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イヴの幕開け
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今日は忍達を呼んでクリスマスパーティー
朝早くから料理の仕込みを始めて
あとは皆が来てから
開始までの一時間で料理を完成させる。
そして今俺が一番手間を掛けて作っているのが
今日の主役とも言えるクリスマスケーキ
もちろんスポンジから焼いたぞ
イチゴをふんだんに使って
生クリームでデコレーション
チョコレートの飾りと
最後にサンタクロースの飾りをつけて完成だ
高校生男子が四人で食べるとなると
ケーキもこれまた特大サイズになる
「うっし。我ながらいい出来だ」
完成したケーキを眺めて俺は満足感に浸った
忍達びっくりすっかな?
喜んでくれるといいけど・・・
「まだ時間あるし、部屋の飾り付けの準備でもするか」
時計を見て時間を確認すると
まだ約束の時間まで2時間以上ある
ちょっと早くに準備し過ぎかな?
なんて思いながら
俺は折り紙を切って部屋の飾りを作り始めた
小夏達のプレゼントも買ったし
ちゃんと明日婆ちゃんとこ持ってってやるからな
「小夏、春人、今日な。兄ちゃんサンタは
好きな子に猛アピールすっから、応援しててくれよ」
心の中で小夏達に語りかけて
るんるんと陽気な気分で手を動かした
出来た飾りは忍達が来てから
皆で部屋に飾り付けするか・・・
忍、楽しんでくれるといいな
「こないだは料理美味いって言ってくれたし
今日もいっぱい食ってくれっかな」
忍の事を考えるとまたソワソワしてくる
ダチとはいえ、忍は俺の好きな人だし
今日は土屋達も一緒だけど、
やっぱちょっと緊張すんだよな
本当は二人で過ごしたい気もすんだけど
二人きりになったら手ぇ出しちまいそうで怖いしな
春人には好きな奴に一回や二回振られたくらいで
諦めたら駄目だぞ。って教えてやった。
言った俺が一回振られたくらいで
しょげててどうすんだって感じだよな
「っしゃ!まずは胃袋を掴んでやんぜ」
だから今日は大事な日なんだ
少しずつ俺を見てくれるようにアピールしまくる!
忍!お前に絶対好きになってもらえるように
何でも出来る完璧な男になるからよ!
最近はイクメンってのが流行ってんだ
俺のとこに嫁に来れば
いくらでも楽させてやるよって
次の告白で言えるように俺は頑張るからな!!
「あっ、やべ・・・」
ふんっと意気込みながら、レジ袋をあさっていると
割り箸を買い忘れた事に気付いた
「んー、まだ時間あるし買いに行くか」
そう思い、ジャケットを羽織った時だった
【〜♪〜♪】
「お?」
携帯が鳴り
土屋の名前が表示された
「最近多いな、土屋からの電話」
今度は何だろうと思って俺は電話に出た
ついでに土屋に割り箸買って来てもらうか・・・
「おっ、土屋?」
『・・・・・・・・・』
「・・・?」
ん?なんだ?まだ元気ねぇのか?
「つち『久しぶりだな菅原』」
!?
は?・・・誰だ
電話から聞こえて来た土屋じゃない声に
俺はすぐに反応した
「誰だてめえ・・・」
『おっとその返しにはもう飽きたわ。
ほんと、鷹中の奴は記憶力ねぇのな』
鷹中の奴ら?
こいつの声・・・なんだ?・・・
体中が一気にざわつきだした
「何ワケ分かんねえ事言ってんだよ。
つか土屋はどうした?」
嫌な予感がする
土屋、まさかお前・・・
『お前の連れは全員俺のとこに居るよ』
「なっ・・・」
『もう分かってんだろ?俺が電話に出た時点でよ』
土屋だけじゃない?どういうことだ
確かに、電話に土屋じゃないこいつが出た時
すぐ頭の中にあの不良集団が浮かんだ
だけど土屋は連れ去られるようなヘマはしねぇ
「・・・川下を人質にとったのか」
けど、もしもそうだとしたら
土屋はすぐに俺に連絡してくるはずだ
『人質?人聞きの悪い事言うなよ。
俺はクリスマスパーティーに招待してやったんだぜ?
・・・お前よりも先にな』
「は?・・・」
『パーティーにしちゃ人数足んなくてさ。
お前も招待してやろうと思ったんだよ』
「おい、ふざけるのも大概にしろよ
・・・土屋達はどこだ?」
くそ・・・何があったんだよ土屋
なんですぐ俺に言わなかった
『あの野郎共の心配もいいけどよ。
お前、もう一人忘れてんだろ』
「?」
もう一人?・・・
『大崎、忍?だっけ?』
「!?」
忍の名前を聞くと、心臓がドクンと脈を打った
『菅原、何お前まで真面目君と連んでんだよ。
俺達と遊ぶ方が楽しいだろ?
あの時みてぇに遊ぼうぜ?な?』
「・・・・黙れ」
ギリギリと、拳に力が入る
俺がついていながらなんでこんな事に
「思い出したぜ。お前の事・・・」
よりにもよって、どうしてこいつが
「・・・氷崎・・・恭弥」
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