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恐怖
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「うっ・・・」
なんだこれ・・・頭がガンガンする
手首も何か痛い・・・
締め付けられてる感じがする
あれ・・・僕どうしたんだ?
「てめぇ!話が違うじゃねえかよ!」
つっちーさんの声だ・・・
そうだ僕・・・相談があるとか言われて
つっちーさんについて行ったら
いきなり後ろから誰かに口を塞がれて
急に眠たくなって・・・
「ビービー騒ぐなよ。うるせえ」
別の男の人の声が聞こえる
他にも、ざわざわとしたかなりの人数の声・・・
「つ・・・ち・・さん」
重い瞼をゆっくりと開けると
胸を地面につかされたまま、両腕を
二人の男に押さえつけられてるつっちーさんの姿
そしてやっと僕は意識をはっきりと取り戻した
「っ!」
ここは・・・どこだ?
見渡すと少しずつ体が震え始める
充満した煙草の煙
部屋のあちこちに並べられたワインボトル
「ぁ・・・・」
そして部屋を埋め尽くす程の不良の集団
「和希を返せ!」
僕・・・攫われた、んだ
そう認識すると更に体がガタガタと震えた
なんとか起きてないフリをしようと
またぎゅっと目をつむった
「忍ちんはちゃんと連れて来たんだからもういいだろ!」
・・・・っえ?
「あぁ。確かに連れて来てくれたな」
僕を?・・・つっちーさんが?
な、なんでっ
「けどよ。俺は返してやるとは一言も言ってねぇよ」
「なっ!?」
「相変わらず頭悪りいな。」
つっちーさんと話てるのは
多分この不良集団を束ねてる男
「て、てめえ・・・」
「お前にはまだやってもらう事がある。
それが終わったらちゃんと返してやるよ」
返す?・・・一体何の話をしてるんだ?
「・・・っ・・・」
こ、怖いよ・・・なんで僕がこんな目に
「おい、そいつまだ目ぇ覚めねえのか?」
!?
ガタガタ震えていたら
つっちーさんと話していた男が
きっと僕の事を見てそう言った
「・・・・・(泣)」
寝てる!僕はまだ寝てます!
「あ〜、まだ寝てますねぇ」
一人の男が僕の顔元に近付いてきて
少し髪を触られてビクっとしそうになったが
なんとか耐え切った
「じゃあ奥の部屋に運んどけ。邪魔だ」
「うーす」
そしてそう言われた瞬間
僕は担がれて何やら別の部屋に運ばれた
運ばれてる途中、少し目を開けると
あの男に何かを必死で訴えてるつっちーさんが見えた
「・・・・」
やがて部屋に着いたらしく
僕は荒く床に放り投げられた
痛い。(泣)
「ふあぁ〜。まじねみぃ」
僕を運んだ男は大きなあくびをして
またさっきの部屋に戻って行った
「・・・・」
運ばれた部屋はさっきの場所とは真逆で
物凄く静かだった
そして隣から物音が聞こえて
僕は慌てて目を開き物音のする方をゆっくりと見た
「・・・へ?」
薄暗い部屋で、目線の先にあった物を見ると
全身がゾクっと震えた
宙に浮いている足
足首は縄で縛られていて・・・
「な・・・なっ・・・」
ドクドクと、心臓の音が早くなる
開いた目が閉じれなかった
怖くて見たくないのに
視線は上まで行ってしまい
やがて、僕の視界に映ったのは
手首を縄で縛られ、その縄は上へと続いてて・・・
「カワちゃん・・・さん」
ブランと天井から吊るされる
カワちゃんさんの姿だった
着ている服は引き裂かれていて
体のあちこちから血が滲んでる
頭からは・・・赤い液体が
「ひっ・・・」
ま、まさか・・・血・・・
また体がガタガタと震えた
「し・・・のぶ・・・?」
恐怖で目から涙が零れそうになった時
カワちゃんさんが小さく呟いた
「あ・・・あぁ・・か、カワちゃん、さん」
だけど、その声は弱々しく
今にも消えてしまいそうな掠れた声
初めて聞くカワちゃんさんの声は
僕の恐怖を煽るのには十分過ぎるものだった
「・・・っ、あ・・・」
カワちゃんさんは、殴られて腫れた瞼を開き
視線を僕へと向けてきた
「・・・・しのぶ・・・」
「ひっ・・・」
怖い・・・
なんでこんなっ
「・・・・・」
「うっ・・・ヒッ、グ・・・」
僕を見ないで・・・やめて
「ぅあ・・・や、見な・・・い、で」
「・・・・」
怖い・・・怖いよ
僕もカワちゃんさんみたいに
こんな姿にされてしまうのか?
「・・・しのぶ・・・」
「っ!」
なんでつっちーさんが僕をっ
「しのぶ・・・」
やめてよ!
僕の名前を呼ばないでよ!
「ヒックっ・・・うっ、こ、怖い・・・」
「・・・・」
少しでも仲良くなろうと思った自分が馬鹿だった
「怖い、よ・・・ヒッグっ・・・グズッ・・・」
結局こうやって僕はひどい目に合うんだ
「うっ・・・ぁう、・・・ぐっぅ」
何もしてないのに
不良と関わるだけで
こうやって怖い目に合うんだ
少し気を許した途端にこれだ
「た・・・助け・・・っ」
体の震えが止まらない
カワちゃんさんを見れない
怖い
「ゔ・・・ヒックっ・・・っ嫌、だ」
怖い
「・・・・しのぶ」
「っ!!」
ぎゅっと強く目を閉じていると
また、僕を呼ぶカワちゃんさんの声が聞こえ
僕は体をビクっとさせた
「・・・ご・・・めん・・・」
「・・・・・ぇ」
小さく呟いたカワちゃんさんの言葉を聞くと
僕はゆっくりと目を開けた
「ごめん・・・ね・・・しの、ぶ」
「・・・な、なんで」
「ご、めん・・・ね」
「か、カワちゃん・・・さん・・・」
なんで・・・カワちゃんさんが謝ってるの?
「那央の、事・・・許して・・・あげ、て」
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