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何を考えている?
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あの1年君が出て行くと、
成海は何やら肩を震わせている
「成海、なにしてるの?」
「くくっ・・・いや、
あいつが “ ごきげんよう ”とか
言うからさ(笑)」
そう言いながら振り向いた。
驚いた。成海が笑うのなんて
久しぶりに見た。
成海とは小学校からの友達付き合いだけど、
昔からクールな性格だったし、
まぁ、多少いじめっ子気質もあったけど、
こうも笑っている姿は
ほんと、今までで数える程しか見ていない。
「で、生徒会室であんな事して、
入って来たのが僕じゃなかったら
どうする気だったの?」
机に腰掛け、成海にそう問うた
「別に。この時間にここに来る奴なんて
俺とお前くらいだし。いいだろ」
いいわけないでしょ。
「ほんと、昔からその
すぐ手を出す癖やめなよ。
一体どれくらいの子を傷付けるわけ?」
何回か、成海が女子生徒に
手を出したところを注意したけど、
さすがに今回は相手が男となると
また違った問題が発生する
「手なんか出してねえよ。
あの女共が勝手に押し倒してきただけだろ。」
「だとしても、今後一切
校内であんな事はしないで。
次見つけたら処罰するよ?」
「へいへい」
雑な返事が返ってくる。
やがて成海は散らばった資料を
拾い始め、その資料に目を通す
「まさか、あの1年君を
書記に推薦したの?」
そう言うと成海は手を止めこちらを見た
「そうだけど?」
「なるほどね。なら尚更
あんな事はしないで。」
生徒の代表である僕達生徒会に
変な噂でも流されたら
学校側からの信頼を崩す事になる。
「自分の立場をわきまえてね、
遊びなら早く終わらせておくんだよ。」
そう言って、僕は取りにきた
資料を手にすると部屋を出ようとした
「遊びねー・・・・」
後ろから、ため息混じりの
成海の声が聞こえた
そのまま部屋を出たが、
成海がボソッと呟いた言葉は
はっきりと僕の耳には聞こえていた
「“ 今回のはちょっと違うんだよな ”か。」
成海、お前は今何を考えているんだ?
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