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興味津々やでほんま
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正直、朝早すぎてびびった。
「しーちゃんありがとぉな❤︎」
朝7時半からの第一回目の
俺のお勉強会が無事終了して
俺は生徒会室を出て廊下まで
しーちゃんを見送りにきたがやけど
「さ、さよならっ」
「ちょっ、えっ??」
しーちゃんはビューンと走って逃げて行ってしもうた
しかも、一回も目ぇ合わして貰えんかった
「・・・なんや、さよならち」
ほんま、どうやら俺は生徒会に
あんま好かれてないらしい。
「はぁ・・・」
もっと仲良ぉなりたいがやけどな
「いっちゃん〜、俺もう朝だけで頭ん中クタクタやぁ〜」
また生徒会室の中へと戻って
奥の会長机の椅子に腰を掛けるいっちゃんに声を掛けた
「・・・・・」
またいっちゃんは窓の外をボケーと見つめよる
「おーい、いっちゃんー??」
もう一回俺が呼び掛けると
ようやくハッとなって返事をするけど
「あ、ああ・・・そうだね」
「・・・・」
絶対話し聞いてなかったやろ
しーちゃんに勉強教えて貰いゆう時も
ちょくちょくいっちゃんの方見よったけど
生徒会の仕事をしながら、
いっちゃんは時々またボケーとしよった
「でもちゃんと時間に来てくれて良かった。
朝早いの日野は苦手だと思ってたよ。」
いっちゃんは少し笑いながら
資料を一つにまとめて机にトントンとした
けんどその笑顔も、なんやウサンクサイ。
「なに?」
「ん♪なんもない♪」
じぃーといっちゃんの顔見つめよったら
不思議そうな顔をして俺の方を見てきた
「日野、さっき勉強した所、ちゃんと復習しておいてね」
「おお♪任せぇ〜!」
あんまする気無いけど、
とりあえずそう返事をした
登校初日に、生徒会室で姫に会った時
その後すぐナルといっちゃんが来て
俺を止めよったけど
その時は正直言うてナルがナイトで
いっちゃんが姫の王子様かと思うた
「もうこんな時間か・・・1限目が始まるね」
「そうやな♪」
けんど、昨日ナルと姫がここで抱き合いよって
その光景を見た時
あぁ、姫と付き合いゆうのはナルながか思うた
王子様を選ばんお姫さまもおるんや思うて
その時いっちゃんの顔を見たら
“・・・新 ”
なんや王子様らしくない顔をしとった
まぁその顔からして
いっちゃんは姫の事が好きながやなって推測出来た
「日野?どうしたの?」
「んお!別になんもないぞ♪
じゃあ次はお昼休みやな!そろそろ教室戻るわ♪」
「うん。またね」
ヒラヒラといっちゃんに向かって手を振り
俺は生徒会室から出た
出るとすぐにまた
少しだけ扉からいっちゃんを見つめた
「・・・・・・はぁ」
いっちゃんはため息をついて
また窓の外に視線を移した
ほんですぐに、あの時の顔をする
「・・・だから、あんまそんな顔せん方がえいのに」
いっちゃんのその顔を見ると
体中がざわざわしてきて
付け入りたいという衝動が生まれる
「またな。いっちゃん」
中におるいっちゃんに聞こえんように
ボソっと呟いて
ゆっくりと静かに最後まで扉を閉め、
俺は教室に向かって歩きだした
「姫との間に何があったか知らんけんど、
今のいっちゃんは王子様より
傷付いたお姫様に見えてしまうわ❤︎」
どんだけ姫の事を好きながかな?
あんな顔するなんて・・・
いっちゃん、可愛いなあ
ほんま最初は、姫に興味を持って
この学校への転入を決めた
まぁ他にも転校してきた理由は色々あるけんど・・・
「ふふ♪・・・楽しみやな」
その事を考えると笑みが零れ
気付いたら俺はスキップをしよった
「ふんふふんふん〜♪」
何をすれば、いっちゃんはいい顔するがやろ
「傷付いちゅう顔も悪うないけど
俺はちゃんと笑った顔が見てみたいなぁ」
俺はいっちゃんの作り笑いしか見とらん
自分の気持ちを押し殺しとるみたいな
嘘の笑顔を見よると、ちょっと腹立つ♪
「俺の前でくらい笑顔作らんでえいのに♪」
冷静沈着ないっちゃんの壊れる顔を
俺は見てみたいなぁ〜❤︎
「ふふんふん〜♪いっちゃん♪いっちゃん♪」
また鼻歌を歌って
スキップをしながら廊下を進んだ
ほんまどうしような。
転校して日も経たん内に
俺は、もう一人の姫に興味津々❤︎
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