アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
歯車
-
昨日は全然寝付けなかった。
今更分かった事だけど
俺あいつの事考えたら夜寝れなくなるんだな。
なんか悔しい。
昨日は頭の中が
眼鏡の誕生日の事でいっぱいで
結局あいつと帰った後、
すぐに俺は家を出て
眼鏡に何をプレゼントしてやろうかと
街をフラフラしてた
街はもうクリスマス一色で
道路沿いにズラリと並ぶ木には
イルミネーションが施されていた
木が纏う白や青や、
オレンジに黄色がキラキラ光って
めちゃくちゃ綺麗だった。
あいつとこの風景を見れたら
もっと綺麗だとか思うんだろうな・・・
「新」
「だっ!へいっ!」
ぽけ〜とまた眼鏡との事を考えていたら
真横から会長の声が聞こえた
・・・・そうだ。
俺今、会長と資料室に来てんだった。
「大丈夫?さっきから上の空だけど・・・」
「あっ、だ、大丈夫ですよ!」
心配そうに俺を見つめる会長に
ははっ、と笑って手をブンブンと振った
会長は、なら良かった。と笑って
沢山の資料が積まれた部屋の奥へと入って行く
本当は、眼鏡達も一緒に
ここに来るはずだったんだが
眼鏡は用事があると言って
今日はさっさと帰ってしまった。
大崎は休んでた分の課題が残ってるらしく、
今日は生徒会の方へ来れないと言ってた。
あの煩い巨人は、何をやらかしたのか
先生に呼び出されてお説教中。
ほんと、みんな何してんだよ。
「そっちにこれ置いておいてくれる?」
「は、はい」
会長はドサっと大量の資料を俺に渡して来て
俺はそれを言われた場所へと移した
もうすぐで冬休みに入るという事で
今日は生徒会がよく使うこの資料室の大掃除。
ホコリっぽくて目が痛い。
鼻もムズムズする
無駄に広いこんな場所を二人で掃除とか・・・
日が暮れるだろ
眼鏡くそが。大した用事じゃなかったら
ほんとぶん殴ってやる。(怒)
俺を置いて帰りやがって・・・
「・・・成海達も居たらすぐ済んだのにね。」
「え?」
「ごめんね。新にばかり負担を掛けてしまって」
急に会長はそんな事を言ってきた
「あ、謝らないで下さい。
別に負担なんて思ってませんよ」
本当に申し訳ないと言う顔で
会長は俺の事を見てきて
その顔を見ると、部長さんが言ってた
会長は責任感の塊だって言葉を思い出した
「・・・俺、精一杯頑張りますから」
「ん?」
「あ、あいつが居なくても、俺がちゃんと会長の事
サポートして行きます。」
目の前の資料を手に取りながら
俺はそう言った
今は仕事に集中しろ俺!
会長に謝らせてんじゃねえよ俺!
眼鏡の事なんか考えてる場合じゃねえ
「だから、気にせず何でも押し付けてきて良いんですよ。」
「・・・・」
俺は、この人にいっぱい支えて貰った。
眼鏡とこうやって
付き合えるようになったのは
会長が背中を押してくれたからで・・・
あの時、成海のところに行っておいでって
言われなければ、俺は今頃あいつと
付き合えてなかったかもしれねぇ。
今の俺があいつの隣に居れるのは
全部この人のおかげなんだ
だから、俺は会長の為なら
どんなキツイ仕事でもこなしてみせるし
少しでも、その責任感とやらを
軽くしてやりたいって思う
会長は 本当に優しいから
優しいから、何でも一人で抱え込もうとする
それを俺が少しでも・・・無くしてやりたい
あの時言ってくれた
いい先輩で居てくれる会長に
応えれるように、俺もいい後輩として
ちゃんと、支えていけるように
「・・・新・・・」
「??」
そう思っていると会長は俺の方へ近付いてきた
「無理だよ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
210 / 617