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頼れる人物
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「た、大変よっ!!」
俺の目の前でテンパる女子と
その後すぐに、もう一人女子がやって来てた
これまた、はぁはぁと息を切らして慌てていた
「ど、どうしたんだよっ
とりあえずお前ら落ち着け!」
なに?何かあったのか?
後から来た女子は、かなり取り乱していて
目に涙を浮かべながら、顔を上げて口を開いた
「さ、さっき一階の廊下で
チャイナドレスを着た女の子が
巨人みたいな大きな男の人と
数人の不良に連れてかれたって!」
「はぃ??」
チャイナドレス??不良??
「おい、あら「大崎君なの!」」
背後から、秋人が声を掛けて来たが
女子のその一言で掻き消された
と、いうより・・・・・
「お、大崎っ!?」
チャイナドレス??(二回目)
なんで、宣伝係のあいつが女装してんだ?
「大崎君を見たって言う友達が
さっき、教えてくれてっ・・・」
「そ、そんなっ・・・
どうしようっ・・・あたし達が
無理矢理女装なんかさせたからっ
大崎君の可愛いさに・・・男が欲情しちゃって・・・」
いや、待て。それはお前らひでぇぞ
薄っすらとしか思い出せねえけど
大崎の女装は、男の理性を飛ばすには
十分過ぎるほど破壊力が半端ない
「早く、助けに行かないとっ・・・このままじゃ・・・」
泣きそうになりながら、
後から来た女子が俺の服を掴んで来た
何はともあれ、助けに行かねえと!
「分かった、大丈夫だから俺が」
「新」
泣きじゃくる女子の肩を抑えて宥めようとした時、
ガタっと、秋人は椅子から立ち上がって
俺の肩に手を置いて来た
「秋人?」
「俺が行くから。お前は先生呼んで」
そう言っては、俺の肩から手を離して
教室から出ようとした
「おい!お前1人で行く気かよ!俺も・・・」
聞くからに、相手は大柄な男と数人の不良・・・
もし喧嘩になったら、1対複数じゃ分が悪い
なら、俺も行って2人で・・・
「あほか」
引き止めようと秋人に近寄った時、
急に秋人は真剣な顔つきで俺を睨んできた
「喧嘩から足洗った奴が、行ってどうすんだよ」
他の女子には聞こえない声で
秋人はそう呟いた
その睨みを効かせる目に、
体にビリっと電流のようなものが走る
鷹中に入ったばかりの頃、
俺と秋人は顔を合わせては喧嘩をしていた
この目は、あの時の目・・・
「けどお前・・・」
「新」
言葉を言い掛けそうになると、また秋人に止められる
そして暫く睨まれた後、秋人はにかっと笑った
「忍は俺の大事な奴なんだよ。」
そう言って笑った秋人の笑顔に、
この場に張り詰めていた緊張が解けた
やっぱり、大崎と秋人はダチだったんだ
「忍の居場所がわかり次第連絡するから、
お前は先生にこの事話しといて。」
「秋人・・・」
冷静にそう言う秋人は
俺の知ってるあの頃とは少しだけ違う感じがした
「それと、」
「・・・な、なんだよ」
また俺をじっと見つめて、
秋人はいつものようにふにゃりと笑った
「元ツートップを舐めんなよ」
そう言って、秋人は教室から出て行った
そして何故か、秋人の言った言葉に
ふっと笑みが零れて、肩の力を抜いた
「し、渋谷君?? 誰?あの人」
そんな俺を見て、女子が声を掛けてきた
「いや、俺の親友」
「し、親友??でも、あの人・・・」
「あいつに任せとけば大丈夫だ。
それより、この事を早く先生に言わねえと」
「あ、あたしが言ってくる!」
また急に教室がバタバタし出して
女子達は先生の元に行ってしまった
とりあえず俺も早くこの事を
会長達に知らせねえと・・・
「13時50分・・・」
大崎の事も心配だけど、秋人が居るし
何より、演劇の時間が迫っている
「・・・頼むぞ、秋人」
大崎を秋人に託して、
俺は自分の成すべきことをしなくちゃならねえ
「わりぃ!今から抜けるわ!」
クラスのダチにそう言い残して
俺は急いで会長達の元へと走った
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