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1番と2番
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なんだか体が物凄く重くて怠い
背中や腕、頭・・・体のあちこちがズキズキする
そう言えば、俺はあの時氷崎に刺されたのか
あれ・・・でもさっき忍と俺、キスしたよな?
普通に忍と喋ってたよな?
なのになんで真っ暗なんだ・・・
まさか・・・俺は死んだのか?
死んだ先で忍とイチャイチャする都合のいい夢を見てしまったのか
あぁ・・・死んだのか俺は
ならもっと忍とイチャイチャしてたかったわ。
いやというより、そもそも振られてんだった。
振られたのに友達で居て欲しいなんて言って
友達でもいいから一緒に居たかったのに
あんな目に合わせちまって、ろくに忍を守れなかった
まだ死にたくねぇな
好きな奴一人守れないまま死ぬなんて漢が廃る
「・・き・・ひと・・」
うわ。死神の声まで聞こえてきた
とうとう駄目だなこりゃ・・・
三途の川って泳いで渡るのか?船出んのか?
「ぁ・・ひと・・」
なんか新の声に似てるな。
新・・・お前死神だったのかよ
やめろよ。ダチなら助けてくれよ。見逃せよ・・・
俺を忍のところへ戻させてくれよ
「秋人!」
「・・・!?・・」
死神の声がはっきりと新の声に変わった瞬間
目を開くと真っ白い天井が広がっていた
「お前、とんでもねぇ寝言言ってたぞ」
あと、俺を覗き込んでいるのは死神じゃなく新
「・・・え・・なんでお前が」
頭の中がボーっとする
周りを見渡し、痛む体を触ってみると包帯が巻かれている
「誰が死神だって?あぁ?」
「・・・・」
怒った顔をして俺を睨んで来る
そしてようやく意識がはっきりしてきた
「ここ、病院か?」
「そうだよ。見たら分かるだろ」
・・・病院・・・
「・・・・忍は?」
「は?大崎ならさっき土屋達と一階のコンビニに行ったぞ」
「・・・・・」
土屋達とコンビニ・・・
「はぁー・・・」
「??」
みんな無事だと確認すると
俺は大きく息を吐いて布団に背中を沈めた
「良かった・・・」
俺も死んでない。忍も土屋達も無事
良かっ「良くねえよ」
「?」
また新の怒った声が聞こえ、新に胸倉を掴まれた
「秋人、お前なんで今回の事を俺に言わなかった?」
「・・・今回の事?」
「一昨日よりも前から氷崎達に鷹中の奴等が襲われてたんだろ。
なんですぐ俺に言わなかった?」
「・・・・」
「お前死にかけたんだぞ。
全部一人で何とかしようなんて思ってんじゃねえよ。
俺に頼れば良かっただろが。あの時俺が駆け付けなかったら
今頃本当に三途の川渡ってんぞお前」
駆け付けたって事は・・・新が氷崎を・・・
「・・・・」
結局またお前に助けられたのか
「おい、聞いてんのか?」
「・・・・」
新は昔から変わってない
心配したって言葉よりも先に絶対こうやって説教をしてくる
「・・・お前こそ」
「は?」
「お前こそ、何で前に氷崎と会ったって俺に言わなかったんだよ」
「なっ・・・」
お前だって、一人で抱えようとしてるじゃねえかよ
俺に頼ろうとしてねぇじゃねえかよ
「自分だって黙ってたくせに、説教してんじゃねえよ」
「・・・てめえ」
「・・・・・・」
「・・・・・・・」
睨み合いが始まり、病室が静かになった
懐かしい感じだった
昔こうやって新と顔を合わせると睨み合っていた
考え方も価値観も俺と違う新と中々仲良くなれなくて喧嘩ばかりしていた
体格も背も俺よりチビなくせに生意気で。
なのに誰よりも喧嘩が強くて
何度喧嘩をしても、俺は一度も新に勝てなかった
周りの奴等はお前をトップ、俺をツートップと呼んだ
1番のお前と続いて2番目に俺の名前が知られて行った
別に俺はお前の下にならついてもいいと思った
けど・・・
「・・・・・」
「・・・・・・」
いつまでもお前が上だと思うなよ
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