アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
約束
-
あのまま暫く僕を置いて
秋人君達は楽しそうに会話をしていた。
とにかく早く帰りたかったから
僕はテスト勉強があるから、そろそろ帰ると言うと
すぐにお開きになった
「んじゃ、また会いましょう!」
「・・・は、はい」
結局、この鬼達の名前は覚えてない。
別にいいよね?
会いましょうとか言ってるけど
もう会うこともないだろうし・・・
「忍ちん!覚えてなさそうなんでもう一回名前言いますね!
オレ、土屋(つちや)っス!
次からはつっちーって呼んで下さいね!」
「えっ」
「んで、こっちが川下(かわしも)!
カワちゃんって呼んでやってください!」
・・・・・。
名前を覚えないでいようと思っていたら
鬼二人は振り向いて名前を残していった
「つ、つっちーさん、カワちゃんさん・・・」
呼べと言うことは、
次も確実に会うという事か。
僕がその名前を呼んで小さく手を振ると
つっちーさんとカワちゃんさんは
僕達にブンブンと大きく手を振りながら
二人仲良く手を繋いで帰って行った
良く喋る方がつっちーさん。
大人しい方がカワちゃんさん・・・
今度もし会うなら間違えないようにしないと・・・
そう思い、必死に二人の名前を記憶に残した
「じゃ、俺達も帰るか」
ボソボソと二人の名前を呟いていると
秋人君はうぅ〜んと背伸びをしてそう言った
「忍!楽しかったか?」
「・・・ぇ」
歩き出した秋人君の後ろを着いて行くと
急に振り向いてニコっと笑顔を向けてきた
そして秋人君が言った言葉に僕の額に筋が入った
「忍?」
楽しかったワケないだろ
君達への恐怖心と警戒心が強く膨らんだだけだったよ
寿命が縮んだだけだよ!
「うん・・・楽しかった、よ」
なんて、そんな舐めた口効けるわけない。
逆らったら駄目だ。
ここは嘘でも楽しかったと言っておこう
「そっか♪なら良かった」
頷くと秋人君は嬉しそうに笑って
また前を向いて歩き出した
「あの二人まじで良い奴だからさ
忍もぜってぇ友達になれると思ったんだ!」
・・・え、なに?
僕あの二人と友達になったの?
ちょっと待ってよ。
不良のお友達なんか要らないよ!!
「忍ってダチ少なそうだしさ!」
余計なお世話だよ!
そして反論はしないよ!僕は友達が居ない!
なにしろこんな性格だからね!
「・・・・っ」
くそ・・・絶対悪気無く言ってる
それが逆に腹立つよほんと。
「あ・・・そうだ」
「??」
ふんっと怒っていると(心の中で)
秋人君は何かを思い出したのか
また僕の方を見てきた
「忍、あんま一人で出歩くなよ」
「はぃ?」
そしてそう言った秋人君は
物凄く真剣で険しい顔をしていた
「ど、どうして?」
一人で出歩くな?無理を言わないでよ
ずっと家に居ろってのか?
そこまで君に縛られる筋合いはない。
と、まぁこれも言えるわけなく。
とりあえず、何故ですか?ともう一度聞いてみた
「実はさ。最近高校生を標的にした
暴力事件が多いんだよ」
「ぼ、暴力事件!?」
秋人君の言った言葉にびっくりして
つい大声を出してしまった
暴力事件?・・・高校生を標的に?
「出来ればずっとお前の側に居てやりてぇけど
学校離れてっからそうもいかねぇし。」
いや君とずっと居る事も耐えれないけど
暴力事件は怖いな・・・
「まぁ、何かあったら俺にすぐ言えよ!
飛んで行くからよ!」
飛んで来ないで下さい
「あと、土屋達にも頼れよ。」
「え?」
「あいつらも、ダチの為なら飛んで助けに来てくれっから」
そう言ってまた、秋人君は僕の頭をポンポンとしてくる
「じゃ、じゃあ・・・今日二人に会わせたのって・・・」
僕の護衛強化の為に?
「ん?あぁ。土屋達に忍の事自慢したかったから!」
「ふぁ??」
「俺の彼女は可愛いぞーって」
「・・・・・・」
いやいや。彼女じゃないよ
「まぁ自慢したかったのは本当だけど
俺のダチが忍とダチになると、忍の味方も増えるしさ。
俺がもし助けに行けねぇ時に力貸してくれるからよ」
「た、助けに?」
なんだその理由は。
あたかも僕が危ない目に合う事を
過程に話しを進めないでよ
「とにかく。頼むから一人で居る時は気を付けろよ。
あと、新にはこの話は絶対しないでくれ」
「え・・・な、なんで?」
そんな暴力沙汰の話は
真っ先に渋谷君に言うべきじゃないのか?
「なんでも。」
だけど秋人君は、本当に言わないでくれな?と
少し辛そうに笑ってまた歩き出した
「・・・・約束な?」
「・・・・・」
その秋人君の顔を見ると
僕は無意識にコクコクと頷いて承諾した
秋人君の大きな背中を見ながら
僕もまた歩き出した
だけど・・・
「あ、秋人君・・・」
「んー?」
先程忠告された暴力事件の事を
渋谷君に伝えなかったのを
後になって僕は酷く後悔した
「あ・・・やっぱり・・・なんでもないです」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
204 / 617