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番外編【バレンタイン当日】
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恐ろしい事にあの後も眼鏡は角砂糖を入れ続けた。
その数合計17個。
大量の角砂糖が入ったコーヒーはもはや本来の色では無かった。
自分好みの味に出来たのか、スーパー甘ったるいコーヒーを一口飲んだ眼鏡は満足そうな顔をしてた。
秋人にこの事を話したら盛大に引かれた。
『もうそいつ人間じゃねえ』とまで言われた。
全くその通りだ。眼鏡は人間ではない。
あんな甘ったるいコーヒー飲めるのなんて世界中どこ探しても眼鏡だけだ。
まぁそんなことはもういい。今更驚く事でもない。
今日はバレンタイン当日。
日本中がチョコレート一色に染まる日だ。
「よしっ!」
材料を目の前に並べ、ふんっと胸を張った。
秋人に作り方は教わった。あとは実践するだけだ‼︎
「………なぁ、新」
「なんだよ」
「見るからにチョコ作ります。って感じなんだけど……一応聞くわ。何すんの?」
「チョコ作るんだよ」
「…………」
そう返してやったら、眼鏡は黙り込んだ。
「バレンタインのチョコってさ……こっそり作って渡すってのが普通じゃねえの?」
「はぁ?法律で決まってんのかよそんな事」
「………」
うざい。今の俺の返しは自分でイラっとくる程うざかった。
でも今日は何だか調子が良い。眼鏡も珍しく言い返して来ない。
確かに眼鏡が言ったように、家でチョコ作って来ようと思ったけど、出来上がった俺特製超ハイクオリティチョコをこいつに渡しても、絶対作ってねぇだろって言われるのがオチだ。
「ほら!お前はあっち行ってろ!」
だから俺はその場で作って、俺が作ったチョコだって証明してやる為に眼鏡の家でチョコを作る‼︎
なんで自分の家で作らねえのかって?俺の家にはチョコを作る為の道具が一切無いからだ‼︎
「大丈夫?……手伝おうか?」
「いい‼︎あっち行ってろ‼︎」
「……はいはい」
グイグイと眼鏡の背中を押して台所から退散させた。
「うし。これで邪魔者は居なくなった。」
再度テーブルに並べた材料に目を通す。
俺だってチョコくらい作れるんだ。
眼鏡の手なんか絶対借りねえ。
「まずは……板チョコを細かく刻んで……」
秋人がくれたレシピが記載されたメモに目を通し、板チョコを手に取り包丁を構える
「はっ、刻むくらい楽勝だぜ……」
絶対、世界一うまいチョコ作ってやるんだ
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