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女王様と王子様
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「は?俺だよ。見て分かんないの?」
神様は、なんて残酷なんだろうと思った。
勉強も出来て、顔もスタイルも良くて
歌も上手くて、男なのに、
テレビで見る女優やモデルなんかより全然綺麗で
何をさせても、こいつは直ぐにそれを
自分のモノとしてしまう
「いやぁーん❤︎副会長❤︎お美しいっ❤︎」
部長さんは立ち上がって
きゃっきゃっと言いながら
眼鏡の周りをウロウロしている
俺は今、地面に手をついて
いつもより遥かに低い体勢で
眼鏡を見上げている・・・
「新?」
そして、いつもよりも高い位置から
俺を見下ろす眼鏡の視線
そして、この溢れんばかりの
解き放たれた眼鏡のエロオーラ
「副会長ぉ!眼鏡取って下さい!」
「は?なんでだよ」
駄目だっ、部長さんやめろっ
その眼鏡を取ってしまったらこいつはっ
「眼鏡掛けた王妃なんて駄目です!
これも役作りの為ですから!
ささっ❤︎取ってみて下さい❤︎」
やめろっ!それを取るなっ!!
っと、心の中で何かがそう警告した
「めんどくせえな。」
必死に手を伸ばして止めようとしたが、
時すでに遅し。
こいつは掛けていた眼鏡を外した
「・・・・っ」
辺りが、静まり返るのが分かる
眼鏡を外して目の前が見えないのか、
眼鏡は少し目を細めて周りを見ている
「なんだよ。なんで黙んだよ」
「めが「きゃあああああ❤︎」」
俺が言葉を放つ前に、
部長さんが声を上げた
「やだぁーん❤︎副会長ぉ❤︎
美しさ倍増!フェロモン全開❤︎
もう最高の女王様ですよぉ❤︎」
これまたきゃっきゃっと
眼鏡の周りをウロウロし始める
確かに、眼鏡を取った今の姿のこいつは
いつもよりも遥かにエロオーラ全開
目元のホクロが、その色気を煽って
無駄の無い体のラインが綺麗に出てて
眼鏡の怠そうな感じが、これまた
王妃の役にしっくりきてて、
見下ろすそいつの姿は
まさに全集の目を惹きつける女王の品格
「き、綺麗だ・・・」
そんな眼鏡を見て、
ポロリとそう言ってしまった。
その言葉を聞き取った眼鏡は
にやりと笑って近づいて来る
「なに?新」
フェロモンを撒き散らしながら
妖艶な王妃になりきって。
「俺に惚れたか?」
そう言いながら、
クイッと顎を掴んで顔を近付けてくる。
まぁ、こいつは眼鏡無しじゃ
どうやら本当に何も見えないらしく
唯一こいつに欠けてるもんと言えば
「・・・・成海。僕は新じゃないよ」
視力 だな。
「・・・・は?」
会長を俺と間違えた眼鏡は
また目を細めて、暫く会長を見つめた
いや、普通分かれよ。
身長的に俺はそんな高くねぇだろ。
(自分で言って虚しくなるやつ)
「なんだよ。樹かよ」
はぁ。っとため息を付いて
眼鏡は会長から体を離そうとした時
「おっ・・・」
「っと」
履いていたヒールでバランスを崩した眼鏡を
会長がすかさず抱き留めた
「気を付けてよ成海」
「チッ、こんなの履いて歩けねえよ」
その光景は、まさに本番ものの
王女と王子の抱き合いのシーン
「大丈夫?」
「ああ、わりぃ」
そう言って、眼鏡が顔を上げた時、
会長と眼鏡の顔が接近して
「樹?」
「っと待って、体勢立て直すから」
ああ、駄目、限界
「ぐはっ」(鼻血+吐血)
その絡みが変にエロく見えて、
二人の放つフェロモンに耐え切れず
俺の中で何かの蓋が飛んだ
「あ、新?」
「おい、どうなってんだよ」
「い、いえ、・・・二人とも・・・グッジョブです・・・」
とりあえず、鼻血を止めながら
二人に向かってナイスっと合図をした。
その時、カシャっと言う
シャッター音が聞こえ、目を横にやると
「ご、ゴチです❤︎」
鼻血を流しながら、
部長さんが二人の事をカメラに収めていた。
「ちょっと、舞園!撮影は許可してないよ!」
「いいじゃないですかあ〜❤︎
もうお二人とも素晴らしいです❤︎」
そう言いながら、カシャカシャと
またシャッターを押していた
そして、俺と部長さんは鼻血を抑えて
改めて小人の俺、王子の会長、
王妃の眼鏡が並んで立った
「新、僕どう?似合ってる?」
「おい、何樹見てんだよ。俺を見ろよ」
「ふふっ❤︎副会長、わたしですよ?」
「はっ!?俺の眼鏡どこだよ」
「成海、少し落ち着いて。」
「・・・・」
俺の横で、3人はギャーギャーと騒いでいる
「「で、新はどっちが似合ってると思う?」」
二人にそう問い詰められて
俺は何故か後ずさりをした
「や、二人とも・・・凄え似合ってるし」
まぁまぁと、宥めるようにして
二人を引き離そうとした時
「あ、あのぉ・・・」
小さく、大崎の声が聞こえて
俺はその方向へと目をやった
「着方、これで合ってるでしょうか?」
扉に半分体を隠して、
少し恥ずかしがりながら
白雪姫の衣装を着た大崎が出てきた
「・・・・・・え」
その姿に、思わず声が漏れる。
クリクリの瞳と、ピンク色に火照った頬
細い腰に、透き通った白い肌
それに合う、白雪姫の格好
「あの、・・・これでいいですか?」
大崎・・・・だよな?
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