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一生勝てない
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すぐに離れようと抵抗したけど
眼鏡の大きな体に包まれてピクリとも動けなかった
体が重なって一気に熱が上がっていく
このままだと気付かれる
「てめっ、離せ!」
心臓がうるさく跳ねる
眼鏡は後ろから俺の肩に顔を伏せて
暴れる俺を見てまた笑った
「あったかい・・・」
「っは?」
ボソっとそう言った眼鏡は
今度は軽く俺の耳にキスをしてきた
眼鏡がキスをしたのは左耳のピアス
「・・っ・・・」
唇が肌に触れ息がかかってビクビクする
冷たい唇が離れるとまた耳に眼鏡の息がかかった
「俺さ。俺の為に必死になるお前好きだよ」
「・・・・」
「反抗的で素直じゃないお前も好きだよ」
「・・・・・だから俺は」
「俺の事・・・好きじゃないお前でも好きだよ」
「・・・っ」
なんでいきなり・・・そんな事言うんだよ
「離せ・・・気持ち悪い」
・・・嫌いにならねえのかよ
俺は散々お前を殴ったのに
酷い事いっぱい言ってるのに
「離せよっ!」
力いっぱい眼鏡の腕を解き
振り向いて突き放そうとした時
手首を掴まれて体を引き寄せられた
「お、い・・・」
正面から抱き締められ眼鏡の胸に顔が埋まる
こいつの心臓の音が聞こえてまた体の熱が上がっていく
頭を手で押さえられ、腰にも手が添えられていて
本当に動けなかった
「・・・好きだよ・・・新」
「っ・・・」
また少し笑いながら眼鏡がそう言う
まさか・・・ふりだって気付かれたのか?
「ちけえ!きもい!離れろ!」
駄目だっ
気付かれちゃいけないんだっ
「くそ眼鏡が!離せつってんだろ!」
体を押して離れようとしても
やっぱり力でこいつには勝てない
「離せ!離せ離せ離せ!!」
バシバシと眼鏡の体を叩いて抵抗を続けた
「好きだよ・・・」
「・・やめろ」
「好き・・・」
「っ・・・やめ、ろ・・」
だけど眼鏡は抱き締めたまま
ずっと俺に好きだと言って来る
「・・離せ」
声が震えてる
動揺したら駄目だ・・・
だけど声を出そうとしたら
思いが口に出てしまいそうで声が出せない
「・・・・くっ」
口を閉じて唇を強く噛み締めた
「・・・なぁ新」
「・・・・・・・」
「俺だってどんなお前でも好きだよ。」
「・・・・」
「でもさ。俺に頼ってくれないお前は嫌だな」
「・・・・・」
「俺ってそんな頼りないか?まだ俺の事信じられない?」
「・・な、に・・」
「頼むから。一人で抱えようとするな・・・
俺にくらい思ってる事全部吐き出せよ。
俺はお前の事一番に理解したいし
力になってやりたい。ちゃんと頼って欲しい。」
「・・・っ・・」
優しい声が降ってくる
ゆっくりと頭を撫でられて
そう言われ胸がぎゅっと締まっていく
「殴らせる様な事、させちまってごめんな。
・・・辛かったよな。」
「・・・っ、ぅ・・・」
なんでお前が謝るんだよ・・・
「約束。守ってくれてありがとう」
眼鏡が優しく笑った瞬間、
公園の大きな時計がカチッと針を進めた
「ふ・・・ぅ、っ・・・ヒック」
その音が聞こえた時、眼鏡はまた優しく笑って
優しく抱き締めてくる
「誕生日・・・一緒に居てくれてありがとう」
「・・グズ・・・う、ぐっ・・」
日付が変わってしまい
俺はこいつの誕生日に最悪な事をしたのに
眼鏡は嬉しそうに笑ってる
「新・・・愛してるよ」
「っ・・ヒック・・・ゔ・・・お、れも・・」
「・・・・・・ん」
「好き・・っ好きだ・・・」
「知ってる・・・」
愛してると言われた瞬間に
必死に抑えていた気持ちが溢れて
眼鏡の背中に手を回し顔を眼鏡の胸に押し付けた
「ごめんな。すぐ気付いてやれなくて・・・
・・・ふりなんかさせちまって」
優しく頭を撫でられて
また涙が溢れて来る
眼鏡は気付いてたんだ
俺が嘘を付いてるって・・・
「辛かったよな。」
「ヒック・・・ふ・・・ぅっ・・」
いつから・・・気付いてたんだ・・・
「何も我慢すんな。泣きたい時は泣け。
言いたい事あるならちゃんと話して。
大事な奴の辛そうな顔は見たくない」
「ぅ・・・っ・・・」
本当に・・・俺は一生お前には勝てない
「家に帰ろう・・・新」
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