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初めてのお仕事
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会長が、俺にキスした??
なんで?え、なんで?
「樹、てめえ」
頭の中がぐるぐるして
何も考えられなかった
「そんな睨まないでよ成海。」
そう言うと会長はまた、
何食わぬ顔で椅子に腰を掛けた
何故か大崎は顔を真っ赤にしてて
体をプルプル震わせていた
いや、震えたいのはこっちだよ。
「か、会長」
「樹、お前恋愛事は
好まねえんじゃなかったのかよ」
眼鏡のその言葉に、
俺が言いかけた言葉が掻き消された
「もちろんそう思うよ。
でも、それを僕だけの判断で決めるのは
生徒会としても良くないと思ったんだ。」
「は?どういう事だよ」
「成海、君も新の事気に入ってるでしょ?
その感情がなんなのかは僕には
分からないけど、私情を挟んで
生徒会にふさわしい人物を落とすのは
駄目だと気付いただけだよ。」
おっしゃってる事が
良く分かりません会長。
駄目だ。これもきっと夢だ
「新。生徒会に入れば、
君の望む道も開けるよ?
進路にも有効なのは分かっているよね?」
・・・確かに、俺のこの学校での
目的は、いい会社に就職する為の
丈夫な踏み場を作る事。
活躍して、その形跡を残す事。
「どうする?僕の告白を受けて
君は生徒会から逃げるの?」
逃げる?・・・
なんだよそれ・・・
また、俺を試してるのか?
そんな言い方されたら
「や・・・やります」
意地張っちまうじゃんかくそ。
「ふふっ、そうこなくっちゃ」
とは言ったものの・・・
「樹、お前後で覚えてろよ」
俺の後ろで、何やら
ピリピリしてるのが居んだけど?
「はいはい。後でいくらでも聞くよ」
そう言うと、
会長は涼しい顔で眼鏡から顔を背けた
「で、君はどうするの?
君には会計の仕事を任せようと思ってるんだけど」
「ふぁいっっ、」
大崎は突然話を自分に向けられたから
何やらテンパって変な返事をした
「ぼ、僕は・・・
ずっと生徒会に入りたくて」
小さい声でそう言いながら
大崎は眼鏡の方をチラチラと見た
「はー。いいんじゃない?」
やがて眼鏡がそう言葉を零すと
大崎はパッと顔を上げて
「よ、よろしくお願いしますっ」
そう、深々と頭を下げた
「ふふっ、なら僕から君達の
生徒会への申請書を出しておくよ。」
会長はまたにこりと笑った
どこまでが会長の本気で
どこまでが会長の思惑なのかは分からない。
今の会長は、あの時の天使ではなく
魂が半分堕天した天使みたいだった
いや、むしろ天使の皮を被った
悪魔にさえも見えてしまった・・・
会長ごめん。爆
「メンバーも揃った事だし、
さっそく生徒会としての初仕事。」
そう言うと、会長は何やら
一枚の紙を俺達の前に出した
「うわっ、これって」
それを見るなり、眼鏡の顔が青くなる
内容に目を通して見ると
“ 第13回 演劇部・生徒会合併
文化祭 童話劇場 ”
と書かれていた
「演劇・・・・?」
俺も大崎も頭にハテナを浮かべた
「そ。毎年演劇部と共同して
文化祭の出し物で劇をするんだ。」
演劇部と共同で出し物!?
「ちなみに去年はシンデレラ。
僕はまだ1年だったけど
会長への籍が決まっていたから
参加したよ。成海はその後に
生徒会に入ったから参加はしてなかったけど。」
「演劇なんて誰がするかよ」
ああ、道理で眼鏡の顔が青くなる訳だ
「もう演劇部の方には承認したと
返事をしているから。」
「は?」
会長・・・なんか黒くなりましたね
「と言うわけで、これからの季節
文化祭に向けて、生徒会としての
役目を精一杯果たしてね」
ああ、なんかこれから
嫌な予感しかしないんですけど・・・
「あと新。」
「?・・・はい」
「さっきの告白も、考えておいてね」
「・・・・ふぁい」
笑顔でまたそう言う会長の言葉に
俺は大崎と同じ変な返事をしてしまった
そしてまた背後に感じるビリビリ感。
俺は眼鏡の方を振り向けなかった
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