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俺はお前を愛してる
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あの時で、最後にしようと思ってた
側に居ることで、傷付けてしまうくらいなら
あの時の言葉で終わらせようと思ってた
また樹を好きになって、樹と一緒になることが
新にとっての幸せだと思ってた
「・・・・好きだ」
だけど
「好きだ・・・新」
「・・・・っ」
こいつは、俺がいいと言ってくれた
どんな俺でもいいと、言ってくれた
「ごめん・・・新」
「・・・な・・・んで、・・・謝るんだよ」
「・・・・・・・ごめん」
結局は、お前が泣いた後に
また気付かされてしまった
樹と一緒になんて・・・
心の底から思えるわけなかったのに
「新・・・・」
俺は、逃げてただけで
その気持ちをお前に全部押し付けて
「・・・ごめん・・・」
お前との幸せから、目を背けていた
「酷い事言って傷付けて・・・泣かせて・・・ごめん」
情けない
こんなにも俺に、その小さな体で
真っ直ぐぶつかって向き合ってくれてたのに
「・・・・も、いい・・・」
そんな奴を、手放そうなんて
「新・・・」
「・・・?」
抱き締めた新の体温が、あったかくて
少しずつ、息を整えてきた新の顔を
俺の方へと向かせた
「・・・お前・・・泣いて」
目と目が合うと、トクンと鼓動が脈を打った
「・・・泣いてねえよ」
俺が、泣いていい訳・・・ないのに
「っ・・・泣いてるよ・・・馬鹿が」
新から好きだと聞いただけで
目の奥が熱くなって
冷たい何かが頬を伝っていた
「・・・新」
そして視線をまた新へと向けると
新は目をぎゅっと閉じていて、その目から涙が零れていた
「・・・俺、最低だよ」
その涙を拭って、そのまま指でそっと新の唇に触れると
新は少し体をビクっとさせた
「・・・・し、知ってる」
「また・・・お前を泣かせるかもしれない」
「い、今更・・・そんな事・・・」
本当はもっと大切にしたい
俺に出来る精一杯の愛し方で
新を俺でいっぱいにしたい
「・・・・なら」
「・・・・?」
「・・・なら・・・もっと、好きになれよ・・・」
突然、新は俺の頬に手を添えてきて
震える声でそう言った
「もっと、好きだって・・・言えよ・・・」
消えそうな声で、そう言ってくるこいつの言葉に
心臓がぎゅっと締め付けられた
「泣かせた以上に・・・傷付けたと思う以上に・・・
俺の事・・・好きになれよ」
「・・・っ」
「もう二度と・・・あんな嘘付くなよ・・・離れ、るなよ」
そう言って新はまたポタポタと涙を流した
震えながら必死に俺の服を掴んで
絞り出すようにして小さく呟く新を見ると
本当に俺はこいつの事が
心の底から愛しいと思った
「っ!?・・・な、なに・・・?」
そして、震える体を引き寄せて
新の耳にキスをした
「離れない・・・もう嘘は付かない」
「・・・っ・・・ふぇ・・・うっ・・・」
また泣き出しそうになった新をぎゅっと抱き締めて
耳元で何度も呟いた
「好きだ・・・もう、絶対離さない」
「っ・・・俺も、・・・ぅっ・・・す、き」
縋り付くように
新も俺の背中に回す手に力を入れてくる
それだけで、心が暖かくなって
俺の中が、新でいっぱいに満たされていく
「・・・成海・・・な、るみ」
何度も、何度も俺の名前を呼んで
新は俺の服をきゅっと掴んで何かを呟いた
「・・・キス・・・しろよ」
突然、そう言って新の顔が目の前に来た
顔を真っ赤にして
あの強気な目で俺を真っ直ぐと見つめていた
「・・・・ん」
その顔を見ると、何故かふっと笑みが零れて
「っ・・・・」
新の唇に優しくキスをすると
安心したかのように、新は少しだけ笑った
「・・・成海・・・も、もっと・・・」
「・・・ん」
そして、また顔を近付けてきて
何度も触れるだけのキスをした
「・・・・・・へへっ」
「・・・新?」
顔を離すと、新は何やら下を向いて笑った
そして、また顔を上げて俺を見ると
「俺・・・今すげぇ幸せ・・・」
ふにゃりと笑って そう言った
「・・・っ」
「お前のにおい・・・好きだ」
そしてまた俺に抱き付いて
嬉しそうな声で小さく呟いた
「お前の声も・・・手も・・・全部好きだ・・・」
「・・・・あ、新」
どこか、小さくなっていく新の声
「・・・な・・・るみ・・・」
やがて、俺の服を掴む手が
ずるりと布団に落ちてしまった
「・・・す・・・き・・・」
顔を覗き込むと、新は目を閉じていて
安心したかのような顔で眠っていた
「・・・新」
「ん・・・なる・・・み・・・だいすき・・・」
ふにゃふにゃと、笑いながら眠る
こいつの顔を見ると
「・・・可愛い」
俺もふっと笑みが零れて
新の頭を優しく撫でた
何度も俺の名前を呼びながら
スヤスヤ眠るこいつの額にキスをして
「・・・俺も、すげぇ幸せだよ」
また優しく頭を撫でた後、
俺の腕の中で眠る小さな体を強く抱き締めた
耳元で何度も新の名前を呼ぶと
溢れてくる気持ちで胸がいっぱいになって
「・・・っ・・・」
また少しだけ涙が零れた
「・・・ん・・・にゃ・・るみ」
「ふっ・・・なんだよ」
こんなに幸せな気持ちになるなんて
「すき・・・す・・・き」
「ん・・・・俺も」
愛しくてたまらない
もっと愛したい
お前をずっと愛していきたい
お前にずっと愛されていたい
もう二度とお前を離さない
「新・・・・」
「愛してる・・・」
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