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雨音は次第に強さを増して
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雨の中、新がいつも帰って行く道を
ただひたすら走った
あんな状態なら、そう遠くには
行ってないはず。
どこかで倒れてるんじゃねえかと
俺の中で焦りが生まれる
「っどこだよ」
生徒名表に記載されていた
住所はこの辺のはずだ
もう家に着いてんのか?・・・
「新・・・」
辺りを見渡していた時だった
「やだ!また喧嘩?」
「そうなのよ!さっき高校生が1人
怖そうな人達に連れてかれたのを見たのよ」
通りすがりの、まぁ多分買い物帰りの奥様方が
何やらそう話しているのが耳に入った
「あの、すみません」
俺はとっさに声を掛ける
「あらっ、な、何でしょう」
一瞬ビクッとしたような反応を見せ
少し警戒気味にそう応えた
「その話し、詳しく聞かせてくれませんか?」
にこりと笑って尋ねると、ぽっと顔を染めて、
さっきとは真逆の態度で
俺にボディタッチを繰り返しながら
その話をぺらぺらと話してくれた
俺と同じ制服を着た
金髪で身長の低い男
紛れもない新の事だ
「その場所って分かりますか?」
「え、ええっ、確かこの交差点を右に曲がって・・・」
ある程度、その場所への道順を聞くと
俺は頭を下げて礼を済ませ
また走り出した
「っ・・・くそ」
雨の勢いが増して、やがて
遠くで雷の音が聞こえた
柄の悪い不良に連れて行かれた?
いつもの新ならそんな奴等は何ともないだろう
でも
「っ!!」
今のあいつは酷く弱ってる
体も心も
「新」
頼むから間に合ってくれ
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