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覚悟しろよ
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ようやく地獄の様なテスト期間が明けた。
テストの総合点と学年順位はまた後日張り出される。
まぁ、今回も俺が1位なのは確実だ。
「はん、テストとか楽勝だぜ。」
手応えバッチリだ。と俺は胸を張って廊下を歩く
今週はずっと体が痛くてたまらなかったけど、(眼鏡のせい)
何故か気分が良かったから
今回のテストは靴紐を解く事より簡単だったぜ。
「・・・例えが雑だな(汗)」
ま、まぁテストの事は置いといて。
そんな事より
ここんとこ大崎の様子がおかしいんだが。
こないだも具合悪そうだったし・・・
今日だって話し掛けようとしたら
物凄いスピードで逃げられた
俺、何かしちまったのか?
それとも・・・秋人となんかあったのか?
「はぁ・・・」
ダチに避けられるのって結構辛え
悩んでる事あんなら、話してくれればいいのに。
「失礼します」
大崎の事を考えながら
俺は久しぶりに生徒会室に来た
テストも終わったから今日からまた
生徒会の活動が始まる
「久しぶりだね。」
中に入ると、すぐに会長の声が聞こえた
「ひ、久しぶりです」
俺を見るとニコっと笑った会長に
俺も笑い掛けてそう返した
まだ眼鏡も大崎も、あの巨人も来てなくて
入るなり、会長と二人きりの空間が
少しだけ気まずかった・・・
「ふふっ・・・二人きりになると緊張するね。」
「えっ?」
「僕も、少し緊張してるよ」
そう言うと会長は目を閉じて微笑む
目を閉じて笑うその顔を見ると
デートの時の眼鏡を思い出した
あの時の眼鏡も、目を閉じて笑ってた。
会長も眼鏡も、ほんとに綺麗で
何より色気がヤバイ。(真顔)
「新、早速だけど。仕事手伝って貰えるかな?」
「あっ、は、はい」
そんな事を考えていたら会長にそう言われて
俺は渡された資料に目を通した
けど、その資料の量が多過ぎて瞬時に体が凍った。
「ごめんね。結構仕事溜まってて。
冬休みに入る前には片付けておきたいんだ」
なんて量だ。と凍っていたら
あったかい会長の声が聞こえて
これまた一瞬にして凍った体が溶けた
相変わらず会長は優しい。
陽だまりみてぇだ。
「冬休み・・・なんか早いですね」
「そうだね。色んな事があったね」
二人で並んで資料を見ながら
今年あった事を少しだけ話していた
会長は俺と眼鏡に関する事は話して来なかったけど
これまでの出来事を懐かしそうに話す会長は
なんだか微笑ましかった・・・
「そ、そう言えば、もうすぐでクリスマスですね」
会長とも、これまで色々あったけど
こうやって普通に話せる事が嬉しくて
もっと話したくなった俺は
話題を更に膨らませようとした
「会長は普段クリスマスって何してますか?」
そんな何気ない事を聞くと
会長は作業をしていた手を止めて俺を見てきた
「クリスマスはいつも家で猫と遊んでるよ。」
「え?・・・ね、猫?」
会長、猫飼ってんのか?
「白猫でね。リリィって言うんだ。
毎年リリィにクリスマスプレゼントを選ぶ事が恒例かな。」
「か、会長はサンタさんポジションなんですね」
「ふふっ・・・そうだね」
柔らかく微笑んだ会長は、また手を動かし始めた
会長のクリスマスでの過ごし方は
猫と戯れる事・・・
家族やダチとは過ごさねえのか?・・・
そう思ったけど、聞かずにいた。
・・・会長サンタか。なんか可愛いな
「新は今年どうするの?」
「あ、俺ですか?」
会長サンタ見てぇ。とか考えてたら
今度は会長にそう聞かれた
「成海と過ごすの?」
「とぅえっ!?」
いきなり眼鏡の名前が出たから
ドキィっとして俺は飛び上がる
「め、めめめめ眼鏡となんかっそんなっ!」
眼鏡とクリスマスを過ごすと妄想したら
急に心臓がバクバクしてきた
だけど、あいつからクリスマスに関しては
何も言われていない・・・
「今年のクリスマスは成海にとっていい日になるね。」
「え?・・・」
いい日?
何がですか?と会長を見つめると
会長は、あれ?もしかして知らない?と言って来たから
更に何のことか分からず俺は首を傾げた
「クリスマスは成海の誕生日だよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・?」
「・・・・ぇ」
待て、会長今なんと?
眼鏡の・・・たんじょうび・・・
「た、誕生日!?」
あ、あいつクリスマスが誕生日なのか!?
「やっぱり知らなかったんだね」
びっくりした俺を見て会長はふふっと笑った
「だ、だってあいつ、何も言って来なくて・・・」
つか、ほんと何で教えてくれなかったんだよっ
危なく知らないままクリスマス通り越すとこだったぜ
いやまて、眼鏡の部屋にあったアルバムの写真・・・
家族写真のクリスマスケーキに書かれてた
ハッピーバースデーはそう言うことかっ
「新?」
クリスマスがあいつの誕生日と知り
その瞬間に、さてどんなサプライズをしてやろうかと
ニヤニヤしながら考えていたら
会長は不思議そうに俺の顔を覗き込んで来た
「へへっ・・・会長、教えてくれてありがとうございます」
クリスマスが更に楽しみになった俺は
口元が緩む中、会長にそう礼をした
「何の話してんの?」
「!?」
その時、背後から眼鏡の声が聞こえた
「来るのが遅いよ成海」
「悪りぃ。」
「・・・・・・・(汗)」め、眼鏡。
いきなり眼鏡が入って来たから
さっきの話を聞かれてなかったか
俺は焦り始めて、額からダラダラと汗が流れた
「で。何の話してたんだよ」
「あぁ。実はクリスm「ああぁぁああっ!!」」
「??」
会長が、クリスマスの話だよ。と言う前に
俺はそれを言わせまいと、声を張り上げた
そしてすぐに会長に
『内緒でお願いします』と目で合図を送った
「何?なんの話?」
「く、クリス○村って結構ガタイいいよな!
って話してたんだよ!」
「は?」
「ね?会長!!」
くそっ!
咄嗟に思いついた誤魔化し方が最悪過ぎるっ
俺が慌てて会長にそうですよね?と言うと
会長は少し困った顔をした
だけどすぐにニコっと笑って口を開いた
「う、うん。そうなんだ。
彼の話で盛り上がってたとこだよ」
・・・・会長はもう神だ。
俺の下手な誤魔化し方に合わせてくれた。(泣)
「へぇ〜。」
だけど眼鏡は、疑ってるような目で俺を見てくる
「な、なんだよその目」
「ふっ・・・別に」
なんだあ?鼻で笑いやがって・・・
ムカつくな(怒)
「ほら、さっさと仕事やるぞ」
「・・・お、おう」
とりあえず何とか誤魔化せて良かった。
クリスマスか。
どうやってバレねぇように
こいつの事祝ってやろう・・・
「なに?」
「・・・・・」
じっと眼鏡を見ていたら
また目を細めて俺を見て来た
「んでもねぇよ」
「・・・なら手を動かせ」
「は?ちゃんとやってるだろが」
「ちげえよ。」
「??」
そう言って眼鏡は手際良く作業を始めた
「用事済ませて早く帰るぞ」
「・・・・・」
そして、眼鏡は会長には聞こえない声で
ボソっとそう呟いた
「・・・っわ、分かってるよ」
眼鏡の言った言葉に顔が熱くなる
“早く帰るぞ”
そんな言葉を言われただけで
嬉しくて、またポカポカしてきて
早く一緒に帰りたいと
作業をする手が早くなる
「おい眼鏡」
「ん?」
有難く思えよ。
今年はこの俺がサンタさんになってやるよ。
「か、覚悟しとけよくそが」
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