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11月22日 : 番外編
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結婚して半年が経とうとしていた。
出会ったのは俺が高校2年に上がってすぐの頃
初めはただの暇つぶしのつもりで近付いたのに、
まさかこいつと結婚まで行くとは思ってなかった。
付き合うまでが長かったし、
沢山振り回しちまったり、沢山泣かせて傷付けてしまった。
なのに、そんな俺達が
今はこうして一つ屋根の下で、一緒に暮らしているとは
最初の俺達ならまずあり得なかった。
「眼鏡〜朝だぞぉ〜!」
階段をタンタンと上がってくる音が聞こえる
起きているけど、もう少しだけ寝たふりをしてみる
そんな事が、最近の俺の日課
「おいこら、眼鏡」
俺の部屋の扉を開けて
仏頂面で俺の事を眼鏡と呼ぶのが
俺の嫁 渋谷新
「朝ごはん出来てるぞ!」
布団の上から大きな声が降ってくるが
もちろん寝たふりを継続する
ちなみに、朝ごはんを作るのは3日ごとの交代制。
担当じゃない日はいつもよりゆっくり寝れる
「てめぇ、起きてんだろ!」
「・・・・」
う〜んと唸ってみると布団をグイグイと引っ張り、
俺を起こそうとしてくる。
ぐりんと大きく寝返りを打って新に背中を向けた
「会社遅れるぞ」
「・・・・・・」
すると少しだけ、新の声が小さくなる
それでも俺はまだ何も言わない。
起きてるけど。ね
「・・・・・お、おい・・・」
暫く無視をしていると、
やがて新は布団によじ登って、俺の顔元に近付いてくる。
「お・・・起きてねぇのか?」
「・・・・・」
「お前の為に・・・ホットケーキ焼いたのに」
「・・・・・」
「朝は一緒に食べるんじゃなかったのかよ」
「・・・・」
落ち込んだような声で新がそう言ったのは
結婚してすぐに2人で決めた約束
どんなに仕事が忙しくても
朝ごはんは一緒に食べるというもの
「なんだよ、約束守れよ・・・くそ眼鏡」
ずっと新に背を向けていると、新は俺の背中に額をついて
また少し拗ねた声でそう言った
そして、指で背中をグリグリしてくる。
地味に、くすぐったい・・・
「起きろよぉ・・・」
「・・・っ/////」←我慢してる
可愛過ぎる俺の嫁
新に見えないように悶えていると
俺の背中から指を離して、新は何かを呟いた
「・・・・なる・・・み」
その名前を聞くと、俺は勢いよく振り向き
新の腕を引いて布団に2人して倒れこんだ
俺の上に、新が乗ってる状態。
「なっ!!」
「おはよう。新」
「っ!てめぇ起きてたのかよっ」
「んー、今起きた」
新は顔を真っ赤にさせて、
俺の上でバタバタと暴れ出した
「てめぇ眼鏡!やめっ・・・」
「なんだよ。まだ時間あるじゃん・・・
もうちょっとだけ寝ようぜ」
「ふ、ふざけんなっ!朝からっ、てめっ・・・あぁっ」
暴れる新の手を背中の後ろで交差させて動きを封じると
そのまま、新の服の中に手を入れて、首元にキスを落とした
「・・・やめっ・・・んぁ・・」
「朝からエロい声出すなよ」
新の背中を指でツゥーと撫でると
声を堪えながら、新はビクビクと体を仰け反る
「だ、だって・・・お、お前がっ」
「誰が?」
「・・・っ・・・あぁ・・・やだっそこ、やだっ」
「嫌じゃねえだろ?」
「・・・ふっ、んぅ・・・ぁぁ」
結婚して、変わった事は
新がこういう事をするのをあまり嫌がらなくなった事だ
前は暴れては暴言吐いて、大変だったのに
「・・・名前呼べよ」
「・・・っ・・・い、やだ・・・」
まぁ、少しはまだ抵抗してくるけど
そこがまた、たまらなく可愛いんだよな
ゾクゾクする・・・
「ならやめない」
「ぁあ、・・・んっ・・・」
鎖骨周り、こいつ弱いんだよな
鎖骨のくぼみや、肩の付け根を舐めて吸って
その度にビクビクと震える新の反応を楽しむ
「ここ、好きなんだろ?」
「っ・・・・・すきじゃ・・・ねぇ」
「へぇ・・・そう?」
もう一度、新の弱い所を優しく舐めた
嫌だの何だの言いながら、新は体を擦り寄せてきて
上目遣いで俺を見ては、そのままキスをしてきた
「あ、新?」
「・・・・・・み」
「え?」
すぐに下を向いてしまった新に
今度は俺から顔を近付けると
「っ・・・成海」
「・・・・」
頬をピンクに染める新がそう呟いて
キュルンとした瞳で俺を見上げた
「よ、呼んだんだからっ、もう起きろ」
「・・・」
「朝から、盛ってんじゃ・・・ねぇよ」
ほんと、お前ってさ・・・
「・・・・・・ふっ」
俺を誘うのが、上手いよな
「なに笑って・・・んッ」
照れる新をまた強く引き寄せて
2人の間に1ミリの隙間も無いようにぎゅっと抱き締めた
「お、おい・・・お前」
「なぁ新」
「・・・??」
自分では気付いてねぇだろうけど
起こしに来た割りにはさ
「このまま、寝ちゃう?」
すげぇ物欲しそうな顔してるよ。お前
「はぁ??仕事あんだろ!」
出会った頃も確かこんなやり取りあったな
保健室で最初にお前を抱いた時
懐かしいあの頃を思い出すとまた
ふっと笑みが零れた
「いいよ・・・有休有休。」
「ふ、ざけんなっ!俺は行く!」
布団から降りようとした新を後ろから捕まえると
新の背中からドクドクと鼓動が聞こえる
「は・・・離せよ」
「離していいの?」
「・・・・っ」
もう一回言うけど・・・
一つ屋根の下で一緒に暮らすなんて
最初の俺達ならまずあり得なかった。
「・・・な」
「なに?」
それが今じゃ、朝だけでこんなにも幸せに浸ってる
「・・・っ・・・離すな」
「・・・・ん」
そう呟いた新をまた抱き締める
お互いの心臓の音が重なり合って心地がいい
なんでこんな甘い生活を送ってんだろう。
少女漫画じゃあるまいし。
こんな甘ったるい事で舞い上がるとか
ありえないと思ってたのに
「好きだ」
「・・・・お、おう」
毎日、朝一番に好きな奴の顔が見える
「・・・俺も・・・」
毎日、好きだと伝えることが出来る
「す、・・・すすすすき、だ」
声を震わせながら、新はそう言って
俺の腕をぎゅっと掴んで来た
「ふっ・・・何緊張してんだよ」
幸せだ。何気ない朝を迎えるだけなのに
お前に出会えて・・・
沢山の事をお前に教えてもらった
「し、仕方ねえから・・・今日くらい
お前のワガママに付き合ってやる」
「??」
お、珍しいな・・・今日は逃げないのか
急にそんな事を言った新を不思議に思っていると
俺の方に振り向いて、突然またキスをしてきた
「きょ、今日は・・・いい、夫婦の日
・・・みたいだしな・・・」
そう呟いて、俺の胸に顔をくっつけてくる
「・・・・へぇ。いい夫婦の日ね・・・
いいのか?仕事行かなくて」
「ゆ、有休だっ!有休!」
俺と同じ事を言って、何故か新は
俺の胸をポカポカと殴ってきた
なんていうか
今日の新めちゃめちゃ可愛いんだけど。
今日も か。
「・・・・・・・ふっ」
ほんと、誰が11月22日を
いい夫婦の日なんてしたんだ
「そっか。じゃあもうちょっとだけ、一緒に寝よっか」
今日みたいな日が、毎日続けばいいのに
「新・・・」
「な、なんだよ・・・」
珍しく、新は朝の俺の誘いを受けた
そして向かい合わせになって、
新の服のボタンを一つ一つ外して行くと
新は顔を真っ赤にさせて目をつむった
「・・・俺さ」
少しだけ、手が震える
「・・・は?・・・なんだよ」
「・・・・・・・・なんでもない」
「??」
お前のおかげで、毎日が楽しくて
新の中に俺が居て、俺の中に新が居る
たったそれだけの事なのに
それだけのことが大事だったりして
笑って新を見つめると少し胸が切なくなった
真っ赤に火照った新の顔に触れて
優しく後ろに押し倒し、そのまま二人で布団に体を預けた
「・・・っ・・・成海」
何回もセックスしてんのに、体ガチガチにさせて
新はまだ緊張してる
「・・・新」
まぁ、俺も緊張してんだけど
「・・・な、なに」
「んー、いや・・・」
「??」
「幸せだなぁって思っただけ。」
明日もお前とこうしてたいよ。
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