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帰り道 (おまけ1)
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散々恥をかいた俺は、
あのまま暫く下を向いて歩いた。
二度と、マ◯ドなんて行かねえ。
そう心に誓った。
店内は混んでいたから、
俺達は近くの公園に寄って、
そこで先程買った照り焼きバーガーを食べた
かなり、美味かった。
「で、新このあと用事あんの?」
美味しさの余韻に浸っているところを
眼鏡に声を掛けられて、はっと我に戻る
「べ、別にねぇけど・・・」
ジロジロと俺を見つめたまま
眼鏡は口を開いた
「どっか行かねぇ?」
「は?」
なに?今日はやけに構ってくるな。
まさか・・・また何か企んでるのか?
「なんでてめぇなんかと・・・」
そう言おうとした瞬間、
俺はその言葉を止めた
いや、待て。よく考えろ俺。
今のところ俺はこいつの前で
恥しかかいてねえ。
演劇の台本にしろマ◯ドにしろ・・・
喧嘩にすらこいつに勝ってねえ。
となれば、
何かそれ以外で俺がこいつに勝てるもの
それを思いついた俺は、
にやりと笑みが零れた
「いいぜ。じゃあさ」
喧嘩の次に俺が得意とするもの!
「カラオケ行こうぜ」
カラオケにて
「眼鏡、勝負しろ。」
「は?」
俺がてめぇに唯一勝てるものとしたら
もう歌しかねえ。
ちなみに自信はある。
カラオケは中学ん時、結構行ってたし
高校入ってからもダチと時々来てたしな。
今日だって、ダチに誘われたし
(断ったけど・・・)
俺の美声を聞いてひれ伏しやがれ!
「いいけど。ルールは?」
「採点式に決まってんだろ。
高い得点を出した方が勝ちだ!」
眼鏡終了のお知らせだ。
悪く思うなよ。
俺は90点以下を出した事がない。
しかも、超難易度の高い曲ばかりだ。
てめぇがどんな歌を歌おうが
俺に勝てる術はねえ!
そしてここのカラオケ店の採点は厳しい。
来慣れてる俺が有利っ!っしゃ!
「負けた方はどうする?」
鼻を高くしていた俺に、
眼鏡はそう言って来た
「そんなの言うまでもねぇ。
なぜなら、俺が勝つからな!」
「・・・・へぇ」
今のうちに言っとくぜ。
ドンマイ眼鏡。
俺はてめぇに勝って、俺の事を
様付けで呼ばせてやんぜ!
「いいよ。その変わり」
心の中で高笑いをしていた俺を見て
眼鏡はにやりと笑った
「俺が勝ったら、俺の言う事なんでも聞いてね?」
眼鏡は、どこかで聞いた事のある台詞を言った。
でも、前にこの台詞を聞いた時は
背中がぞわッとしたけど、
「・・・・っ」
何故か今は、胸がドキっとした。
「じゃ、俺から歌うわ」
「お、おう」
そう言うと、眼鏡はデンモクを持って
曲を選び始めた
そう言えば、眼鏡は普段どんな曲を聴いてんだ?
バラード系?ジャニーズ系?ロックバンド?
まさかこの顔でボカロはねぇよな。
【ピッ】
やがて、画面に曲を転送して
眼鏡はマイクを持った
「新」
そして何故か俺の名を呼んで顔を見てくる
「惚れんなよ」
「はっ!?」
にやりと笑った眼鏡は、
そのまま歌い始めた
『Will the new love last?
Would it be alright for me to keep loving you?』
「・・・・・」
え、英語だとぉぉおおおお!!
なに、なにこの曲っ
誰の曲??洋楽か??
ちったぁ期待を裏切れよくそ眼鏡!
つか発音良過ぎだろっ
『No matter who you come to love,
I will keep loving you.』
くそっ、何言ってるかわかんねえっ
loveしか聞き取れねえよっ!
響き渡る眼鏡の声に
俺の心臓はバクバク鳴り始める
俺が英語の発音下手でも
舐めてもらっちゃ困るぜ!
歌詞くらい解読してやんよ!
英語は評価4だかんな!!
そして少し冷静になって、
その歌詞をよく見てみた
『Will the new love last?』
“新しい愛は続いて行くのだろうか”
『Would it be alright for me to keep loving you?』
“私は貴方を愛し続けてもいいですか?”
『No matter who you come to love, 』
“貴方が誰を愛そうと”
「・・・・」
そして、最後のサビにさしかかった時
眼鏡と目が合った
『 I will keep loving you.』
“ 私は・・・貴方を愛し続ける ”
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