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きっかけなんて単純
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今日はダチとしばらく話した後
ジャ◯プでも買いに本屋に行こうとした。
雨も結構降ってたし、
さっさと買って、家でゴロゴロしようと
思っていた時だ。
「クリーニング代でも出せば
許してやるよ」
「えっ・・・そんなっ」
店のすぐそばで、何やらまた
誰かが不良に絡まれてる。
「はー、最近多いな。」
とりあえず、店の側だったし、
退いてくれねぇと通れなかったし
そのビクビク怯える奴に
つっかかる男を背後から殴った。
まぁ、俺的には優しく殴ったつもりだったけど、
そいつはそのまま後ろに倒れて目を回していた。
弱っ・・・
そしてそっと、絡まれていた奴に目をやると
「なんだよ。こないだの地味男じゃん」
俺を見て青い顔をするあの時の男だった
なんか周りがざわざわ騒ぎ出したし
(男が倒れたから)
この場所じゃこいつと話出来ねえと思ったから、
近くのファミレスに入った。
その間こいつはずっとビクビクしてて
俺が言葉を発する度に体を跳ねらせて
なんか、俺が無理矢理
連れ回してるみてぇじゃねえかよ。
拾った学生証を渡すと
そいつはまた変な事を言い出して
「僕は・・・何をすれば」
「別に何もしなくていいけど?」
そう言うとまた下を向いてしまった
「・・・・・」
前髪・・・やっぱ長え
「なんで前髪長えの?」
前見えねえだろそれ
「ひ、人の目を見て話せないから・・・」
なるほどな。
けど、ぜってえ短い方が・・・
そう思った時、俺はこいつの
額に触れてて、髪を上に上げた
「っ!!」
「・・・・・」
なんで隠してるんだろうと
改めて思った
「お前「やめろよっ!!」」
そいつは俺の手を振り払って
また下を向いてしまう
「どうせ・・・男のくせにキモいとか
思ってるんだろ」
そんな事一つも思わなかった
こいつの目はおっきくて
クリクリしてて、何故か潤んでて
店の照明が反射してキラキラしてて
「なんで?めちゃくちゃ綺麗じゃん」
すげえ綺麗だった
「・・・・」
正直にそう言ったら、
そいつは少し顔を赤くして水を一口飲んだ
肩縮こませてプルプルしてて
なんかチワワみたいだなこいつ
あたかも帰りたそうな
雰囲気をかまし出してたけど
何故か俺はもっとこいつと話がしたくなった
「いっつもカツアゲされてんの?」
「えっ・・・」
なんか放っておけない感じだし
俺に対してビビりまくってるこいつが
普段どんな顔をするのか
「一緒に帰ってやるよ」
少し、興味が湧いた
「え・・・そんな」
まぁいいダチくらいに
なれたらいいなってその時は思った
「俺、菅原秋人。」
「す、菅原さん」
「秋人で良いよ!
なんだよ苗字にさん付けって」
けど、そいつが震えながら
顔を真っ赤にして俺の名前を呼んだ時
「あ、秋人・・・君」
ドクンってなんか、胸が騒いだ
あれ、なんだっけこの感じ・・・
「んじゃ、明日迎えに行くな!」
なんだっけなー。まぁいいか。
とりあえず、これが、
忍と仲良くなりたいって思った瞬間。
こいつのおっきな目で
色んな物を見せてやりてぇって思った
「よ・・・よろしく」
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