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楽しい
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息苦しさが急に無くなり
一瞬頭が真っ白になった
「ぐぶっ・・・がはっ」
「・・・・」
気付けば、なんか顔を掴まれてたから
とりあえずこいつの手首を掴み
関節を反対方向に捻じ曲げ
手を離したこいつの顔に一発殴り込むと
ようやく視界が定まった。
「・・・氷崎」
「っ、渋谷ぁああ」
「・・・・」
なんで氷崎が目の前に居る?
「くそがあァアアアア!」
「・・・・」
拳を飛ばして来たこいつを避けて
また腹に蹴りを入れる
「がぁっ・・・」
氷崎はその勢いで後ろに飛び
口から血が飛び散った
「新さん!」
「・・・・お前ら」
周りを見渡すと知らねえ野郎共と喧嘩をしてるダチ
そして床に倒れる秋人を見て
ようやく思い出した
「・・・秋人」
そうだ・・・
俺は秋人が氷崎に捕まったって聞いて
助けるためにここに来たんだ
「し、渋谷・・・君・・・?」
「・・・・・・?」
で、・・・こいつは誰だ
「・・・秋人から離れろ」
「え・・・」
なんでこいつが俺の名前を知ってる?
「・・・っ、し、ぶや」
まぁいい・・・
「氷崎、相変わらずムカつく顔してんなぁお前」
「っ、は?」
「秋人が随分世話になったじゃねえかよ。
たっぷり礼しねえとな」
「なっ!ぐあっ」
膝を着いていた氷崎を押さえつけ
腕を後ろに回し、それから・・・
「ぐ、ぎゃあああああああっ!!」
「ははっ」
肘の外側に足を掛けて
腕を引きながらそのまま氷崎の腕を折ると
骨の折れる音が聞こえ氷崎が悲鳴を上げた
「ぁああっぐあっ・・・ぁあっ」
手を離すと折れた腕がブランと揺れる
痛みに歪む氷崎の顔を見るとゾクゾクした
もう一本、折ってみるか
「ぎゃははっ、渋谷ぁ〜!、っぐぁ」
「殺さねえだけ有難く思えよ。氷崎」
「っあ、ぐあっああああああ!」
「ははっ・・・いいなその顔」
また一本と腕を折ろうとすると
折り切る前に氷崎は白目を向いて気絶した
「ぁ・・・っぐ・・・」
「・・・チッ」
なんだよ、面白くねえな
「新さん!」
氷崎から手を離し、声のする方へと顔を向けると
ダチ達が周りの野郎共と掴み合いながら
俺を見て驚いた顔をしてる
「楽しそうだな」
「・・・・・あ、新さん?」
「俺も混ぜろよ」
そしてまた近くに居た奴に殴りかかった
体がなんだか重い・・・
もうずっと喧嘩をしてなかったみてぇな感じがする
「ぐはっ」
「はっ・・・楽し・・」
懐かしい感じだ
相手の顔に拳を思いっきり沈める感覚
相手の苦しむ声・・・歪む顔
「渋谷君!!」
・・・楽しい
「ひっ、やめっッガハッ」
楽しいなぁ・・・やっぱ喧嘩って
「やめてよ!渋谷君!!」
「!?」
また一人と、殴ろうとしたら
あの男の声が聞こえて俺は体を止めた
「し、渋谷君っ駄目だよ!もうやめて!」
「は?」
何言ってんだよこいつ
やめる?やめれるわけないだろ
こいつらは秋人をあんだけ痛めつけたんだぞ
こんなもんじゃ済まねえだろ
「おい、おま・・・」
ビクビク震えながら俺を見るこの男に
邪魔をするなと言って近付こうとした時だった
紙の様な物を踏んでしまい、俺は足元を見た
「ん?」
拾い上げると知らねえ奴の写真・・・
「・・・・っ!?」
そして、二枚目の写真に写った奴を見た瞬間
頭に激痛が走った
「くっ、ぅ・・・ぁ」
締め付けられる感じがして
頭がかち割れそうになる
「いっ、・・く、そ・・・んだよっ」
なんだ・・・こいつの顔・・・どっかで
写真を握り潰して床に叩きつけ
暫く頭を抱えてると痛みも治まってきた
「・・・・っ」
「渋谷、君・・・」
あーもう、だから誰だよお前は
「ぼ、僕が分からないの?」
「退け」
「渋谷君!!」
「触るな!」
「っッぐっ」
秋人を抱き抱えようとした俺の腕に
掴みかかってきたこいつの顔を殴ってしまった
「ぁ・・・」
何故かその時、胸がズキっと痛んだ
「し・・・ぶやく・・・」
「・・・っ知らねえよ・・・」
やめろ。そんな顔で俺を見るな
「新さん!警察と救急車が!」
「・・ぁあ。土屋と川下は?」
「ぶ、無事です!」
「・・・そうか」
ダチにそう言われ秋人を抱えたまま
俺は入り口へと歩いた
警察がぞろぞろと店の中に入って来て
やり合ってた奴等が我先へと逃げ始めた
「渋谷君・・・」
またあいつが俺の名前を呼ぶ
「・・・・・」
あいつの声も、どっかで聞いた事がある
「・・・っ、・・・渋谷君」
でも思い出せねえ、つかやっぱ知らねえ
「おい、お前」
「・・・へ?」
「一緒に来い」
だからなんでお前みたいな奴が
秋人と一緒に居たのか・・・
「全部話せ」
俺は聞く必要がある
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