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泣き顔
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「・・・・・」
「・・・・え・・・ぁ・・え?」
顔を真っ赤にする新を見て
何故か俺も瞬時に顔が熱くなった
あげる・・・そう言った後
新は下を向いて体を震わせ始めた
いくら新がデレる時があったとしても
まさか、あのお決まりのセリフを言ってくるなんて・・・
あげる・・・あげるとは
そういう意味で取っていいのか?
「・・・新」
「っ!」
しゃがんで新の頬に触れ
ゆっくりと親指で唇を撫でると
新は目をぎゅっと閉じた
体はさっきよりも震えてる
「言葉の意味、分かってんの?」
「・・・・わ・・かってる」
「・・・・」
じゃあ・・なんで怯えてんだよ
手を新の頭へと移し、頭を撫でて俺は体を離した
「これ以上浸かってるとのぼせるから。風呂出るぞ」
「なっ・・」
話しを逸らし、そう言って脱衣所に置いてあったタオルを
湯船に浸かったままの新の頭に被せた
「ま、待てよ!」
すると新は俺の腕を掴んで大きく叫んだ
頭に被せたタオルが落ち俺の腕を掴む手に力が入ってる
「・・・こ・・こで・・・して」
「・・・・」
震える声で新はそう呟いた
・・・ここでして。いつもより素直で
可愛い言葉だけど
「駄目だ」
今のお前は抱けない・・・
駄目だと言って俺は新の手を軽く払った
「・・っ・・んで・・」
「とりあえず風呂から出て」
「いや、だ・・・今すぐがいい・・」
「・・・駄目だ」
また駄目だと言って
湯の中に肩まで体を沈めた新を抱き上げようとした時
ポタリと湯に新の涙が落ちた
「今すぐ・・がいい・・・・・っ」
「・・・・」
溢れる涙が頬を伝い湯船に落ちる
目を閉じたまま新は頑なにそう言って
風呂から出ようとはしなかった
「俺がっ・・・誘ってやってん、のに・・・
なんで・・何も・・して来ないんだよ」
「・・・・」
「やっぱり・・嫌なんだろ・・」
「え・・・」
「他の男に抱かれた俺なんて
抱く気にもならないんだろ・・・」
「・・・・」
その言葉を聞いた瞬間
さっきまで考えていた事が頭から抜けた
「顔上げて」
抱く気にならないなんて・・・思うわけない
「??・・ンッ」
新の顎の下に指を添えて上を向かせ
涙で濡れる唇に優しくキスを落とした
「・・・っ・・・ん・・」
ゆっくり舌を絡めると
新は声を漏らしながらまた涙を零した
「なぁ新」
「・・っ・・はぁっ・・」
唇を離し、震える体を抱き締め耳元で呟くと
それだけで新は体を熱くさせた
「今、なんで泣いてんの?」
「・・・っは?」
今は抱けない・・・そう思ったのは
お前が何かに怯えているから
樹に抱かれた時の感覚を体が覚えてるからだろ?
怯えるお前を抱く事は出来ない
傷が深まって余計にその時の事を思い出しちまうだろ
「俺以外の事で泣いてるお前を抱くなんて出来ない」
「な・・・」
今のお前の頭ん中には樹が居る
俺以外の奴に与えられた感覚に怯え
それを早く俺に消してほしいと思ってる
もちろんちゃんと消してやる
でも、俺は今無性にお前を泣かせたいんだよ
だから今お前を抱くと
きっと酷い事をしてしまう
そう思ったから駄目だと言ったんだ
「め・・眼鏡?」
雰囲気が変わった事に気付いたのか
新はいつもの顔に戻ってきた
にやりと笑う俺を見て警戒する顔
「・・・その顔・・好きだよ」
警戒しながらも、結局は俺に気持ち良くさせられて
その強張った顔がだんだんと
甘くとろけていくお前が好きだよ
「でもな。俺はお前の泣き顔が一番好きなんだよ」
「・・へ・・わっ!!」
シャワーを全開にして
湯船に浸かっていた新を抱き上げ壁に手をつかせた
「な、なにすんだよ!」
「新・・・」
「っ!?」
後ろから新に覆い被さり
上から降ってくる熱い湯にまたお互いの髪と体が濡れ始める
「ぁ・・っお、い・・眼鏡」
舌で背中を舐めると
新の体がビクビクと震え出した
涙は止まっていて
あの強気な目がやっと俺に向けられる
いつもの新の表情が戻って来る
「お前の泣き顔・・すげえ好き」
「・・っひぁ・・・や、あ・・」
最低でもなんでもいいんだよ俺は
どんなお前でも好きなのは本当だよ
でもその中で一番好きなのは
俺を思って泣いてるお前なんだよ
「プレゼント・・・お前を貰うけどその前に」
他の奴の事なんか考えるな
お前は俺の為だけに泣けばいい
「今からもっと泣かすけど。いい?」
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