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同じ言葉
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会長の事が頭から離れなくて胸が苦しくなった
湯けむりが絶えない風呂場の中で
シャワーの音だけが鳴り続いている
眼鏡は体の力を抜いてて
肩がいつもより下がっていた
何も言わなくなったこいつが
何を考えてるのかが不安で
俺は必死に眼鏡の体にしがみついた
好きだって言葉を聞いたら
心があったかくなって
きっと眼鏡の事で頭がいっぱいになると思った
とにかく今の自分が嫌過ぎてたまらない
自分であげるとか言ったくせに
結局俺はお前に何もやれてない
逆に安心感が欲しいって
お前に強請ってるみたいなもんじゃねぇか
「・・・ごめん」
こんな自分、大っ嫌いだ
「なんで謝ってんの?」
「・・・・・」
ようやく眼鏡が口を開いて
大きな手で頭を撫でられた
降ってきた眼鏡の声は
いつもより低い声で重かった
だけど、優しい声だった
「俺・・お前が好きだ」
「・・・・」
「世界で一番お前が好きだ・・」
「・・・ん」
好きな奴に何もしてやれてない
会長に犯された感覚が残って
ろくにお前とセックスも出来ない
「お前が・・・・大好き・・だ」
俺があげれるのは
精一杯の気持ちを込めた言葉くらい
「・・ふ・・っ・・ぅ」
トラウマになってしまった
体を重ねる事が出来ない
「好き・・・だい、すき・・っ・・」
「・・・」
お前が大好きなのに
ちゃんと愛し合いたいのに
セックスをするのが怖い
肌と肌は密着してる
眼鏡の体温も吐息もちゃんと感じる
でも一つになることが・・・怖い
「・・・新」
「っ・・・」
安心出来るこいつの声
何度も名前を呼ばれ心はあったかくなる
「新」
「ひっ・・・ぅぐ・・」
でも体の震えが止まらない
流したくもない涙が止まらない
「や、・・いやだっ・・」
体が外からの侵入を拒んで
怯える声が勝手に漏れる
「うっ・・・ぁ・・」
膝の下を眼鏡に持ち上げられて
また大きく足を開かされた
口では嫌だって言ってしまうけど
眼鏡の体が少しでも離れそうになったら
俺は縋り付いて、首を横に振った
離れてほしくなかった
痛くてもいいからこのまま抱いてほしい
「新・・・」
「いっ・・ん、ぁあ・・・」
わがままで何をしてほしいのかちゃんと言えてない
言葉と体の矛盾がまた自分を嫌いにさせる
「して・・いいからっ・・」
「・・・・」
ガタガタと震える体を抱けなんて
犯してるみたいに思わせてしまう
「お前の・・・好きにして・・いいからっ」
それでも抱いてほしい
お前と一つになれば絶対安心出来る
お互いが幸せだって気持ちを言葉にして
好きだって思いを体で表して
きっと会長の事も忘れる事が出来る
「聞いていい?」
「・・・え・・」
目を閉じていたら、少しだけ怒った眼鏡の声が聞こえて
俺は咄嗟に目を開いた
聞いていい?って・・・
「な、にを?・・」
俺を見下ろす眼鏡の瞳が心臓を貫いた感じがして
背筋がゾクっとした
ゴクリと唾を飲んで眼鏡の言葉を待った
「樹に」
「・・・」
会長の名前が出て、また体が震える
何故か覚えのある感覚・・・
記憶を抉られるような
無理やり記憶を引き出されるような・・・
会長が言った言葉と同じ事を言われる気がした
「どんな風に抱かれたんだ?」
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