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なんとかなるさ
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「こ、小人役・・・です」
ボソっと呟くと、その場がシンと静まった
「だから、俺他の役が・・・」
そう言いかけた時、
プッ と笑いが零れるのが聞こえた
「くくっ・・・・」
「・・・・」
まぁ、当然眼鏡から。(怒)
「何笑ってんだよ」
「いや、・・・ピッタリじゃねえかよ(笑)」
こいつ、今俺の全身を見て言ったな?
やっぱ馬鹿にしてんのか (怒)
だから言いたくなかったんだ。
くそムカつく。いつまで笑ってんだよ
「あれ〜?そういや成海先輩は何役でしたっけぇ〜?(怒)」
ワザとらしく言ってやった
ヒクヒクと口元が引きつる。
てめえは女役だろが
その顔で(笑)女装するとか情けねえな!
「王妃役は、二つの役を演じて貰います❤︎」
「二つ?」
部長さんがそう言うと、
眼鏡は不機嫌な顔に戻った
「はい❤︎自分大好き王妃と、
白雪姫を手にかけようとする魔女役です❤︎」
にこっと部長さんがそう説明すると
俺も笑いが込み上げる
魔女・・・ ぷっ (笑)
「なんだよ眼鏡、魔女かよ(笑)
悪役とはてめえにお似合いじゃねえか(笑)」
「・・・・・」
はっ、黙ってやらあ。
ざまあみろ。しかも二役とも女とか(笑)
小人なんて出番少ねえし
ある意味良かったぜ。
自分の中でいいように解釈して、
うんうんと頷いている時だった
「そうだな。王妃に魔女。
善人の面被った王子より、やり甲斐がある役だな。」
「へ?」
黒いオーラを纏った眼鏡が
俺に近付いてきて
顎をクイっと上に上げられ
眼鏡が顔を近づけて来た
「ちょっ、」
『いっそ、お前を魔法に掛けて
誰の手も届かない場所に監禁し
一生、わたしの手元に置いてやろうか』
「・・・・っ!!」
色気のある声で
魔女になり切った眼鏡がそう言った
そして俺の顔を見て、眼鏡は
満足したかのように顔を離す
「・・・て、てめえ」くっそ・・・
ドキドキしちまったじゃねえか!!
「で、これからどうすんの?」
何食わぬ顔で眼鏡はまた部長さんにそう聞く
「はい❤︎舞台の準備は演劇部の方で進めますので、
生徒会の皆さんは後日渡す台本に目を通して
セリフを覚える事に専念して下さい❤︎」
にこりと笑って、部長さんはそう言ったけど
演劇とかしたことねえし、
それに主役の白雪姫なんだけど・・・
「ぼ、僕っ、せ、精一杯頑張りまふっ」
いや噛んでるよ。
大崎がこんな状態で大丈夫なのか?
こいつ、人見知りとか言ってたし
そもそも大勢の前でちゃんと演技出来んのか?
「大丈夫だよ大崎。
僕がちゃんとフォローしていくから」
大崎の頭を撫でながら、
優しくそう言った会長は、本当に王子様みたいだった。
「ま、なんとかなるだろ」
眼鏡もそう言ってソファにドサっと座る
文化祭まで一ヶ月。
これから忙しくなりそうだな。
「じゃあわたしはそろそろ戻りますね!
台本の最終確認をしてきます❤︎」
そう言い残して部長さんは出て行ってしまう
「さて、じゃあ今日は解散としよう。
僕も今から別件で席を外すよ。
成海、今回は君もついて来て。」
「は?なんだよ別件って」
「いいから。行くよ」
会長は机の中からいくつかの書類を取り出して
それを鞄に詰め、眼鏡を引っ張って連れて行こうとした。
「し、失礼しますっ!!」
その時、勢いよく扉が開いて
一人の生徒が入ってきた
何やら息を荒げていて、
会長が どうしたの?と尋ねると
そいつは息を切らしながら口を開いた
「こ、校門の前にっ!!不良がっ!」
「・・・・え」
その言葉に反応したのは大崎だった
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