくる。
ほんとに俺は、こいつという人間が分からない。
「終わったんだから手ぇ離せ」
俺に体を向けたまま、眼鏡は動こうとしなかった。
「んー、なぁ新。このまま寝ちゃおっか」
「はっ!? ふざけんな!! 次の授業があんだろ!!」
「いいって」
「俺は行く。お前一人で寝てろ」
ふん、と吐き捨ててやると、眼鏡は俺の顔をじっと見つめてきた。
「な…なんだよ」
「新って真面目だよな。写真の時とは正反対じゃん。煙草も吸うくらいの不良がこうも更生するなんてねぇ」
ニヤニヤと笑いながらそう言ってくる。
「お前、一つ勘違いしてんぞ」
「?」
確かにあの写真は俺が一番荒れてた時の写真だ。ダチだって煙草も吸ってたし酒も飲んでた。
でも―…
「俺は煙草なんて吸ってねえし、酒も飲んでねえ」
言い切ってやれば、眼鏡は少し驚いた顔を見せた。
「でもあの写真では煙草咥えてたじゃん」
「あ、あれはな…」
俺にとっての黒歴史。今となっては遠い記憶だ…。
「あれは?」
言葉を詰まらせると、眼鏡は不思議そうに首を傾げた。
「…じゃが◯こだ」
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