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素直じゃない
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しまったと思う事よりも、
あいつの顔を見た瞬間
背筋にゾクっとするものが走った
いつ振りだろうか
その時の俺を見るこいつの目は、
あの時の目だった
人の心を刺すような、冷たいあの時の目
「お、おいっ!なんだよっ!」
「・・・・・」
再び幕が上がって、部長さんと会長は客席の奴等に挨拶をしている
俺は舞台裏に戻るなり、
眼鏡に腕を引っ張られて
そのまま生徒会室へと戻ってきた
部屋に入っては、眼鏡は鍵を掛けて
俺を壁まで追い込んできた
「っ、おい・・・」
連れて来られる途中のこいつの背中には覚えがあった
前に体育館裏に連れて行かれた時の
あの時と同じ背中・・・
「・・・・っ」
なんだ?
さっきから体中がざわついて・・・
「新・・・」
まるで、あの時の感覚が戻って来たみたいだ
「・・・な、なんだよ」
眼鏡に名前を呼ばれて、ゆっくりと顔を上げた時
「っ!?・・・んッ」
顔を掴まれて、そのまま強引にキスをされた
「ふッ・・・・・ッ」
眼鏡の舌が入ってきそうになった時、
さっきの会長とのキスを思い出してしまい
反射的に眼鏡を強く引き剥がしてしまった
「ぁ・・・ご、ごめ」
「・・・・んで」
「え・・・」
少し離れた眼鏡は下を向いたまま、何かを小さく呟いた
「な、・・・なに」
「なんで・・・」
眼鏡の方へ行こうと思ったら、いきなり眼鏡は俺の肩を抑えてきて
また壁に強く押し付けられた
その衝撃で、背中が思いっきり壁に当たってしまった
「いっ・・・た・・・お、おい!何だよさっきから!」
「なんで触らせた」
俺の両肩を抑えたまま、
眼鏡はまた下を向いてそう言った
「・・・なっ・・」
なんでって・・・
「え、演技の途中だったし・・・」
「約束したよな?」
「あ、あれはっ」
仕方ないだろっ
俺だってあんな展開になるなんて思ってなかったよ
「し、仕方ねえだろ・・・あぁしねえと、劇終わらなかったんだし」
「仕方ないって・・・なんだそれ」
ギリっと、眼鏡の手に力が入った
今更だが、多分・・・いや、確実にこいつ
怒ってる・・・
やばい 何とかしねえと
「で、でも・・・」
「じゃあなんであんな事言った?」
何とかこの場を抑えようと
言葉を言いかけた時、今度は俺の目をじっと見つめたまま
眼鏡はそんな事を言った
「あ、あんな、事?・・・」
あんな事・・・
最後の、俺の・・・台詞?
「台詞なんて、どうにでも出来ただろ」
「っ、あれもっ・・・仕方なく言っただけだろっ」
なんだよ
そんな事で怒ってんのかよっ
つか痛えよ馬鹿が!背中も肩も痛えよ!
「・・・っ」
なんで眼鏡が怒ってるか分かった時
無性に今のこの状態に腹が立ってきた
いきなり主役の代役になれなんて言われて
嫌々なんとか頑張ってたのに
訳の分からねえ展開に持ち込まれた挙句、
お前も会長も好き勝手したくせに
「離せよ」
なんで俺がキレられなくちゃならねんだよ
ブチブチと、額に筋が入ってきた
とりあえず眼鏡から一旦離れようと思い
グッと力を入れて眼鏡の体を押した
「新、お前全然分かってねぇよ」
「は?・・・ちょっ、ッ!?」
その時、またこいつは俺を強く押さえ込んできて
今度は強引に俺の口をこじ開けては
冷たい眼鏡の舌が入ってきた
「ッ、ま、・・・んッ・・・お、いッ・・・ふぁッ・・・んん」
逃げる俺の舌を捕まえては強く吸い上げてくる
激しいこいつのキスに息が出来なくなってきて
足の力がガクっと抜けた
「っはぁッ・・・ぁ・・・ッく、そっ・・・」
体のバランスを崩した俺の腰を眼鏡に支えられて
「いきなり・・・なにすんだよっ」
心臓の音が煩くなる・・・
結局はこいつの思い道理になってしまう自分の体にまで腹が立ってきた
眼鏡も、ちょっとヤキモチ妬いたくらいで
いちいちこんな事・・・
「し、嫉妬したからって・・・勝手な事してんじゃねぇよ」
会長もお前も・・・何でも俺にぶつけんなよ・・・
俺だって・・・会長にキスされた時
すぐにでも引き剥がしたかったよ
「嫉妬・・・ね」
会長とのキスがまた頭に過ってきて
それを上書きするかのようなこいつのさっきのキス
駄目だ・・・ムカつく・・・
なんで俺がこんな思いしなくちゃならねぇんだ
「大体お前とは付き合ってもねぇんだし・・・
別にあんな事・・・」
あれ・・・なに言ってんだ・・・俺
「・・・・」
「あの場はあぁ言うしかなかったし
会長だって劇の為にそうしただけだよ・・・」
違うのに・・・
「お前だって俺にキスしたくせに
何会長に嫉妬してんだよ・・・」
そんな事が言いたいんじゃないのに
「・・・・へぇ」
眼鏡が声を漏らした時、
パッとこいつは俺から離れた
「・・・・眼鏡?」
生徒会室のソファから何かを拾い上げ
それを持ってまた俺の元にきた
「嫉妬ね・・・まぁ間違いではないね」
「お、おいっ・・・なにを」
眼鏡の顔が近くにきて、
それに気を取られていた時
「っ!?」
ガチャンッと、両手首に冷たい物が当たる
「なっ、なんだよこれっ」
意識を手首に向けると、
俺の手首に手錠が掛けられていた
この手錠は、俺の女装の・・・
「おいくそ眼鏡!なんだよこれ!外せ!」
「新・・・」
っ!?
顔を上げた時、また眼鏡が俺の顔を掴んできた
そいつの俺を見る目に、また背筋がゾクっとする
「お、・・・おい・・・」
「可愛い嫉妬だけじゃねえ事を・・・教えてやるよ」
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