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小人は小悪魔
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このくそ赤メガネからカメラを奪おうと
必死で掴み合いをしている時だった
((((キュンッ
何やら変な音が聞こえて、
その後すぐに大崎の悲鳴が聞こえた
「ちょっ!渋谷君やめっ」
赤メガネの腕を掴んだまま、
大崎達の方を向くと
「大崎、やべぇ可愛い」
大崎を押し倒して
いつもとは違う雰囲気を纏った新がいた
「新??」
俺よりも先に、樹が新の肩に手を掛けた
「新、どうしたの?」
「るせぇ!」
その手を、新は荒く振り払ってこちらを向いた
すぐに、いつもとは違うと分かる
「・・・・あ、新?」
「っヒック・・・邪魔すんな」
顔が赤いし、目がすわってる。
「おい、どうしたんだよ」
赤メガネの腕を離して、俺も新に駆け寄った
「触るなぁ!今いいとこなんだ・・・ヒック・・・う〜」
「「・・・・・」」
え、待って。
「おーさき。かわいい・・・」
なんで酔ってんの!?
「か、会長ぉ、先輩っ、助けて下さい(泣)」
涙目になって、俺達に助けを求める大崎に、
新は顔を近付けだす
「おーさき・・・きゃ・・・わいい・・・ヒック」
いや、・・・・なんで、酔ってんの(二回目)
何が起こったのか分からな過ぎて
俺と樹は固まってしまった
「なぁ樹。どうなってんの?」
「知らないよ。」
樹も驚いたような顔をしていて
俺達はただその場に立ち尽くした
「あらぁ〜、書記君完全に
会計君の可愛さにやられてますね❤︎」
俺と樹の間から ぬっと赤メガネが出て来て
そんな事を言った
「可愛さにやられた?なんだよそれ」
「ふふっ❤︎さっき、 キュンッ って音
聞こえましたよね?」
「確かに聞こえた」
「僕も」
俺と樹でうんうんと頷くと、
赤メガネはにこりと笑って
俺達にウインクをしてきた
「きっと、それは書記君の
男としての心の反応❤︎ですよ」
「は?」
男として?なんだよそれ
「なるほど。」
ってお前はそれで理解出来たのかよ
「見事な白雪姫と化した大崎を見て
その大崎の可愛さが新の中の
男の蓋を開けてしまったんだね。」
いや、どんな分析だよそれ。
普通そんな事ならねえだろ
なんだよ男の蓋って。
まるで評論家の様に解説する樹に
そう言ってやりたかった
「女の子に対する可愛いという気持ちが
書記君の中の獣を引き起こしてしまったんですね❤︎
何故酔ったのかは分かりませんが。
ふふっ❤︎興味深いです❤︎」
「意味わかんねえよ」
なんだ?そんなに女に慣れてなかったのか?
つか、大崎は男だけどよ
「かわいい・・・大崎、キスしてい?」
はっ!?
「ちょっ、待って!渋谷君っ」
まてまてまて、ほんとに待て!
なんでそうなる!
「ちょっと待っ」
大崎の顔を掴んで
キスをしようとした新の腕を
両サイドから俺と樹で抑えた
「新、とりあえず落ち着いて?」
「大崎、今のうちに起き上がれっ」
新を抑えているうちに、大崎は
泣きながら起き上がって、赤メガネの背中に隠れた
「おーさきっ、待って・・・」
「新!ちょっ」
グイグイと、俺達を引っ張りながら
大崎の元に行こうとしている
「離せよ・・・んのっ!」
「っ・・・」
くそっ、コルセットの締め付けのせいで、
これ以上力出せねえっ
「離せぇっ!」
新に振り払われて、俺は体を離した
「新っ、落ち着いてっ」
幸い、まだ動きやすい格好の樹が
新を宥めようと肩を抑えている
「んん〜?かいちょぉ?」
すると、そのすわった目で
新は樹の方を向いて、樹の胸倉を掴んだ
「えっ、あ、新?」
「ヒック・・・かいちょぉ・・・すげぇきれー。
・・・キスしたい」
ちょっとまて!なんでそうなんの!?
「えっ」
お前も何で まじ? みたいな顔してんだよ!
止めろよおい!
「なぁ、かいちょぉ」
「ちょ、新?」
くそっ、コルセットがっ
今すぐ二人を引き剥がしてえのにっ
「かいちょぉ・・・俺の事・・・めちゃくちゃにして?」
「えっ、ちょ、っ」
何故か上目遣いで樹にそう攻め寄って
色気ムンムンのピンク色のオーラを撒き散らしながら
新は樹の顔に触れた
「ね?お願い・・・かいちょぉ」
「新・・・・」
待て!ほんとに待て!樹てめぇ!
なに新の腰に手ぇ回してんだよ!
「・・・・・・ご、ごめん、限界」
怒りが爆発しそうになった時、
樹はそう呟いた
「かいちょ?」
「・・・・・」
その瞬間、樹は鼻に手を当てて
悶えるようにして地面にうずくまった
「い、樹?」
「っ、ごめん成海・・・
僕には止められないよ・・・」
顔を真っ赤にして
俺にそう目で訴えてきた
そしてどうやら鼻血が出たらしく、
必死に手を当てて止めている
「新が・・・可愛い過ぎる」
はぁ??
そんな事言ってる場合じゃねえだろがっ
「めがね」
そんな事を思っていると、
いつの間にか新は俺の前に立っていて
しゃがみ込んで俺の顔を覗いてきた
「新、目ぇ覚ませ」
「ヒック・・・くそめがね」
((((怒
は?なに、なんで俺にはそんな口効くの?
立ち上がって新を押さえつけようとしたけど、
これまたコルセットに邪魔をされ
立ち上がる前に新に捕まってしまった
「ヒック・・・めがね・・・綺麗・・・可愛い」
な、なんつぅ顔して見てくんだよっ
これじゃ俺の理性の方が持たねえっ
でも、ここじゃ樹も赤メガネも大崎も居るし
「新、おい!お前酔ってんぞ!」
「うるへぇ!酔ってにゃい!」
酔ってるよ!やめろよ!
呂律回ってねえよ馬鹿が!
「もしかして・・・俺の事・・・きらい?」
は?・・・・
「ヒック・・・グズッ・・・俺が、・・・
お前にいっぱい悪口言ったからっ・・・
・・・もう俺の事、きらい?」
「・・・・な、」
何言ってんだよ・・・
つか、泣くなよ・・・
そんな泣かれたら
「新・・・」
そっと、新の頬に手を当てた瞬間
「にひひっ」
「え?」
にやりと新は笑みを零して
その手を掴まれ、新に押し倒された
「引っかかったぁ〜❤︎
めがねかわいいー・・・えへへ」
「・・・・・・」
くそ、やられた
「ね?めがね・・・チューして」
俺の上に乗っかったまま、
新は顔に近付いてきた
「新、待てっ・・・」
「めがね・・・・」
その時の、新の表情に、
少しだけ何かが引っかかる
「新?」
「めがね・・・ヒッ、クッ・・・す・・・」
火照る新の頬と、潤んだ目が
異様にエロくて、可愛くて
「新・・・」
気付けば俺も新の頭に手を回して
顔を近づけた
「めがね・・・おれ・・・」
新が何かを言い掛けた時
「・・・・・・・」
「・・・・・・zzzzzz」
パタリと俺の胸に倒れて、眠ってしまった
「・・・・・・」
え。なに?このお預け感
俺の胸でスヤスヤと眠る新が
少しだけ憎らしいと思ってしまった。
新に、お預け食らわされるとか。
残念だったと思う反面、
新が何とか治まってくれて良かったと
ふぅっと息を漏らした時
【カシャッ】
「・・・・・おい」
シャッター音が聞こえ
赤メガネの方に目をやった
「ふふ❤︎今日は沢山のご馳走を
ありがとうございました❤︎」
樹同様、鼻血を出しながら
シャッターを切る赤メガネがそう言った
「はぁ・・・もうこの際いいよ。」
「ふふ❤︎書記君の意外な面が知れて良かったですね❤︎」
にこりと笑って、赤メガネは
ですよね?っと樹に聞いた
「今後、新に過剰な可愛さのあるものは
見せない様にしよう。
大崎も、新の前での女装は控えて。
演劇の時は、なるべく新と接触させないようにするから。」
まだ鼻に手を当てながら、
樹はようやくいつもの冷静さを取り戻して
落ち着いた口調で大崎にそう言った。
それを聞いた大崎は震えながら
コクコクと頷いていた
「・・・」
俺は、眠る新の顔にまた視線を落とした
俺の服を掴んで、気持ち良さそうに眠っている
新の意外な面・・・ね。
「・・・zzzzz」
俺だけが、知っておきたかったな
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