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そんな事があってたまるか!
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その次の日、眼鏡は学校に来てなかった。
そして今日も。
メールしても返事は無えし。
あいつがメールしてきたら俺は
返してやってんのになんなんだよ。
「・・・」
いや、まさかとは思うけど。
一昨日体が妙に熱かったのって・・・
「あいつ、本当に俺の風邪移ったんじゃねえだろうな」
まさか・・・・な。
「で。」
なんで俺はあいつの家の前に居るんだ。
普通に帰ってたよな?
なんで勝手にこいつの家に来たんだよ俺の足め!
「いやあれだ。
もしも俺の風邪が移って、
そのせいでメールも返せねえくらいに重症で
か、勝手に死なれてちゃ困るしな」
親居ない間に孤独死とかされてたら困るし
うん、ちょっと顔見て生きてたら
すぐに帰ろう。
なんなら、ピンポン鳴らして
ドアから出てきた顔拝んで
ダッシュで逃げてやるぜ
(いやそれただのピンポンダッシュ)
少し震える手で、
インターホンを鳴らそうとした時だった
ガチャリと、眼鏡の家のドアが開いた
「あら、貴方は?」
「え・・・・」
で、出て来たのは、超インテリ系美女!!!
「え、や、俺は」
「もしかして、成海の友達?」
そう言うと、
俺の全身を舐めるように見つめて来た
え、誰この人??
眼鏡の愛人!?もしかして
恋人・・・?
「や、俺、成海先輩の後輩で・・・
先輩、昨日も今日も学校来てなかったから・・・お、お見舞いに」
「お見舞い?」
「へ、へい」
うわぁぁあああっ
めっちゃ綺麗な目でめっちゃ見てくるぅ
もうなに?眼鏡お前こんな
綺麗な恋人居たのかよ!
はっ、道理で。
恋人とイチャコラする為に
俺のメールはガン無視ってか!
くっそ、一発殴ってやる
「そう。あの成海にこんな可愛い後輩君が居たなんてね。」
急に、にこりと笑うと、その人は
俺の手を引いて玄関へと引き寄せた
「えっ、ちょ、あの」
「あぁ〜ん、そんな困った顔しないで。」
色っぽい声でそう言うと
口に人差し指を当てられ、
俺はこの人に壁ドンをされた。
男にとっての不覚。
え・・・なんかこの人の雰囲気
誰かに似てるんですけど・・・
「つい、食べちゃいたくなる」
「ひっ!!」
え、ぇえええええええ!!
ちょっ、まっ、待って!何っ!?
グロスでテカテカになった
唇が近付いてくる!
に、逃げてえ!けど
女殴る訳にはいかねえしっ
ど、どうすりゃいいんだよっ
「母さん?」
「へ?」
玄関の奥から、眼鏡の声が聞こえ
俺は閉じていた目を開けた
母さん?どれ?誰?
「んも〜いいとこなのにぃ〜。」
母さんっ!?
「何して・・・」
フラフラと、壁を伝いながら
眼鏡が近付いてきて、やがて
このインテリ美女を母さんと呼ぶお方の影から俺を見つけると
眼鏡は目の色を変えた
「新」
「・・・へい(泣)」
なんかもう。色々と泣きそう
「成海、あんたちゃんと寝てなさいよ。
あたしまたしばらく帰って来ないから」
そう言って、俺から体を離して
荷物を手に取ると、この美女は
玄関を出ようとした
「あっ、そうだ。
君、新って名前なのね。可愛い。」
「え?・・・」
「続きはまた、今度ね?」
はいぃ?
そうセクシーに言葉を落とし、
おまけにウインクのサービスまでされた俺は
何がなんだかわかんなくて
とりあえず目の前に銀河が見えた。
バタンとドアが閉まって、
玄関に眼鏡と二人きりになった
「で、どうしたの?」
眼鏡の不機嫌そうな声が聞こえる
もうインテリ美女の事には
ノータッチで行こう・・・
心が痛い
「お、お前なんで学校来ねえんだよ」
そう言って眼鏡を見ると
やたらと顔が火照ってて、
息も少し荒かった
あー。やっぱり風邪・・・
「別に。めんどかったから休んだだけ。」
「風邪、移ったんだ」
「・・・・」
唐突にそう言うと、眼鏡は黙ってしまった。
「はぁ。・・・なに?
心配でお見舞いにでも来てくれたの?」
ため息を零してそう言ったが図星のようだ。
くそ眼鏡が何意地張ってんだよ
「だったらなんだよ」
俺がそう言ってやると
眼鏡は少し驚いた顔を見せた
「風邪、移るから帰って」
「俺が移した風邪だろ。
治るまで看病してやるよ。有難く思え」
お前に借り作ったままも嫌だし
今にも倒れそうなフラフラなお前なんか
別に怖く無えし
「俺、何するかわかんないよ?」
「はぁ?病人が寝言は寝て言え。」
そして俺は、ズカズカと
眼鏡の家に足を踏み入れた
「・・・・」
「ほら、ベッド戻れよ。体温は?
喉痛いのか?寒くない?」
「・・・別に」
やけに大人しいこいつを見てると
ついなんか虐めたくなる。
日頃の仕返しも兼ねて(まだ根に持ってる)
ふと、テーブルに置かれたレジ袋に目をやると
中には風邪薬やらドリンク剤やらが
沢山入っていた
「それ、捨てて」
袋を手に取る俺に、眼鏡はそう言った
「なんでだよ。これ、お前の
お袋さんが買ってきてくれたんじゃねえの?」
「だから捨てていい」
なんだそれ。
こんなにも高そうな薬買って来てくれてんのに
「捨てねえし。てか薬飲んだのかよ」
「・・・・」
また、眼鏡は黙ってしまった
飲んでねえんだなこいつ
仕方なく、袋に入っていた薬を取り出して
コップに水を注いで眼鏡の元に持って行ってやった
「ん、ほら飲めよ」
「いい」
「お前はガキか!飲まねえと余計に悪くなるぞ」
ふいっ、とそっぽを向く眼鏡に
薬を差し出すが、こいつはどうやら
本当に飲む気が無いらしい
「お前な・・・」
「嫌い」
「は?」
なに、何が嫌いって?
「薬、嫌いなんだよ」
「・・・・・」
はあ??(笑) ガキめが(笑)
そう俺の中の魔物が喜んだ
「その薬、苦いから飲めねえんだよ」
そう言ったこいつの言葉に
会長が言っていた事を思い出した
そういや、こいつは苦いの無理だったな・・・
「でも、この薬めちゃくちゃいい薬だぞ?
お前のお袋さんもお前の事思って
買って来てくれたんだろ?
尚更ちゃんと飲めよ」
「あの人は俺の為になんて思ってねえよ。」
小さく、眼鏡はそんな事を言った
「え・・・」
「とにかく、薬はいい。」
何故かその事を深く聞けなくて
ベッドに横になって俺に背を向ける
こいつの背中が、少し寂しそうに見えて
「俺にしてほしい事あるなら言えよ
今日は特別に聞いてやる。
家事でもなんでも。
苦くねえ薬とか買って来ようか?」
側に居てやりたいと、思ってしまう
「・・・抱かして」
「はいはい、大根を沸かすね。
大根は茹でるって言うんだ・・・ぞ」
抱かして?
「ワンモアタイムズ」
聞き間違い?俺の耳変?
とりあえず俺は英語で語り掛けた
「だから、抱かしてよ。新」
どうやら大根を沸かす方が
聞き間違いだったようだ。
誤魔化した自分が恥ずかしい。
いや、それよりも
「・・・え」
「・・・・・」
いきなり何言ってんだよこいつっ!!!!
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