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知りたい
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大声を張り上げ自己紹介をすると言った瞬間、僕は慌てて秋人君の所に駆けて行ってしまった
「あ‼︎もう動くなって言っただろ‼︎」
「だ、だって‼︎いきなり屋上で大声出すからっ」
病院の人に注意されてしまうかもしれないし、それに改めて自己紹介だなんて……
「俺の事知りたいんだろ?」
「え……は、はい…」
いや確かにそう言いましたけど……
「よし!なら元の場所に戻れ!」
「えっ⁉︎」
だからなんでそうなるの⁉︎大声で自己紹介するメリットって何‼︎
それに大声なんか出して力んだ瞬間手術した傷口がパカって開いたらどうするの‼︎
「ほら戻れって」
「戻りません‼︎」
奇跡的に助かったのに自己紹介してまた倒れたんじゃ話にならない
それに僕が知りたいのはそういうの意味ではなくて………
「忍?」
「…………」
あれ……でも僕、確かに秋人君の事何も知らない……誕生日とか好きな食べ物とか趣味とか全然知らない………
知ってるのは名前と、小夏ちゃん達のお兄ちゃんって事と……鷹中の元ツートップ…それから……優しい人だって事しか知らない
全然秋人君の事知らないじゃないか………
「やっぱり……自己紹介……お願いします」
「ん?」
知りたい。どんな小さな事でもいいから秋人君の事が知りたい………
「自己紹介!お願いします!」
頭を深々と下げて僕も大声を出してしまった
「あっ、でもこの距離で大丈夫なので叫ぶのはやめて……ほしいです」
無理して体悪くしたらダメだし……
「へへっ、おう!」
そう言った後に秋人君の笑う声が聞こえ、僕は顔を上げた
そして秋人君の自己紹介が始まった
「菅原秋人、7月7日生まれ。血液型はO型、親父とお袋と双子の妹弟と俺で5人家族。好きな食べ物は肉料理!でもバランスは大事にするぞ。野菜だってちゃんと食べるぜ。嫌いな食べ物は無い!」
「野菜……うげ……」
僕は野菜なんか大嫌いだ……特に人参とピーマン……秋人君は野菜を食べれるのか……うっ…
「もちろん得意な事は料理。まぁ家事全般は出来るな!掃除洗濯なんでもこなしてやるぞ!」
「ふふっ……お母さんみたい」
「忍のお袋さんには敵わねえよ(笑)」
秋人君は笑ってそう言ってるけど、君は僕のお母さんを遠に超してるよ。だって僕の嫌いな野菜が食べれるのは秋人君が作った料理だけなんだよ
なんて、ちょっと恥ずかしいから言えないけど……
「そうだなぁ〜あとは、犬派か猫派どっちか聞かれたら俺は犬派だな。」
「あ、それはなんか分かる気がする」
「忍も犬好きなのか?」
「いや……なんていうか…」
秋人君自体が犬っぽいから犬が好きなのかなって……思ってた事はある……
「犬なぁ〜飼いてえけど春人が動物アレルギーなんだよな」
「動物アレルギー??」
「そ。だからペット飼えねえんだよ。」
そう……なんだ……
よほどペットを飼えない事にショックを受けてるのか秋人君はしょんぼりとした
犬の話をしていたからか、その時の秋人君に犬の耳と尻尾が見えた。しゅんと耳と尻尾を下ろしてクゥ〜ンって鳴いてるみたい(笑)
少し可愛いなって思った
「他にさ、俺に聞きたい事ない⁇」
「え……」
ふふっと笑っていたら、さっきまでしょんぼりしてた秋人君が今度は尻尾を振ってそう聞いてくる
でも急に聞きたい事無い?って言われましても……
「う〜ん……そうだなぁ……」
「わくわく!」
「声に出てるよ」
聞きたい事……沢山あるけど……何から聞けばいいんだろう……
「じゃあ………趣味は?」
とりあえず…無難なとこから攻めよう……
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