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本当に欲しいと思うもの
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熱い・・・
身体の中が焼けるみたいに熱い
頭が重くて目も開けられない
「・・・らた」
誰かが俺を呼んでる
どこかで聞いた事のある声
もしかして、眼鏡か?
いや、あいつはこんな優しい声じゃねえ
「新」
あー、そっか、俺倒れたんだ。
って事はこれは夢か。
じゃあ今俺の名前呼んでんのは
会長だ。うん、会長・・・
優しい声だなあ
「っゴホッ・・・ゴホッ」
息が苦しい・・・
喉が痛くて声が出せない
こんな事になるなら雨の中
走って帰るんじゃなかった。
「ゲホッ・・・ゲホッつっ」
「大丈夫だ」
そっと頬に触れる手が
冷たくて気持ちいい
ん・・・?
なんか、口にも冷たい何かが・・・
「んっ・・・・ふっ・・」
乾いた喉を冷たい水が潤していく
唇に感じる感触がすごく気持ち良くて
すごい安心出来た
「ん・・・・」
あれ、でもまて、
この感触はどっかで・・・
「・・・・」
その答えを出すまえに
俺の意識は深い闇の中に落ちて行った
「あ、気が付いた?」
目を開けると保健室の白い天井が広がっていた。
声のする方へ目をやると
椅子に座り、難しそうな本を読む
会長の姿があった
「会長・・・?」
なんで会長が?
「寝たままでいいよ。
無理はしないで。」
そう言うと会長は
体を起こそうとした俺を
ゆっくりとまたベッドに戻してくれた
「成海から聞いたんだ。
新が倒れたから看てやってほしいって」
眼鏡が?・・・
じゃあさっきの夢はまさか・・・
いや、・・・あいつに限って
あんな事するワケねえか。
だって、すげえ優しい声で
俺の事呼ぶとか・・・
ないないない。
「気分はどう?」
「も・・・大丈夫です」
会長にこんな姿見せるなんて情けねえ。
早いとこ起き上がらねえと・・・
「新、僕に気を遣う必要はないよ?
辛いならいつでも僕に言って?
仮にも彼氏なんだから。」
優しく微笑む会長を見て
俺の体は更に熱くなる
でも、その反面、
仮 という言葉が胸に引っかかる
そうだよな。
付き合ってるって言っても仮だし、
本当に付き合ってる訳じゃない
「新?」
また、心配そうな声で俺を呼ぶ
「・・・っ」
仮なんて嫌だ
俺は本当に会長と付き合いたい
俺の気持ちを伝えたい
「会長・・・・」
「ん?」
熱のせいかな・・・
頭がクラクラしていつもより
思考が制御出来ない
満たされる想いを
誤って、口にしてしまいそうになる
「何かほしいものある?
あるなら持ってくるけど」
ほしいもの・・・
そんなの決まってる
「会長が・・・ほしいです」
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