アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ちゃんと言葉で
-
眼鏡に、手を出せと言われて、
その通りにすると、いきなり俺の指を舐めてきて
突然の事に体が跳ね上がった
「ちょっ・・・お、いッ」
指の間を優しく舐めては
今度は舌先で線を引く様にして、強く舐められた
何も見えない視界の中で、指先だけに与えられる快感に、
体の自由を奪われていった
「・・・んっ、・・・ふぁッ」
必死に声を殺して、
小さく眼鏡の体を押して抵抗したけど、
腰に回された手が、また強く俺を抱き締めてきて
すぐに動けなくなった
「ぁっ・・・やッ・・・」
恥ずかしく響く水音だけが聞こえて、
また体の力が抜ける
「・・・んっ・・・ぁっ」
舌が離れたかと思えば、
今度は手の甲にまたキスを落としてくる
何度も手にキスをされている内に
何故か物足りないと思っている自分がいて
「・・・な・・・るみ」
もっと、手だけじゃなくて
「新?」
もっと、お前を感じれる事がしたい
「・・・口にも・・・して」
気付いたら、自分から体を寄せて
そんな事を言ってしまっていた
「・・・・新」
なんでそんな事を言ってしまったかなんて
そんなのもう分かってる
「ちゃんと・・・口にも・・・」
こんな事、恥ずかしいし
ましてや、自分からこいつに言うなんて
死んでも嫌だったけど
「いいのか?」
今更聞くなよ・・・
前は許可無しにしてきたくせに
「い、いいから・・・早く」
幸い、暗くて互いの顔が見えない分
こんな小っ恥ずかしい事言った時の顔を
見られなくて済むから良かった
「顔、上げて」
そんな事を思っていると
眼鏡にそう言われて、熱く火照る顔を上に上げた
唇に、眼鏡の指が触れて
俺の位置を確認しては、そのまま顎を掴まれて、
少し顔を引き上げられた
「・・・・んっ」
そして、優しく唇が重なったのが分かった
眼鏡・・・・震えてる?
少しだけ、こいつの手が震えていた
触れるだけのキスをして
唇が離れると、眼鏡はまた急に抱き締めてきた
「ちょっ、な、なに?」
「・・・・やばい」
「は?」
眼鏡は俺の肩に顔を埋めて
小さく呟いては、やっぱり少し震えていた
「ど、どうしたんだよ・・・」
いつもとは違うこいつの反応に
少し戸惑ってしまった
「嬉しくて・・・死にそう」
「・・・・・なっ・・・に言って」
本当に、嬉しそうに呟いたこいつの顔は
暗くて見えなかったけど
多分、笑ってたと思う
「あほか・・・こんな事で死んでどうすんだよ」
そんな眼鏡の反応が俺にまで移ってきて
顔がまたカッと熱くなる
優しく抱き締めてくるこいつの腕が
愛しいと思ってしまった
「新・・・好き」
「っ・・・わ、分かってるよ」
俺の耳元でそう言っては
眼鏡はまた嬉しそうに笑った
「・・・・め、がね」
「なに?」
暗いのに、顔も見えないのに
優しいこいつの声と触れてくる手に
「お・・・・俺・・・」
俺も、嬉しいと思ってしまう
「俺・・・お前が・・・」
だから、ちゃんと伝えなきゃいけない
今度こそ、ちゃんと言葉で
ちゃんと俺の口からお前に
「俺っ・・・・お前の事」
たった2文字の言葉を、
必死に口にしようとした時だった
「渋谷ぁぁあああああっ!!」
「っ!?」
いきなり、廊下からそんな声が聞こえて
出てきそうになった言葉をぐっと飲んだ
「な、なにっ!?」
くそっ!なんだよ!!
人がせっかく覚悟決めたのに!!
「渋谷ぁ!!てめぇ仕事放ったらかして
どこフラついてんだぁ!!」
「・・・・・」あ。
そうだ・・・俺今休憩中で・・・
「って!えっ!今何時??」
慌てて現実に還り、
眼鏡にそう問い詰めた
「ちょっと待って」
すると眼鏡は少し不機嫌そうにそう言って
ポケットから携帯を取り出して
時間を教えてくれた
「13時20分。」
「げっ!!20分も過ぎてる!!」
一瞬にして、女子の鬼の顔が浮かんだ
やばい。早く戻らなければっ
「・・・・新」
「ちょっ、俺行かねえと!鬼に殺されるっ!」
目に涙が浮かびそうになった時、
いきなり眼鏡が俺の手をまた掴んだ
「な、なに?・・・」
不思議に思っていると、
突然指に痛みが走った
「いっ・・・たッ・・・なっ何すんだよ!」
こいつ、指噛んだっ!!(怒)
なんだ?邪魔が入ったから俺に当てつけか?(怒)
指を引き戻して眼鏡を睨んだ
暗いから見えねえけど
「他の奴にはもう触らない」
「え・・・」
そしたら、闇の中から眼鏡の声がそう聞こえきた
「誰にも触らせないし、
新以外に触れたりしない。」
「な・・・何言って」
なに、急に真剣な声で言ってんだよ
「だから、お前も誰にも触らせるな」
「っ!?」
その時、腕を引っ張られて
少しだけだけど、眼鏡の顔が
薄っすらと見えた
「他の奴に触ったりすんな」
「・・・っ」
ち、近いっ!顔近ぇよ馬鹿が!
あまりに真剣な声でそう言ってくるから
俺は反射的にコクコクと頷いた
「ん。約束」
そう呟いて、眼鏡は俺から体を離した
「つか、なんで指噛んだんだよ」
ヒリヒリする指を撫でながら
出口に向かって歩いた
「それ、印だから。」
「は?」
何の??と聞く前に
出口に出てしまって、クラスのダチに見つかってしまった
「てめぇ!渋谷ゴルァ!!」
「わ、わりぃって!!(泣)」
なんでダチまで鬼化してんのっ!?
急いで走って行こうとした時、
後ろから眼鏡に呼び止められた
「新!言い忘れた!」
「は?何??」
「見慣れない制服を着た奴見つけたら
俺に連絡してくれ!」
見慣れない制服?
そんなの、制服着た奴なんて山の様に居るのに
「お、おう!!」
とりあえず、今は一刻も早く戻らねえとっ
教室に待ち構える地獄と
その鬼達を頭に浮かばせながら
俺は教室に向かって走った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
122 / 617