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どれが本当の自分なのか
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「好きだ」
静まり返った部屋の中で
耳元ではっきりと眼鏡のその言葉が響く
好き?
こいつが俺を?
「な・・・何言って」
「大事にする。俺が守るから」
そう言うと眼鏡は、また俺を強く抱き締める
体と体がぴったりとつっくいて
眼鏡の体温が俺に移ってくる
「い、意味わかんねえ・・・」
・・・大事にする?
今まで散々俺にあんな事しておいて
何ワケ分かんねえ事言ってんだよ
「っ・・・・」
やばい・・・・心臓が煩い
これじゃ眼鏡に気付かれる
早く離れねえと
「新・・・嫌なら突き放して」
ドクンと心臓が跳ねる
こいつのその言葉に
全てを持っていかれそうだった
まるで俺自身を試されてるみたいで
また誘導されてるみたいで
嫌なら?
そうだよ・・・
俺はお前なんか嫌いだ
お前のせいで俺はこんなんになったんだ
お前と出会わなければ
今頃俺は普通に学校生活を送っていたんだ
会長を 好きになる事もなかったんだ
「・・・・・」
そっと、眼鏡の肩を押して
俺は眼鏡から体を離した
優しくすれば、俺がお前に
心を許すとでも思ったのかよ
今更、お前の言葉なんて
信じれる訳ねぇだろ
「・・・・」
眼鏡の顔が見れなかった
頭でそう思っても
心臓が一向に鳴り止まない
「新」
その時、眼鏡の手が俺に伸びてくるのが見えた
また、襲われる・・・!?
「っ!」
ぎゅっと目を閉じた時だった
「・・・・ごめんな」
頭を眼鏡が優しく撫でてくる
まるで、もう何もしないからと
言っているみたいに
ごめんなんて・・・
こいつが切なそうに言うから
眼鏡はやがて手を離して
ベッドから降りようとした
「・・・ま・・・てよ」
なんだよ・・・
お前が分かんねえよ
好きって言って終わりかよ
俺が突き放したら
なんでそう簡単に離れるんだよ
「・・・っ!?」
なんで 俺はこいつを抱き締めてるんだ
「新?」
「・・・うっせえ・・・こっち見んな」
俺に背中を向けんじゃねえよ
俺をこんな道に巻き込んでおいて
放り出すみたいな事するなよ
なんで眼鏡にこんな
ドキドキしなくちゃならねんだ
「っ・・・」
一番分からねえのは俺自身だ・・・
俺は会長が好きなのに
この手を離したらこいつはもう
俺に触れてこない気がして
居なくなってしまう気がして
「責任取れよ・・・くそ眼鏡」
気付いたらそんな事を口にしていた
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