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必ず守ってみせるから
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「ぶはっ!www秋人さんまじっすか!ww」
「・・・・・おう。まじ」
あの後、忍を家まで送って
土屋達から話があると連絡が入り
いつものファミレスへと足を運んだ
「・・・ぶふっww」
「おい。笑うなよ」
俺が元気がねぇのを土屋達はすぐに感じ取って
『オレ達で良ければ相談乗りますよ?』とか言って来たから
さっきの出来事を話すと
土屋は盛大に吹き出して笑い始めた
川下も、肩を小刻みに揺らして笑ってる。
「ひぃーwwや、すんませんww
けど、キスして好きって言った後に
ふ、振られるとかwww秋人さんダセェw」
「・・・・(怒)」
そう言ってまたケラケラと笑い出す
流石にイラっとしたけど
とりあえず水を飲んで気持ちを落ち着かせた
「・・・ほんと、ダセェよな」
落ち着いてさっきの忍を思い出すと
肩の力が抜けた
「じょ、冗談っスよ!
そんなしょげないで下さいよベイベー!」
そんな俺を見た土屋は慌ててフォローしようとしてきた
なんだよベイベーって・・・
「秋人さんはダサくねぇっス!」
そう言った土屋に続き、川下もコクコクと頷く
「ちげぇよ。そういう意味のダセェじゃねえ」
「え?」
「忍が無理してたのに、
それに気付いてやれなかったのがダセェの。」
「あ、あぁ〜!」
俺がそう言うと、二人は なるほど〜と言って
何故かまたコクコクと頷いた
「はぁ・・・・」
ほんとに情けねえ。
全部俺の思い込みだっただけで
無理やり忍を連れ回してたんだな。
俺の事怖いって言ってたし・・・
結構ショックだったな。
「そういや、話ってなんだよ。」
俺を慰めようとあわあわする二人を見て
場の空気がしんみりして来たから
脱しようと俺はそう聞いた
「あ、はい。その、例の件なんスけど・・・」
すると土屋は目の色を変え、真剣な顔つきになった
土屋が言った“例の件”という言葉を聞くと
俺も気を張り直して身を引き締めた
「何か分かったのか?」
「うっス・・・」
例の件とは、最近多発している暴力事件について
少し気になったから、最近俺達はその事を調べていた
昨日、忍を迎えに行けなかったのも
その情報を集めに
不良集団に襲われたという他校のダチの所に行ってたから
「それが、どうも襲われてるのは
オレ達と同年代の鷹中出身の奴らばっかみたいっス」
「・・・・」
土屋が言った事に、やっぱりそうかと
また肩の力を抜いた
昨日会いに行ったダチも、
俺と同じ代の鷹中出身者だった
「オレ達を恨んでる奴が多いのは分かってるんスけど、
今になってこうも被害が多いと
流石に黙ってはいられねぇっスね」
「あぁ。そうだな」
土屋がそう言って俺が返事をすると
またシンっと静かになる
「・・・・」
土屋達も、険しい顔つきで何かを考え込んでいた。
多分、考えているのは俺と同じ事だと思う。
ここ最近、各地で頻繁に起こる暴力事件。
その被害者全員が鷹中出身ということは
偶然にしては明らかにおかしすぎる。
昨日会って来たダチは、襲って来たその集団は
数人どころじゃねぇって言ってたし
今になって大人数で俺達を潰しに来るなんて
一体誰がそんな事を・・・
「秋人さん、やっぱこの事、トップに話した方が・・・」
少し考え込んでいると
土屋はまた心配そうな声でそう言ってきた
「駄目だ。絶対話すな」
「け、けど・・・」
「あいつはやっとちゃんとした道歩み出せたんだ。
今回の件は俺達だけでなんとかする。」
俺がそう言うと、二人は顔を見合わせ
暫く黙った後、深く頷いた
・・・この事を新に話せば
あいつはがむしゃらになってでも
その集団を止めようと動くだろう
喧嘩はもうしねぇって言ってたけど
それは自分の為であって
あいつは、きっとダチの為なら
すぐにでもまた喧嘩に手を染める
そうなったら、あいつが頑張ってきた事全部が無駄になる
「とりあえず。その集団をどこの誰が組織したのか
まずはそこからだ。少しでもいいから
情報を集めてくれ。」
俺達の代が襲われてるとなると、
時期に新へも被害が出るはずだ
いや、むしろトップであった新には
これまで以上に何かを仕掛けるはず・・・
そうなる前に、何とかそいつ等を潰さねえと
「情報ならもちろん集めるっスけど・・・
忍ちんのお迎えどうするんスか?」
土屋が俺の顔をじっと見たまま
心配そうにそう言ってきた
「放課後の迎えはこれからも続ける。
忍にもちゃんと許可は貰った。」
「・・・そっスか」
まぁ、迎えは続けても言いかって聞いたら
嫌そうな顔してたけど・・・
「この件が片付くまで、忍からは離れねぇよ」
いくら襲われてるのが鷹中の奴等でも
高校生が襲われてる事に変わりはない。
どこにその不良集団が潜んで居るか分かんねぇのに
そいつ等がもし俺と忍が居る所を
見ていたなら、確実に人質として忍は狙われる
「小夏と春人は婆ちゃんとこ預けたし。
明日から俺も手当たり次第ダチんとこ廻ってみるよ」
忍にはダチに戻ろうとか言ったけど
本当は戻らない方がいいのかもしれない。
俺と関わりを無くせば
忍はもう我慢や無理をしなくていい。
俺という人間に怯える事も無くなる。
だけど、今の状態で忍から離れるのは危うい
忍に何かがあってからじゃ遅い。
また暫く俺と居る事になっちまったけど
許してくれよな。
絶対、お前を危ない目には合わせねえから・・・
必ず守り切ってみせるから
「土屋。川下。」
「う、うスっ」「・・・」
今は怖いって思われても仕方ねえけど
「この件が片付いたらさ・・・
俺、喧嘩から足洗うわ。」
「っえ!?」「!?」
全部終わったら
お前にちゃんと見てもらえるような人間になるから
だからもう少しだけ
側に居させてくれ
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