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謎の転校生
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ついさっき、この男を兄貴と言った巨人の言葉を
俺は頭の中で全否定した。
顔も全然似てないし
まず、身長差が有りすぎる
まぁそんな事は口に出来なくて
ただ俺は呆然と立ち尽くしている
「ほんまはな、昨日桐島がここに来るはずやったがやけど、
こいつどえらい方向音痴でな!ww」
巨人は、わははっと笑って
この桐島という人の肩をバシバシ叩いていた
「兄貴?全然似てねぇじゃねえかよ」
ふぉっ!!
眼鏡てめえ何さらっと言ってんだよ!
「・・・・」
眼鏡の言った言葉に、桐島さんはビリっとして
本当に人を殺しそうな目で眼鏡を睨んだ
「これ桐島、そんなピリピリすんな」
「いっ」
一瞬空気が冷たくなったと思ったら
巨人が桐島さんの頭にチョップを入れて
その緊張感がプツンと解けた
「なんやすまんの。こいつ目つき悪いき
あと短気やからそこんとこ許しちゃって」
「・・・悪かったな短気で」
いてて、と頭を摩りながら
桐島さんは俺達にペコっと頭を下げた
「まぁ、ナルがそう言うたのも無理はない。
俺と桐島は、血は繋がってないがよ」
巨人は、少しだけ辛そうな顔をしたけど
その後すぐにまた明るく笑った
「はぁ?じゃあなんで保護者なんだよ」
ほんとこういう時、眼鏡の性格が凄いと思う。
さっき桐島さんに目で殺されかけたのに
何事も無かったかのように
ケロリとした顔でそんな事を聞く
でも、俺もちょっと気になる
「んー。まぁ、血よりも深い絆で繋がっちゅうって事やな
あと、こいつこの身長やけど23歳やぞww」
に、23!?
めちゃくちゃ年上じゃねえかよ!
「歳がなんだよ。つか、お前は何の為にこの学校に来たんだよ」
眼鏡は強い。力も強いが何よりハートが強い。
俺が気になってる事を
何のお構いもなくズバズバと聞いて行く
「お?そうやな・・・」
眼鏡にそう聞かれて、巨人はうぅ〜んと考え込んだ
確かに、この学校はレベルが高いのに
脳内中学生のこいつが
いきなり転校して来たのは俺も不思議に思っていた
転入出来た事も。
見たところ、こいつは背が高いだけのお調子者だし・・・
「うむ!」
そんな事を思っていると、
巨人は何かを思いついたかのように
ポンっと手を叩いた
「家出してっぬぉっ!」
「??」
今度は桐島さんが頭をバシっとしばき
何やら巨人が言い掛けた言葉を止めた
止めたけど・・・
「あたたっ・・・これ桐島!
この俺になんつぅ事するぞ!」
巨人今、家出っつったよな?・・・
「黙っちょけ馬鹿が。」
巨人にそう吐き捨てたあと
桐島さんは俺達の方を向いた
「二年間の社会科見学や。
まぁ正確に言えば一年と少しやけんど、
見ての通り龍は頭が足っとらん。
都会に出てこいつを少しでも成長させる為に来たんや。」
「なるほど。とてもいい事だと思います」
桐島さんの言った事に、
会長はにこにこ笑顔で対応してたけど
「お、おお!そうや社会科見学や!(汗)」
あからさまに、巨人は桐島さんの言った事に
合わせてる感じがすると言うか・・・
本当に社会科見学なのか?と
頭の中で疑問が生まれる
「・・・・」
ちらりと眼鏡を見ると、
眼鏡もおそらく、何かが引っかかってるみたいで・・・
会長も、何か考え込んでる風にして
そのあとじっと巨人と桐島さんを見つめていた
「ところで桐島、なんでタクシー使って来んかったんや」
「アホか。誰が他人の力借りるか」
「言葉が過ぎるぞ桐島!アホとはなんぞ!
それに、日越すんやったら一回家帰って来たら良かったやか!
昨日家で一人寂しかったんやぞ!」
「・・・か、帰れんかったんじゃ」
「お前どんだけ方向音痴ながよww
相変わらずやな!」
どうやら、話を逸らしたのか
巨人と桐島さんはそんな会話をしていた
「桐島さん。日野の事は任せて下さい
僕が責任を持って面倒見ますから。」
「そ、そうか。会長さん悪いな
何卒よろしく頼みますわ。」
「はい。」
確実に、この日野という男に対して
俺達生徒会はいくつかの疑問を持った
「うむ。改めてよろしくやな!」
散々巨人についての話を聞いたのに
何一つピンと来ない
転入した理由も
この保護者という桐島さんについても
「龍、迷惑だけは掛けんなよ。」
「分かっちゅうちや!」
本当に、謎に包まれた男が
生徒会にやって来てしまった
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