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早朝のイタズラ
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眠い。まだ全然眠いのに、
俺はいつもより数段早く登校している。
朝日が昇って行くのを細目で確認した。
「そのまま沈んでくれ・・・」
こんな朝早くから、俺は1番
嫌いな奴に会わなくてはならない。
いや、つい最近嫌いになった奴だ。
「行きたくねえ」
学校に着いても、やっぱりまだ
他の生徒は登校してない。
まぁ部活で朝練やってる奴は別だけど・・・
重い足取りで生徒会室に辿り着く。
こんなとこ、入った事なんて無かったから、
入るのに少し、戸惑う。
「し、失礼します」
ノックをした後、そっと扉を開けた。
中は静かで、一瞬誰も居ないように思えたが、
よく目を凝らして見ると、
山積みに積まれた資料の片隅で
あの眼鏡が寝ているのを見つけた。
「・・・おい」
近付いて声を掛けてみるが、
起きる気配がしない。
「おいくそ眼鏡。
なんで呼び出したてめえが寝てんだよ。
起きろおい!」
「ん・・・うっせえ・・・」
こいつ・・・
起きたと思ったが、そいつはまた
顔を反対に向けてスヤスヤ眠り出す。
「てめえ」
俺だって眠いんだよ。
用事ねえなら帰るぞ
そう思った時、
また眼鏡は ん っと声を漏らし、
俺の方に振り向いた。
窓から太陽の光が入り、そいつを照らす。
こんな事は死んでも言いたくは無いが、
こいつは本当に綺麗な顔をしている。
「男なのに綺麗とかむかつくな」
そうだ。
せめて寝てる時くらい
こいつになんかしてやろう。
日頃の仕返しだ。
そう思い、どんなイタズラをしようか
悩んでいると、
俺は、はっと思いついた。
「そうだ。“眼鏡”・・・」
こいつ、眼鏡無いと何も見えないって言ってたな。
なら眼鏡隠しちまえばいいじゃねえか。
それに、眼鏡の奴は眼鏡外すと
目のデカさがマイナス1.5くらいになるって
秋人言ってたしな!
「ふん。悪く思うなよ」
その眼鏡。頂戴するぜ
そっと、そいつの顔から眼鏡を外す。
「っ!!!」
ピタリと俺は動きを止めた。
「嘘だろ」
眼鏡を取った事を後悔した。
なぜかって?
「なんなんだよこいつ」
眼鏡を外すと、
こいつはより、美男子だったのだ。
眼鏡外すとイケメン度1.5増しじゃねえかよ
秋人このやろう嘘言いやがって!
綺麗な長いまつげ。整ったその顔に、
不覚にも、見とれてしまった。
「・・・涙ボクロ」
いっつも眼鏡してっから、
全然気付かなかった。
と、とりあえず、眼鏡外しても
こいつのイケメン度が上がるだけだと
分かった俺はすかさず眼鏡を
元の位置に戻す。
「よ・・・しっ」
そいつに掛け直し、
このまま起こさず教室に戻ろうと
思った時だった。
「うわっ!!」
凄い勢いで腕を引かれた。
俺の腕が山積みの資料に当たって、
沢山の資料が宙に舞っている。
そして俺自身も、なんで、
天井を向いてるんだ・・・?
なんで・・・・
「主人が寝てる隙にイタズラなんて」
お前が俺の上に乗っかってんだよ
「いけない犬だな。新」
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