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仕方ねえから・・・
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オムライスを食べた後、体が急に疼いてきて
最初は自分の体に何が起こっているのか
全然分からなかった
けど、俺の元に戻ってきた眼鏡の表情と言った台詞を聞くと
こいつに一服盛られたんだとすぐに分かった
媚薬なんか使いやがって
また面白がって俺を弄ぶつもりかって思ったけど
あいつに触れられる度に
もっと酷く、激しくして欲しいって
そんな感情が溢れて止まらなかった
あいつになら・・・壊されてもいいと思った
何度もイカされて、その度に狂いそうになったけど
痛くしてきたり、優しくしてきたり
あいつに与えられる快感全てが気持ち良くて
好きになっちまったら最後、
どんな事をされてもいいって考えてしまうもんなんだな・・・
恋愛って怖え。
『愛してる』
意識が途切れそうになった時に聞こえた言葉
俺も、ちゃんと愛してるって言えたかな?・・・
あまり良く思い出せない・・・
ただ、抱き締められたまま
あいつの甘い香りに包まれて
すげぇ気持ちよかったのは覚えてる・・・
「・・・新」
「・・・ぅ・・・っ」
で、あれから俺はどうしたんだっけ・・・
「新」
あれ、何で熊が俺の目の前に?
「・・・・ク・・・マ・・・」
あぁ・・・夢か・・・
「起きろ」
「ふがっ!」
熊がゆっくりと近付いて来たかと思えば
いきなり鼻を摘ままれて
俺はびっくりして体を起こした
「寝過ぎだよ」
「・・・っぇ、眼鏡?」
けど、そこに居たのは熊じゃなかった
マグカップを手に持って
ベッドに腰を掛けて俺を見下ろす
「て、めっ!くそ眼鏡っ!」
眼鏡だった。(怒)
「なに?起きるなりその呼び方。」
「なにじゃねぇつっ!?」
体を起こして
なんで昨日媚薬なんか使いやがった!
って掴みかかろうとしたら
体の中がズキッとして俺はまた布団に伏せた
「・・・っ、いたっ・・・」
なんだ?体が重い・・・
「無理すんなよ。体痛えだろ?」
はぁあ?
「お、お前が昨日薬なんか使ったからだろ」
「薬のせいだけじゃないと思うけど?」
「は?」
なにがだよ?とこいつを睨むと
眼鏡は俺の頭を撫でてきた
「お前。最近ちゃんと寝てなかっただろ」
「えっ?・・・」
「丸一日寝やがって。」
ま、丸一日!?
「い、今何時だ?」
「・・・・もう夕方だよ」
うそだろっ!!夕方だと!?
そ、そっか・・・俺、四日間オールしたから・・・
「まぁ、お前のおかげで俺は予定通り
今日は丸一日。DVD鑑賞が出来たよ」
「・・・・」
「“丸一日”・・・な?」
やばい。頭を撫でてきたこいつの手が
ギリギリと音を立てて今度は俺の頭を締め付けてくる
見上げると、眼鏡は笑ってた
目は笑ってねぇけど・・・
「い、痛えよっ!離せっ!」
その顔があまりにも恐ろしかったから
とりあえずその手を払って顔を逸らした
「・・・無理させて悪かったな。」
「へ?」
「ん。ほら飲めよ」
急にしょんぼりしたような声でそう言ってきたかと思えば
眼鏡は持っていたマグカップを俺に差し出してきた
ふわっと、甘い香りがする
「な、なんだよこれ・・・」
「ココアだよ。鼻までおかしくなったのか?」
いや、ココアくらい分かるわボケが
また薬でも仕込んでねぇのか?と
目を細めて眼鏡を睨んだ
「何も入れてねぇよ。安心しろ」
「・・・・そ、そうですか」
そんな俺を見てふっと笑った眼鏡に
何故か敬語でそう返してしまった
とりあえず、喉乾いてたから
コクっとココアを飲んだ
・・・めちゃくちゃ甘かった。(汗)
「お、お前って甘いの好きなのか?」
「苦いのよりは好きだな。」
俺の言った質問に
眼鏡はキリッとした顔でそう答えた
苦いのよりはって・・・これは甘過ぎだろ
「・・・ガキが(笑)」
「なに?」
「・・・・なんでもねぇ」
ボソっと呟くと、また眼鏡の少し怒った声が聞こえたから
すぐに俺は顔を下に向けて黙った
そのあと暫く沈黙が続いて
なんか気まずいと思ったから
話題になる事を必死に思い浮かべた
「な、なぁ・・・」
すると、一つだけ思いついた
昨日ちゃんと聞けなかった事
気になって、気になって仕方なかった事
「なんで、ピアス開けたら駄目なんだよ」
「え?」
そろっと顔を上げてそう聞くと
眼鏡は、またその話か?と言ってため息をついた
「お、俺の体なんだから・・・別に開けてもいいだろ」
「駄目だ」
「・・・っ」
なんでだよ。全否定しやがって
てめえは開けてるじゃねえかよ
「・・・んでだよ」
一緒の物を身につける事を酷く嫌がられてるみたいで
胸がちょっとズキってした
「新」
ムスッと頬を膨らませていたら
眼鏡はまた俺の頭を撫でてきた
「ふぇ?・・・っな、なに?」
撫でて来たかと思ったら
突然眼鏡は俺の耳にキスをしてきた
「っ、お、おいっ!」
耳に息がかかって、眼鏡の髪が頬に触れてくすぐってぇ
「開けるなよ」
「っ・・・え?」
「こんな綺麗な体に・・・穴なんて開けるな」
耳元でそう呟いた眼鏡は顔を近付けてきて
眼鏡と俺のおでこがコツンと当たった
「ち、ちけぇよっ」
好きな奴の顔が目の前にあるから
また心臓がドキドキしてくる
それに・・・
「い、今なんと?」
「は?・・・だから。開けんなって言ったんだよ」
ちげえよその後にまた何か言っただろが!
「・・・・・・き、綺麗な体」
「?」
「・・・」
まさか、そんな事を言われるとは思いもしなかった
その言葉の意味を考えたら
なんか・・・嬉しくなった
「・・・へへ」
綺麗って言われた・・・
綺麗なこいつに、綺麗って言われた
「なに?そんなに開けてえの?」
「も、もういい」
単純だな。俺も
秋人の事言えねえじゃねえか
「仕方ねえから。ピアスは開けないでいてやるよ」
口元が緩む中、ふんっと胸を張って
眼鏡に向かってそう言った
まぁ、お揃いとかしなくても
お前と付き合ってんのは俺だし
今はそれだけで幸せだからいいや
「へへ・・・」
眼鏡に言われた言葉が嬉しくて
またにやにやしていると
「新、嬉しそうなのは何よりだけど」
何故か眼鏡は少しだけ深刻そうな顔をした
「明日からテスト期間だぞ」
「・・・・・・・え」
その台詞を聞いた瞬間、
パキっと部屋の中が凍った気がした
幸せなふわふわ心地が一気に吹っ飛んだ
「テスト・・・」
そうだ・・・すっかり忘れてた
本当のテスト期間は明日からなんだ・・・
「くれぐれも。成績だけは落とすなよ?」
そんな俺を見て笑った眼鏡は
この時だけ、立派な副会長の顔をした
「・・・ふぁい」
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