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真夜中の女子会ならぬ男子会
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忍に突き飛ばされて、2日?3日が経った。
連絡しても出ねえし、俺なんか悪い事したか?
まぁ、いきなりキスしたのはまずかったかもしれねぇけどさ
あいつが、“僕なんか”とかいって泣いたりするし
ああでもしねぇと泣き止まないと思ったし
俺が好きって言ったら
分からないとか言ってたけど、何が分らないんだよ・・・
なんであんな顔したんだよ。
俺の方がよっぽど分かんねえよ
「だぁーっ!さっぱり分らん!」
「俺の方が分らん。」
「・・・・・」
まぁ、あれから一人で色々考えてたけど
忍がなんであんな態度取って連絡もよこさねぇのか結局分らなかったから
とりあえず俺は今、新の家に来た。
「秋人てめぇ、今何時だと思ってやがる」
来た時間がちょっと問題だったけど
「深夜2時だけど」
「だけどじゃねえよ馬鹿か!俺寝てたんだぞ!
てめぇ連絡よこさなかったくせに!
堂々と睡眠妨害してんじゃねえよ!」
「わりぃって!何かお前に会いたくなったんだよ」
「は?・・・お、おお」
新は昔から、俺には変に素直だった
今だってさっきまで殴りかかって来ようとしてたのに
会いたくなったの一言でこいつはちょっと照れて
俺を家の中に招いてくれる
「片付けてねぇぞ」
「へーきへーき。俺の家もそうだし」
新の部屋に入るのは久し振りだった
前とほとんど変わってない
「なんか飲むか?入れてくるけど」
「んー、じゃあお茶!」
「へいへーい」
あくびをしながら、新は飲み物を取りに行った
「・・・・ふぅ」
息を吐きながら腰を下ろして天井を見上げた
部屋に来る途中までに思ったけど
新のお袋さん、居る感じしなかったな・・・
帰ってねぇのか?
まだ、男遊びしてんのか?・・・
「新が真面目になってからだよな?」
「わりぃけど緑茶でいいか?」
「っとぉわ!」
「・・・・は?」
ボソっと呟いていたらそれと同時に新が戻ってきて
さっきの呟いた事を聞かれてないか
心臓がバクバクと唸り出した
「なんだよ。オバケでも見たような反応しやがって」
「や、ははっ」
とりあえず笑って誤魔化しておく
どうやら聞こえてなかったようだ
「・・・で。俺に何の用?」
お茶を入れたコップを手に持って
新は俺の向かいに座った
「お、おう・・・」
「??」
お茶を一口飲んでチラっと新を見ると
すっかり目は覚めたらしく
真剣な顔つきで俺の事を見ていた
「あ、あのさ・・・」
「おう」
お前ってこういう時は絶対真顔だよな。
変に緊張するわ
「俺、こないだ告白したんだよ」
「おー」
「忍に」
「おー」
「・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・・・」
あれ、反応が無い?
と思い、恐る恐る新を見ると
お茶をくぴっと飲んで、いきなり目を見開いた
「は?」
そしてようやく、俺が言った事に反応した
「し、忍って、大崎??」
「おう。そうだけど」
「は?何?お前ら付き合ってんの!?」
新は酷くびっくりしてて
机に手をついて俺の方へ身を乗り出してきた
「ち、ちげぇよ!まだ付き合ってねぇよ!」
「まだ?まだってなんだよ。じゃあいつかは付き合うのかよ」
「俺はそのつもりだけど」
「はぁ?・・・あー、ちょっと待て
ちゃんと聞くわ。説明しろ」
頭を抱えて、新は姿勢を元に戻し
何故か机に両肘をついて手を顔の前で組んだ
・・・碇司令みてぇだな。
とりあえず、新に忍との事をある程度話した
「だからよ、それから連絡もねぇし
忍が今何考えてんのかさっぱり分かんなくてさ」
話終えると、新は少しだけう〜んと唸り
やがてパッと何かをひらめいた顔をした
「なんだよお前そんなの簡単じゃねえかよ!」
「は?」
そして、うんうんと頷きながら
俺の肩を叩いてくる
「それ、照れてるだけだって!」
「・・・て、照れてる?」
「おう!恥ずかしくなってお前の事突き飛ばしたんだよ!
連絡よこさねぇのも告白されて舞い上がる気持ちを
落ち着かせようとしてるだけだよ!」
にまにまと笑いながら、さっきよりも
強い力で肩を叩いてくる。ちょっと痛え
けど・・・
「そ、そうか!照れてるだけか!」
「おお!照れだ!俺には分かる!」
「なんだよ忍、可愛いな!」
「大崎可愛いじゃねえかよ!ははっ!」
そして二人でわははっと笑い合った
そうか、恥ずかしかっただけか
新がそう言ってくれた事に、なんだそうだったのかと解釈して
さっきまでの変なモヤモヤが一瞬にして吹っ飛んでいった
「連絡こねぇなら、会いに行けばいいだろ」
「お、確かにそうだな!」
俺よりも新は嬉しそうで
こいつの笑顔にまた俺も嬉しくなる
「そう言えば、お前は初恋の人と上手く行ったのかよ?」
「えっ・・・・」
笑い掛けてそう聞くと
新は少しだけ強張った表情をした
「あ・・・聞いたらまずかったか?」
「い、いや・・・その、初恋の人とは付き合えなかった」
「とは?・・・じゃあ今は?」
「っ・・・」
俺がそう聞くと、今度は顔を真っ赤にさせて
やがて新は俺を見てにかっと笑った
「すげぇ好きな奴と付き合ってる」
「・・・え」
「ムカつく奴だけどな!」
その新の顔は、めちゃくちゃ幸せそうで
「秋人にも好きな奴が居るって聞けて良かった!
もっとお前のそういう話聞きてえ」
見たこともないくらいキラキラしてて
「ふっ・・・おう!任せとけ!」
早く俺も忍と付き合いてぇって思ったし
「新も、またそいつの話聞かせろよ」
新と喧嘩以外でこういう話するのも
悪くねぇって思った
「おう!」
なんか、忍の話したら会いたくなったな・・・・
明日、あいつの家に行ってみるか・・・
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