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落ち着く人間
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「話ってなんだよ新」
あの後、俺は会長に会いたくて
生徒会室に向かったが、
顔を見るなり逃げ出してしまった。
なんでかは分かんねえけど
会長を見ると泣きそうだった
一人になりたくなかった俺は
とりあえず秋人を呼んで
今に至るワケだが・・・
「いや、お前と話がしたくて」
「話しならいくらでも聞いてやる。
でもな、新」
そう言うと秋人は顔を赤くした
「何もここじゃなくていいだろ!?」
バッと立ち上がり大声を出す秋人に
俺は少し驚いた
「な、なんだよ。お前ここに
来たかったんじゃねえのかよ?」
「あれはノリだろ!?
ス◯バなんて女が恋バナする為に来るとこだぞ!?」
秋人の声に周りが俺達に注目する
そう、俺たちはス◯バに居る、なう
「?そ・・・そうなのか?」
「そうだよ!それかカッコつけの
リーマンがコーヒー片手にパソコン作業するとこだよ!」
そう言うと、ふんっと秋人は
椅子に座り直した
やっぱり秋人と居ると落ち着く
あんだけ張り詰めていた緊張が解けていく
「で、話しって?」
「あー・・・」
どうしよう。
秋人にこの話をしたら軽蔑されないか?・・・
男が好きだって聞いたらお前は
「あ、のさ。」
「んー?」
「ご来光が見えたらどうする?」
「・・・・は?」
やべ。飛んだとこから話しちまった
「そりゃ、拝むけど」
「あっや、そうじゃなくて」
「あと写真も撮るな!」
ああ、秋人真面目に返してきてるよ
「違う!悪りい!そのご来光じゃなくて」
「は?どのご来光だよ」
くあーっ、なんて話せばいいんだよ!?
「・・・何?なんだよ」
あーもー。
「す、好きな奴が・・・出来た」
「・・・・・・え」
「お・・・とこなんだけど」
言った!もうこの際どうにでもなれ!
俺の事ホモとでもなんでも呼べ!
「・・・・」
そっと目を開けると
秋人は俺を見つめ黙ったままだった
あー、そりゃそうだよな
いきなり男が好きって聞いたら
なんて言えばいいか分かんねえよな
なんだ?俺の事嫌いになったか?
殴りたそうな顔しやがって・・・
いや、もういっそ殴れ。俺を殴ってくれ秋人
ホモと化した俺の脳ミソを粉砕してくれ
そう願って居る時
秋人は口を開いた
「な!!!やったな新!!」
「へ?」
え、なんで笑顔・・・
そして何?やったなって
聞くからに祝福するような事言いやがって・・・
「相手はお、男だぞ?」
「いいじゃねえかよ!
お前が男でもオカマでも、そこらへんの猫と付き合おうが
俺は応援するぞ!!」
猫ともオカマとも付き合わねえよ
でも良かった・・・
いつもの秋人だ
「んで、そいつがどうかしたの?」
「いや、俺がその人の事好きって思ったのさっきだし
正直、ほんとに好きかはまだ分かんねえ・・・」
こんな気持ち初めてだし
これからどうすればいいかも分かんねえ
「ふーん。・・・俺さ、
お前が心配だったんだよね。」
「は?なんで?」
「いやお前さ、中学の時は喧嘩ばっかしてたし、
いきなり足洗うとか言い出して
その後は勉強一筋だったじゃん?」
いきなり秋人が真剣な顔をするから
俺も姿勢を正して話を聞いた
「好きな女とかも居なさそうだったし
高校入ってさらに真面目君になっちゃってさ、
もっと人間らしい事してねえのかなって心配してた」
なんだよ人間らしい事って・・・
まぁ、秋人なりに俺の事心配してくれてたのか
ちょっと、嬉しいな。
「だからさ、お前から
好きな奴がいるって聞けたのすげ〜嬉しい。」
そう言うと秋人はふにゃりと笑った
なんか、急に恥ずかしくなってきた
「でも、男だぞ!?」
「男とか女とか関係ねえよ。
お前がこれからどうしたいか、そいつとどうなりたいかが
1番大事なんじゃねえの?」
「・・・・どうなりたいって」
「初恋なんだろ?なら、尚更大事にしろよ。
誰かを好きになるってスゲー事なんだぞ!」
「・・・・おう」
そんな真剣な事言われると
思ってなかった。
でも、秋人が言った事は
深く俺の胸に響く
少し気が楽になった・・・
「へへっ、俺今かっこいい事言った?」
「調子乗るな」
お前に話して良かった
そうだよな。
何がどうこうよりも
自分にケジメつけねえとな。
「さんきゅ、秋人」
「おう!」
ほんと、ありがとな。
「てかこれって立派な
恋バナじゃね??俺達乙女ーっ!」
「ばっか!大声出すな!」
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