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帰り道 (おまけ2)
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「・・・んだよ」
「なんで顔真っ赤なの?」
「べ、別に真っ赤じゃねえ!」
「・・・・へぇ」
そう言って眼鏡は画面の方を向いた
「お前に向けて歌ったんだけど」
「はっ?」
ボソっと呟いた眼鏡の言葉に
また顔が熱くなる
「採点出るぞ」
顔の熱を冷やし切る前に、
画面に眼鏡の採点が出た
「98か。まぁまぁだな。」
「・・・・・・・」
きゅ、98っ!?
目ん玉飛び出るかと思った。
いやいや、やばいだろ化け物かよ
サビしか解読出来なかったけど、
その他の歌詞も呪文かと思うくらい
完璧な発音だったし・・・
「ほら、次新だぞ」
まぁ、こいつの歌を聴いて、
ひとつ分かった事がある。
「早く歌えよ」
くそムカつくっ!
上手過ぎなんだよ!
「分かってるよ!」
眼鏡にデンモクを渡されて
俺は曲を選び始めた
こうなったら、
俺の一番得意な曲で勝負だっ!
ちなみに俺の最高得点は99。
つまり、全力を出し切れば、てめぇに勝てるっ!
【ピッ】
デンモクを机に置いて
眼鏡を見ながら、ふんっと胸を張った
洋楽を完璧に歌えるからって、調子に乗ってんじゃねえぞ。
今からてめぇに最高の歌を聴かせて、度肝抜かせてやんよ。
目指すは100点。
勝った時の事を思い描きながら
俺はマイクを持った
「お前ってこんな曲歌うんだ。」
「どうだ、驚いただろ。
どんな難易度の高い曲でも
この俺が完璧に歌いこなしてやる・・・・・よ」
と、画面に目をやった瞬間
いつも流れるロックなPVではなく、
何故かメルヘンな映像が流れ出した
「な・・・・」
なんで・・・・・
森のくまさん っ!?
誤作動か??最悪だっ・・・
もっかいやり直す・・・か?
デンモクを手に取ろうとした時
「どんな曲でも完璧に歌うんだろ?」
にやにやと、デンモクを持って
眼鏡が笑っている
「・・・・っ!」
何故か対抗心が芽生えた俺は
画面を向いてぎゅっとマイクを握りしめた
『あ、』
もう、これで100目指してやるよ・・・
(半分投げやり 半分諦めた)
『あるぅ日〜〜〜森の中ぁ〜〜』
「ふっ・・・(笑)」
くそっ!笑ってやがる!
『くまさんにぃ〜、出会ぁたぁ〜』
死にたい !!!
眼鏡が笑う中で、俺は必死に歌った
まぁ、言うまでもなく
「75ね。まぁいい方なんじゃね?」
「死にたい」
負けた。
カラオケで勝負だなんて、言わなけりゃ良かった
まじ、眼鏡ハイスペック
「じゃ、約束通り言う事聞けよ」
「あっ・・・・」
机からバッと体を起こして
眼鏡から離れた
「何してんの?」
「お、お前また変な事やらすんじゃねえだろな?」
まさか負けるなんて思ってなかったから、
対策考えてなかった!
喧嘩で負けた時はこいつにフェラさせられたしっ
まさかまたっ!
「は?・・・・・・ああ。そうだな」
警戒する俺を見て、
眼鏡はにやりと笑った
「じゃ、キスしてよ。」
「はっ!?」
な、何言ってんだよこいつッ
「ほら、早く」
そう言って眼鏡は目を閉じた
閉じた眼鏡の長いまつ毛と
整い過ぎたその顔に、また胸がドキドキし出した。
やばい。心臓が壊れそうだ
前の俺なら殴って逃げたと・・・思う。
でも、・・・・
「・・・・っ」
そっと、眼鏡のシャツを握りしめて
顔を近づけた
今は、こいつとするのは嫌じゃ、ない
「・・・・」
チュッと、眼鏡の唇に優しく触れた
顔が熱くて、体が震え出す
は、恥ずかしい・・・・
体を離すと、眼鏡は目を開いて
またにやりと笑った
「別に、唇にとは言ってねえのに。」
「・・・・・・・」
「ごちそうさま。」
そう言って、ペロリと舌なめずりをした。
「て、てんめぇ・・・・おわっ!」
一発殴ってやろうと
拳に力を込めた瞬間、
俺は眼鏡に押し倒されていた
「せっかくさ、こんな声通るとこ来てんだし、
もうちょっと歌ってよ。」
「はっ?」
マイクを手に取った眼鏡はスイッチをオンにしたまま、
マイクを俺のすぐ側に置いて
「もっと聴かせてよ。新のいい声」
そのまま、服の中に手を入れてきた
「ちょっ、やめっ、・・・んッ」
キスをされては、また肌に触れられて
「往生際悪いよ。」
あの時と、同じ言葉を言ってくる
「は、離せ・・・」
なのに、何故か嫌だと思わなくて
「・・・好き」
「っ・・・・」
あの時と変わった事は
こいつが俺に好きと言ってくる事
甘い声で、強引に触れる中で
どこか優しくて・・・・
「好きだ。新」
「・・・・う、うるさいっ」
恥ずかしくて、眼鏡の顔が見れないのに
「新、キスして?」
「・・・っ」
俺は眼鏡に手を伸ばして、
気付けばまたキスをしていた。
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