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親友
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「・・・っ・・・」
「・・・・ブハッ(笑)」
睨み合いを続けていると、新が盛大に吹き出した
さっきまで張り詰めていた空気がプツンと途切れる
「っしゃあ!俺の勝ち!」
笑った新を見て俺はガッツポーズをした
「っ、お前!途中で白目向いただろ!」
「はぁ?向いてねえし。今回は俺の勝ちだな」
「チッ・・・くそ」
まぁ、本気で喧嘩なんて今はしなくなった。
こうやって睨み合いをして先に目を逸らすか
笑った方が負けって感じで勝ち負けを決める。
それくらいのくだらない遊びを久しぶりにして
懐かしい気分に浸っていると、新がにこっと笑った
「・・・秋人、無事で良かった」
「悪りい。またお前に世話になった」
「はっ、親友だろが。世話になっとけ」
「へへ・・・そうだな」
二人で笑って拳と拳を合わせる
俺よりも小さい手、この手にまた守られてしまった
「お前ってすげえよな」
「?」
時々お前の強さが羨ましい
お前くらい強かったら俺は忍を守れたかもしれない
「忍さ・・・俺の事なんか言ってたか?」
「は?」
大丈夫だとか言ったくせに
俺は呆気なく刺されて死にかけた
こんな姿好きな奴に見せたくなかった
皆に心配かけて迷惑かけて、かっこ悪いにも程がある
・・・幻滅されたよな?
「お前覚えてねえのか?本当に寝ぼけてたのか?」
「え?」
俺が首を傾げたら、新は目を細めてニヤニヤし始めた
なんだぁ?腹立つなその顔(怒)
「覚えてねぇなら本人に聞けよ」
「・・・・・」
「お前が寝てる間に色々あったぞ。
ちゃんとお前から大崎に聞いてやれ」
「・・・・おう」
そうだよな。
忍と話がしたい
早くあいつの声を聞いて安心したい
許されるなら・・・抱き締めたい・・なんて
「はぁぁぁ、俺駄目だわ」
「??」
あいつに謝らねえといけねえのに
忍の事考えたらキスしてえとか触りてえとか
そんな事ばっか考えちまう
もう二度とさせてもらえねえかもしれねえけど・・・
「俺、忍が好きだ」
「俺に言ってどうすんだよ」
「・・・まぁそうだな・・・はぁ・・・」
早く会いてえ・・・でも会うのが少し怖いな
「嫌われてねえかな?」
「はぁ?」
「夢では忍が俺に好きって言ってくれてたんだよ」
「お前大崎と付き合ってんだろ。夢もくそもあるかよそれは現実だ」
「・・・・・あ。」
そういや、別れた事こいつに話して無かったな・・・(汗)
「あー、実は色々とありまして」
「喧嘩でもしたのかよ?大崎はそんな感じには見えなかったぞ」
「え」
見えなかったってそれは
「ど、どういう風に見えた!?」
新から見て、忍が俺の事を
どんな風に思ってるように見えたか気になって
新に掴みかかって問い詰めた
「おいっ!急に起きると傷口開くぞ!」
「忍は俺の事っいっ!・・・っぁ」
上半身を起こすと背中と腹に激痛が走った
「馬鹿が、大人しく寝てろ」
「・・・ゔ」
新が俺をゆっくりとベッドに戻してくれて
また真っ白な天井を見上げた
俺の事を嫌ってる様には見えなかった・・・なら
もしかしたらのもしかしたらで
忍は俺の事少しずつ見てくれてる
「ははっ」
やべ・・・思い込みだけどなんかにやける
「キモいぞ。何一人で笑ってんだよ」
「内緒〜」
本当に早く話がしたい
これから起きるかもしれない忍との事を考えると
また胸がくすぐったくなる
「なぁ新・・・」
「・・?・・・んだよ」
「入れられる方ってやっぱ辛えの?痛いのか?」
「はぁ!?」
「いやお前受けだろ?参考にすっから聞かせろよ」
「何の参考だよ!ふざけんな!」
「忍に辛い思いさせねえ為だよ!どんな体位が辛えとか教えてくれよ!
ちなみにどこが気持ちいいとかさ!
俺少しでも優しくしてやりてえんだよ!」
「っ、知るかぼけが!」
「いっ!てめえ殴る事ねぇだろ!」
怒った新は俺の頭にゲンコツを入れて
腕を組んで病室から出て行こうとした
相変わらず冗談通じねえな・・・
そんな怒る事ねえだろ・・・
「待たせてる奴居るから俺は帰るぞ」
「待たせてる奴?」
振り向いた新はそう言うと少し顔が赤くなってた
「おう。大崎達によろしく言っといてくれ。」
「また来いよ!あと見舞いには千羽鶴持って来るのが普通だぞ!」
にこっと幸せそうに笑った新を見ると
ちょっとからかってやりたくなり咄嗟にそう言った
「は?そうなのか?」
相変わらず俺の言った事を真に受け、
新は扉を閉める前に『任せろ』と言って帰ってしまった
まぁ流石に千羽は折って来ねえだろ
あいつ不器用だし折り紙なんて出来るわけねえしw
マジ?みたいな顔してたなあいつw
やっぱ面白えな・・・新ww
「はぁ・・・」
新が帰り、静かになった病室で
今度は忍の事を考えながら窓の外を眺めた
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