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本音
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抱き締めてすぐ
僕はその行動に酷く後悔した
「会長っ、あのっ・・・」
離したくても、離す事が出来ない
「新・・・」
本当はずっと抱き締めたかった
触れたかった
僕を見ていてほしかった
新に触れて、キスしたかった・・・
「会長・・・っ!?」
「駄目だよ新。隙を見せちゃ」
そんな気持ちを必死に抑えて
僕は新から体を離した
その後、ポンっと新の頭に手を置いて
優しく新の頭を撫でた
「ちょっ、からかったんですか?」
今、僕は何をしようとした?
「ごめんごめん。可愛くてつい」
まさか、キスをしそうになるなんて・・・
「ひ、酷いですっ心配したのに!」
ムスっと頬を膨らませる新を見て
ふっと笑みが零れる
「本当に大丈夫だから。
もう帰りなさい。
本は僕が片付けておくから」
立ち上がって、新へとそう笑い掛けた
「っすみません・・・本当迷惑ばかり掛けて」
するとまた新はしょんぼりして
小さく呟き謝ってくる
「いいよ。気にしないで。」
早く帰って。新
これ以上君と居ると
僕は何をするか分からない
さっきは何とか止める事が出来たけど
次は我慢が効く自信がない・・・
「じゃあお言葉に甘えて・・・
お先に失礼します・・・」
「うん。また来週ね」
頭を下げて僕に礼を済まし
新は図書室を出て行こうとした
「・・・・新」
その背中が見えなくなるまで
僕は心の中で何度も新に言葉を投げ掛けた
「・・・・好き・・・だよ」
成海と明日会うと聞いた時
本当は嫌だと思う気持ちが強くて
「行かないで・・・」
何をしてでも、行かせたくないと思ってしまった
先程、抱き締めた新の体温と
その小さな体を思い出すと
胸が酷く締め付けられる
「っ駄目だな、ほんとに・・・もう新は
成海のものなのに・・・」
嫌だ
「ちゃんと諦めたのに・・・」
諦められる訳ない
「もう新の事は・・・」
落ちていた本を手に取ると
その掴んだ手に力が入った
「・・・・っ」
胸を抑えて、必死に自分に言い聞かせる
「いい先輩・・・として」
何度も、何度も言い聞かせる
もう新への気持ちは殺した
この胸から溢れる気持ちは
後輩を思う先輩としての気持ちだと
「・・・っ新」
けど、自分に付く嘘は簡単にバレしまう
「好きだよ」
僕はまだ、新が好きで
「成海なんか・・・やめなよ」
大好きでたまらない
本当はあのままキスをしたかった
あのまま新を僕のものにしたかった
結局、僕は隙あらば新の心に入ろうとしてる
「・・・卑怯で最低だよ」
応援なんて、心からしてないのに
新の前ではいい先輩を必死に演じてる
「はぁ・・・・」
少し深呼吸をして、長く息を吐き
気持ちを落ち着かせた
新の頭を撫でた手を見つめ
再度自分に暗示を掛ける
「もう触れてはいけない」
きっと、次新に触れたら
僕は抑えが効かない
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